No title

「大丈夫か?」

「……全然、大丈夫じゃないっす。ケツが超痛てぇ」

後処理を済ませ、何だかんだやっているうちに学校を出るころにはもう外は真っ暗になってしまっていた。

腰が痛くてどうしても動きが緩慢になってしまう俺を挟んで、宮地さんと真ちゃんが心配そうに歩幅を合わせてくれる。

珍しく二人が優しいのは一応、やり過ぎたと言う実感があるからみたいだけど。

「大体、緑間が抜け駆けするからこうなったんだぞ」

「二本入るとか言い出したのは先輩なのだよ。大体、高尾はあなたのモノではありませんから!」

真ちゃんが右腕を掴んで俺を引き寄せれば、すかさず宮地さんが左腕を引っ張り奪い返そうとする。

デカい二人が俺の頭上でいがみ合ってるのを見て思わず盛大な溜息が洩れた。

「いい加減喧嘩すんの止めて下さいよ。つーか、俺やっぱ二人とも好きだし、どっちか一人になんて決めらんねぇから」

「……じゃぁ高尾は、今度からずっと三人でヤるっつーことで良いんだな?」

「ぶはっ、問題ソコっすか。 つか、ソレはちょっと……」

「オレはそれで構わないのだよ」

「俺が構うんだよ! なに真ちゃんハマっちゃってんだよ! 無理無理っ! 二人とも俺の負担考えてねぇだろ!」

俺、すっげー腰痛いんですけど!?

「何言ってんだよ、お前が一番ノリノリだっただろうが」

「可愛かったのだよ」

「可愛くねーよ! 何言ってんだよ二人とも」

え? 何この流れ、毎回3人でとか、絶対無理だし。

さっきまで喧嘩してたくせに、こういう時だけは息ぴったりなこの二人。

色んな意味で最強コンビかもしれない。

けど――。

お、俺はもう絶対しないからな!!

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