No title

「宮地さん、何言ってるんすか」
「つかもうお前ら帰れよ。あんま夜遅くなると親がうるせぇんじゃねぇの?」
「ぶっ! わははははっ! なんだよ宮地、ヤキモチかぁ?」
「うるせぇ木村! 余計な口聞いてんじゃねぇよ。轢くぞコラ」
鋭く睨みつけても全く動じることはなく、木村はゲラゲラと笑いながら玄関までやってきた。
その後にため息交じりの緑間が続く。
「わかった、わかった。今日のところは大人しく帰ってやるよ」
「高尾、また連絡するのだよ」
「あ、うん。なんかごめんな?」
申し訳なさそうに二人を見送る高尾の姿に更に苛立ちが募る。
なんで謝る必要があるんだ。これではまるで自分が我儘を言ったみたいじゃないか。
二人を見送った後、高尾はいそいそとミニキッチンで洗い物を始めた。
そんなもの後でもいいじゃないかと思ったが、高尾は後で楽したいからと言って聞かない。
「宮地さん、どうしたんすか。せっかく木村さん達来てくれたのに。バイト先で嫌な事でもあった?」
「別に。なんもねーし」
「ふーん? じゃ、まさか本当にヤキモチ妬いてたりして?」
プッと吹き出しながら洗い物をする高尾を後ろから覆いかぶさるようにして抱きしめ、軽く耳に口づける。
くすぐったそうに肩を竦める無防備な様子に、先ほど感じたモヤモヤとした感情が燻られて大きくなった。
「……もし、そうだ。つったらお前どうすんだ?」
「え? ――痛っ」
耳元に囁くようにして、耳たぶにガリッと歯を立てる。驚いて身体の竦んだ高尾の体を強い力で押さえつけ、シャツの隙間から手を入れて直接素肌に触れる。
「俺がいない間に随分盛り上がってたみたいだな。何やってた?」
「な、何って普通に喋ってただけだし」
耳に舌を差し込みわざと音を立てて舐めながら、体を弄っていた指先で乳首を探し当てる。少し強めに摘まんでやると高尾の体がびくりと跳ねた。
「お前、好きだったよなぁ。複数プレイ」
「や、何言ってんすか……っき、木村さんとそんな事するわけな、ぁっん」
「じゃぁ、緑間と二人きりだったらしてたのかよ」
「ちがっ! しねーしっ。真ちゃんとはもう、本当にただの友達で……は、ぅっ」
弱い耳をしつこく舌で蹂躙してやると、高尾はシンクの縁に掴まって小刻みに震える。
「信用できねぇな。お前エロいこと大好きだもんなぁ?」
わざと意地悪く言いながら首筋に舌を這わせる。少し乱暴に乳首を摘まみ、ボトムのウエスト部分から手を突っ込んで性器を握りこむと高尾が息を詰めた。


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