No title

シャワーのコックを捻って、頭から熱いお湯を被りながら知らずため息が洩れた。
ふと、鏡に映った自分の姿に赤く充血した痕を発見しぎょっとする。
「うぇ〜、宮地さんマジかよ……うっわ、こんなトコにまで……」
これじゃ俺、部活ん時着替えらんねぇじゃん。
太股の付け根の徴に触れると、急に昨晩の情景が蘇って身体が一気に火照りだす。
肌に触れる熱い唇の感触や身体を滑る長い指先。
思い出すだけでゾクゾクする。
「――って、ナニ考えてんだよ俺はっ!」
思いっきり頭をブンブンと振って邪念を振り払おうとしてると、いきなり風呂場のドアが開いた。
「……何さっきから一人で百面相やってんだオマエ」
「宮地さんっ!?」
ソコには呆れた表情を俺に向け肩を竦める宮地さんの姿。しかも何故か服まで脱いでる。
「ブフォッ! なんで入って来るんっすか。俺まだ……」
「ゴチャゴチャうるせぇな。お前があんま遅いから風呂で転んでるんじゃないかと思ってわざわざ見に来てやったんだよ」
「転ぶわけねーし! つか、なんで裸になる必要があるんっすか」
昨日の今日だから、正直目のやり場に困る。
「別にいいだろ? 男同士なんだし。面倒だし一緒に入った方が早い」
髪をきあげてそう呟くと、宮地さんが浴室に押し入ってくる。
ただでさえ狭い浴室にデカいのが二人なんて窮屈な事この上ない。
「そ、そりゃそーっすけど……」
「……」
真正面から向き合うのがなんだか気恥ずかしくて俯いた俺の背後からするりと腕が伸びてきて、シャワーのコックを握っていた手に宮地さんの手が重なった。
キュッキュッと少しずつ水量が減って行くシャワー。
それと同時に浴室内の音も静かになってゆく。
「どうせお前、まだ身体も洗ってねぇんだろ?」
オレが洗ってやるよ。
なんて、とんでもないことを耳元で囁くと同時に、ボディソープがたっぷりついた掌が俺の脇から胸元までをいやらしく撫でた。
「はっ? いや、いいって自分でするしっ」
ぞくりとした感覚が胸元から這い上がってくる。宮地さんの手がそのまま乳首を捏ね回すように弄り始める。


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