No title

「よーし、今日はもう戻っていいぞ」
薄暗かった部屋の電気が点き、中谷の解散と言う掛け声でメンバーが一斉に立ち上がる。
この後ゲーセンでも寄るか? なんて楽しそうに会話をしながら一人、また一人と視聴覚室を後にするのを高尾は机に突っ伏したまま聞いていた。
「高尾。お前はもどらないのか?」
ふっと頭上に影が差し、顔を上げると195cmの長身がジッとこちらを見下ろしていた。
「俺、ちょっとまだ用があるからさ、真ちゃん悪いけど今日は先に帰っててくんね?」
愛想笑いを浮かべながら、木村と楽しげに話をしている宮地の姿を視界の端で捉える。
その視線に気付いたのか、ほんの一瞬こちらを見た彼がクスッと笑った気がした。
「何処か具合でも悪いのか? そう言えば、今日は珍しく静かだったのだよ」
「……っ、大丈夫だって。なんもねぇし。ほら、真ちゃん早く帰らないと明日のおは朝グッズ探しに行くって言ってたろ? 売り切れてたらどうすんだよ」
普段は冷たいくせに、こういう時だけ心配されるとちょっと困る。
今はとにかく一人になりたくて、早く帰れと急かしてやると、緑間はようやく視聴覚室から出て行った。
「……はぁ〜……やっと行った」
こてん、と机に再び突っ伏して長い溜息を吐く。
先程まで部屋の隅で話し込んでいた木村の姿はもう何処にもない。部屋に残ったのは高尾と宮地だけだ。
「お前は戻らなくていいのか?」
わざとらしい笑みを浮かべながら近づいてくる宮地を高尾は恨みがましい目で見上げた。
「誰のせいだと思ってるんっすか!」
「お前が俺の前で緑間、緑間五月蝿せぇからだよ。焼くぞ!」
そう言ってポケットから取り出したリモコンのようなものを高尾の目の前にチラつかせる。
それを見た瞬間、高尾の体に緊張が走った。
「言ってもわからねぇ奴にはお仕置きが必要だからな」
意地悪な冷たい笑みを浮かべながら宮地の指先がリモコンのスイッチに触れる。
「……っちょ、や、やめっ」
慌てて止めようと立ち上がりかけたが、それより数秒早く高尾の体内に埋め込まれているモノが鈍い機械音を立てて暴れ始めた。
「……んんっ、ぁ……く……っ」
ガクリと膝から崩れそうになった上半身を机の上に乗せた状態で後ろから宮地が高尾の腰抱き、股間にするりと手が伸びてくる。
「すっげぇ。ガチガチじゃん」
可笑しそうに笑いながらズボンの上から緩々と扱かれ、もどかしさに小さな喘ぎが洩れてしまう。
「ぁっは、……んんっみや、地さん触っちゃダメだってっ」
途端に身体を震わせ身悶える高尾を見つめ、宮地は面白い物でも見たようにクスクス笑いながら緩い刺激を与え続ける。
「イイ声だな高尾。まさか、ケツにローター突っ込んでミーティングに参加してたなんて誰も思わねぇだろうな」
「宮地さんが無理やり……突っ込んだくせにっ」
「俺に逆らうからそうなるんだよ。まぁ、みんなの前で声を出さなかっただけでも褒めてやるよ」
ほんの少し触れただけでもビクリと身体が震え、甘く濡れた声が吐息に混じる。
機械的な刺激は快楽を脳にもたらし、じわじわと溢れ出した先走りの液がズボンにくっきりとしたシミを作ってゆく。
机と体の下に手を差し込まれ乳首を指で摘まれた。ぴりっとした感覚と、ペニスを扱く煽るような指先の動きに射精感が高まっていく。
何処をどう触れば感じるかなんて、宮地には全部お見通しだ。
「んっ、や、やぁっ……宮地さ、だ、だめっ」
「エロい腰使いだな。嫌だ嫌だ言ってる割に腰が揺れてるぞ」
揶揄するように指摘されてカァッと体温が上がった。色気を含んだ声に囁かれぞくりと背筋が粟立つ。
「俺がいいって言うまでイクんじゃねぇぞ」
言いながら紐のようなもので根元をきつく縛られた。
「そんなっ……ん、ぁ、あっ」
唐突に耳の孔に舌が差し込まれた。濡れた音がクチュクチュと頭の中で響き、耳から腰まで駆け下りる強烈な痺れに全身の力が抜ける。
机にしがみついていないと体が崩れ落ちてしまいそうだ。
「みや、さ、やっ、あ……あっ、ダメっす……ソコ、やぁ……っ」
「んだよ、もう降参か? 今度から俺の前で緑間といちゃつかねぇっつーんならイカせてやってもいいけど」
耳に熱い吐息を吹きかけながら囁く。たったそれだけの刺激でも達してしまいそうになるが、ペニスをきつく紐のようなもので締められているためソレはかなわない。
吐き出せない熱が下腹部でぐるぐると渦を巻き、苦しくてどうにかなってしまいそうだ。
「わかった、わかったから! 宮地さんお願い……っもう、イかせて……っ」
早く楽になりたくてじわりと滲んだ生理的な涙を浮かべ、縋るように見つめた。
「たく、仕方ねぇな」
宮地は溜息を一つ吐くとズボンと下着を一気に剥ぎ取った。ヒクつくソコを撫でられ我慢できずに腰を揺り動かしてしまう。
ペニスを直に撫でられ、期待でひくりと震えた。先端から滲みでた蜜が滴り落ちて床にポタポタと落ちてゆく。
コレでようやく楽になれる。そう思った矢先――。


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