No title
「……チッ」
「み、宮地さん……こ、これはそのっ……」
慌てて身体を離し乱れた服を整える俺を見て宮地さんが頬を引きつらせる。
「随分楽しそうな事してんじゃねぇか。おれも混ぜろよ」
ニコニコと顔は笑っているけれど、声と目が全然笑っていない。今にも地響きがしそうな程のオーラに、頭に上っていた血が一気に下がるのを感じる。だが、怒りの矛先は俺じゃなく真ちゃんに向けられているようだ。
「抜け駆けはしないと約束したはずだよなぁ。緑間?」
「オレは約束したつもりはありません。オレだって高尾が好きなんです、独占したいと思うのは当然でしょう?」
蛇とマングースの戦いの如く、物凄い迫力を醸しだしながら俺を挟んで二人がいがみ合っている。
「何か勘違いしてないか、お前。……元々、高尾はおれのモンなんだよ。でも、お前も高尾が好きだつって譲らねぇし、高尾も満更でもなさそうだったから仕方なく貸してやってるだけだろうが!」
「……五月蠅い。耳元でぎゃんぎゃん喚かないで下さい」
盛大な溜息を吐きながら真ちゃんが眼鏡をくいと押しあげた。つか俺、いつから宮地さんの所有物になった? いや、真ちゃんのモンでもないけど。
「てめぇ、先輩に向かってなんでそんなに上から目線なんだよ! マジムカつく。一発ぶん殴ってもいいよな?」
ひくひくっと宮地さんのこめかみに青筋が浮かび上がる。
俺、もう帰っていいかな……。なんか萎えちまったし。シャワーも浴びてーし。
ピリピリとした空気に耐えきれず、その辺に落っこちてたズボンと下着を拾い上げこっそり二人の間から抜け出そうとした俺の身体は、いきなり伸びてきた宮地さんの腕に引き寄せられ、胸元にすっぽりと包みこまれる。
「とにかく、コイツはおれのモンだからな。緑間はソコで指咥えて見てろ」
「う、え……っ!? ちょっ」
小馬鹿にしたように笑ったかと思うと、宮地さんにいきなり顎を掴まれた。そのまま引き寄せられるようにして戸惑う間もなく唇を塞がれる。
「……ぅ……は、んんっ」
「……っ」
しっとりと唇を吸われ甘い痺れが背筋を駆けた。歯列を割られ、舌が絡め取られると何とも言えない熱いモノが込み上げてくる。
「あ……ふ……っ」
どうしよう。真ちゃんが見てんのに、こんな扇情的なキスされたら俺……。
真ちゃんの視線が痛い位に注がれているのがわかって、余計にドキドキしてしまう。
突然、キスをしながら宮地さんが俺をベンチに押し倒した。手に持ったままだったズボンと下着を奪い取られ股を大きく開かされる。
「緑間が突っ込んだから随分柔らかいな。これなら簡単に入りそうだ」
「んんっ、や、宮地さんそれは……!」
さっき中途半端に開かされた淫穴に熱い塊を押し付けられ、戸惑う間もなく宮地さんが腰を掴んで一気に入って来る。