No title

「っ……や、うぁ……」
思わず洩れた自分の声に驚いて慌てて唇を噛みしめた。弄られている部分から、カッと身体が熱くなっていくのがわかる。
「ぁっ……ちょ、ワザとやってるっしょ宮地さんっ」
「何の話だ? ただ洗ってやってるだけだろ」
うなじの辺りでククッと短く笑い声が聞こえたかと思うと、首筋に生暖かい息を吹きかけられた。
ぞくりとするような感覚に身を竦ませ全身が硬直する。
「ふ……っんん」
声を出したら宮地さんの思うツボだってわかってんのに執拗に乳首を愛撫されて鼻から抜けるような声が洩れた。
それに気をよくしたのか反対側の手が下肢に伸びてきて太腿の付け根を弄り始める。
長い指先が辿る怪しい動きに昨夜の情事による感覚が呼び覚まされ思わず身体が跳ね上がった。
「ぁ……はっ」
泡で滑る指先が尻の窄まりに触れ入口にクッと食い込んでくる。
「や……何処さわって……っ!」
「ココも綺麗にしないとダメだろ?」
思わず引けた腰を押さえつけ、宮地さんの長い指先が泡の助けを借りて内部に潜り込む。
「ぁぅ、そんなトコしなくていいって……っ」
「ガタガタ五月蠅ぇよ。気持ちよさそうなツラしてるくせに」
「し、してないっ……ぁあっ」
狭い室内にくちゅくちゅと言う卑猥な水音が響き、そのことがとてつもない羞恥心に襲われる。
泡で滑りの良くなった長い指が前立腺を掠めるたびに小さな声が洩れ、強烈な射精感が押し寄せてくる。
膝がガクガクして力が入らず、宮地さんの指の動きに合わせて淫らに腰が動いてしまう。
「やらしいな。こっちも溢れて来てるぜ?」
「あっ、は……んん……っ」
不意に乳首を弄っていた指先がすっかり元気になってしまった性器に触れた。
緩急をつけて扱かれ、先端から溢れた体液が宮地さんの手を濡らす。
「っ……ん……ふ。うっさ、誰のせいだと……っ」
前と後ろを同時に攻め立てられ、膝がガクガク笑い出した。
文句を言う余裕も無く、バスタブの縁に掴まって与えられる刺激に耐えるのに必死だった。
「俺のせいか? じゃぁ責任とってイカせてやるよ」
「いぃって別に俺はこんな事したいわけじゃ……あっぁあっ!」
俺の言葉なんか聞いちゃいない宮地さんの手が、徐々に擦るスピードを上げる。
「ふっ……ぅあっ……宮地さ、やめっ……っ」
根元を強く握り締められ、目の前がチカチカする程の快感に襲われる。
一気に先端へと扱き上げられ俺の体は大きく跳ねた。後ろを弄っていた指先が前立腺を撫でたその瞬間。
「ぅあっ、はっ……あぁっ……あぁぁっ!!」
自分ではどうすることも出来ない強烈な快感に、抗う事なんて出来る筈もなく、宮地さんの手の中で爆ぜた。


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