No title
「ちょっ、タンマっ!」
トレーナーの中に手を差し込み、胸の小さな突起に触れた途端、伊月が日向の胸を押し返した。
「んだよ……」
「何ヤる気になってんだよ。まだ下にはお前の母さんいるだろ!?」
「居るけど平気だって。伊月が大きな声出さなきゃバレないだろ」
「そういう問題じゃ……ぅっんん……っ」
文句を言う口を再び塞ぎ、構わず胸の突起を摘まんでやると伊月の身体がびくりと震えた。人差し指で押し潰したり円を描いたりすると、その度に唇が震えて小さな声が洩れる。
「や……は……ッ、ひ……日向ベッドに……」
「待てねぇよ」
直ぐ側にベッドがあるのはわかっているが、そこまで待てそうにない。
炬燵の中に手を差し込みズボンに手を掛ける。狭い空間で伊月が暴れるので脱がせにくいことこの上ない。
日向はチッと小さく舌打ちをして、足で炬燵を蹴って退かすと下着の中に手を差し込んで熱く猛ったモノに触れた。隠そうとする腕を押さえつけ、急いた唇が胸から臍へと降りて伊月の白い肌に所有の徴を刻んでゆく。
「ん、ぁっ……は……」
ソコは既に勃ち上がり、先端から蜜を滴らせていて上下にゆっくりと動かすとくちくちと濡れた音がする。
「あっ、や……っ日向の馬鹿っ! 何処触って……っ」
「……グダグダうるせぇよ。彼氏様に馬鹿とはいい度胸だな、伊月……」
「えっ!? ちょっ、いつの間にクラッチタイム入っちゃったわけ?」
ぎろりと睨んでやると伊月の頬がひくっと引き攣った。
「俺ん家に泊まるって事はこうなる事くらいわかってたはずだろうが。何カ月も俺を待たせるんじゃねぇよ」
「で、でも……まだオレ心の準備が……」
「んなもん一回ヤればなんとでもなる!」
「そんな……ぁンっや、だって……」
構わず腰を引き寄せて日向は伊月の肩に顔を落とした。
幾度となく首筋にキスをして息をつく暇も無いほど次から次へと愛撫を加えていく。
伊月の身体が何処をどうすれば感じるのかを探るように体中にキスを降らせて熱を煽る。
「ま、待て日向」
初めての感覚に追い上げられ、快感に震える伊月は限界が近いのか肩で荒い息を繰り返しながら、性器を握る日向の手を押さえて動きを封じた。
「ひ、日向っ、せめて……電気消してくれないか?」
「はぁ? 嫌だ。伊月の顔見えないし」
「見なくていいよ、恥ずかしいだろ」
「恥ずかしがるお前の顔を見るのがいいんだよ」
日向は押さえつける伊月の手を簡単に外したっぷりと耳を蹂躙したあと、首筋にきつく吸い付き、舌を首筋から鎖骨、胸へと滑らせる。