No title

部室棟の一番奥。今は誰も使用していない物置のような場所があった。元は何かの部室だったと言う噂だが、此処に来る生徒などほとんどいない。
周囲を見回し、誰も居ないことを確認すると高尾は重い足取りでその一室へと入っていく。
無駄に視野が広いお蔭で、人目を避けてここまで来る事は造作もない事だった。
部員たちや、緑間、宮地に会ってしまったら困るなんてどころの話じゃない。
けれど、誰かに助けてほしいと言う気持ちもあって、複雑な気持ちに胃の辺りが締め付けられる。
「遅かったな」
部屋に入りドアが閉まると、充満するたばこの臭い匂いで咽せそうになった。どうやってここの鍵を入手したのかはわからないけれど、部屋の荒れ具合から見てもこいつらの溜り場になっているのは間違いない。
「約束、だろ……」
息苦しくてたまらない。空気が悪すぎて吐き気すら込み上げて来る。
「フン、じゃぁ時間もねぇし、おっぱじめるか」
一人がニヤニヤといやらしい表情を浮かべながら近づいて来て、入り口に突っ立ったまま動かない高尾の腕を強引に掴んだ。
咄嗟にその手を払いのけようとしたが、椅子に座って足を組んでいる男の手に例の画像が今すぐにでも投稿出来るような状態で握られていることに気付き爪が手のひらに食い込むほどに拳を握りしめた。
「ほら、時間ねぇんだから咥えろよ」
「くっ」
ニヤニヤと卑下た笑いを浮かべながら、椅子に座った男が足を広げて指図する。
のろのろした動きでファスナーに手を掛けそこからモノを取り出す。
まだ勃ち上がってもいないそれはずしりと重く、柔らかい。
男のすぐ後ろには、動画でも撮影するつもりなのかスマホをこちらに向けた仲間が見える。
「どうした? 早くしろよ。大好きな先輩にしてやってんだろ?」
「……くっ」
頭上から降って来た揶揄するような声に、もうどうにでもなれと半ば自棄になって柔らかいソレを口に含んだ。
喉奥まで呑み込み、噎せそうになりながら、舌を遣って刺激してやると口の中で急速に体積を増していくのがわかる。
むっとするような雄の匂いに吐き気が込み上げてきて涙が滲みそうになる。
それでも、この時間を早く終わらせてしまいたくて必死に咥えていると、男が頭上で熱っぽい吐息を吐いた。
「あー、やべ。コイツ、この間も思ったけど、やっぱ上手いわ」
「その辺の女より上手いんじゃねーか?」なんて勝手な事を言いながら頭を掴んで全てを呑み込めと言わんばかりに腰を押し付けて来る。
何度も嘔吐しそうになり、早く終わってほしい一心で息苦しいまま舌を動かすと口腔から溢れだした唾液が顎を伝い、床にぽたぽたと滴り落ちる。
口いっぱいに雄を頬張りながら、まだ達しないのかと男を見上げた。熱っぽく潤んでいるような目元は艶っぽく、周囲でごくりと息を呑む音がする。
「なぁ、俺らにも代われよ、たまんねぇって」
ハァハァと鼻息を荒くしながらすっかり怒張しきったソレを今まで見ていた男達が鼻先に近づけて来る。
椅子に座った男のモノを口から離し両サイドのペニスを掴んで交互に咥えてやると、ハッと息を詰めた。
どんどん熱くなっていく男たちとは対照的に高尾の心はどんどん冷たくなっていく。
そう言えば、どっかのAVでこんなシーンがあったなぁなんて、考える余裕すら生まれ始めた自分が可笑しくて思わず笑ってしまいそうになりながら、両方の手と口を遣って3つのペニスを刺激し続けた。
「ん、ん……ふ、んん」
ぐちゅぐちゅといやらしい水音が室内に響き渡り、濃い精臭が蔓延してゆく。
早く達して開放してもらいたい一心で続けていると自分の正面に居る男がニヤリと意味ありげに笑った。
「よし、じゃぁ頑張ったご褒美にオマエも悦くしてやるよ」
「!?」
突然、椅子から立ち上がった男に肩を掴まれ、身体を反転させられた。半ば強引に獣のようなポーズを取らされ、ベルトのバックルに指がかかる。
慌てて阻止しようとしたけれど、他の二人に腕を押さえつけられ身動きが取れない。
あれよあれよという間にズボンと下着を剥ぎ取られ、双丘を割られた。腰を捩って逃げようとしたけれど上手く行かず、一番触れて欲しくないところに指が触れる。
ひやりとした感触に、ビクリと身体が強張った。
「咥えるだけじゃモノ足りねぇだろ?」
「ばかっ、止めろって! ソレは嫌だっ! やめっぁあっ!!」
暴れて懇願するが聞き入れてもらえるはずも無い。押さえつけられたまま慣らしてもいないソコに強引に熱い塊を捻じ込まれ、呻くような声が洩れた。
「く、きっつー……締め付けすげぇな」
「ぅ、ぐ……っ」
焼けつくような熱と身を切り裂かれそうな激痛に顔が歪む。いくら行為に慣れているとはいえ、こんな風に無体に扱われるのは初めてで身体より心の方が悲鳴を上げているようだった。
「く、ぅう……」
セックスなんて誰とヤっても同じ。そう思っていたけれど、自分の意志とは関係なしに身を裂かれる痛さは非ではなかった。
内臓を押し上げられて気持ち悪さに吐き気が込み上げて来るし、体中にまとわりつく無数の手が何より嫌だ。
「ほら、ヨガってんじゃねーぞ。俺らのも悦くしろよ」
誰もヨガってなんかいないのに、勝手な事を言いながら鼻先に再びペニスを突き付けられる。
睨んだって効果はない事はわかっている。助けを呼んだって誰も来てくれるはずが無い。
男のイチモツを噛みちぎってしまいたい衝動に耐えながら、この地獄のような時から一刻も早く解放されたい一心でそれを咥えた。


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