No title
「あっ! あん……っやだ、も……っ苦しいっ」
日向が、突っ込んだままのバイブを抜き差しして激しく前立腺を突き上げてくる。
狂ってしまいそうな強い快感に 腰が跳ねる。激しく身悶えるオレの胸元を愉しそうに笑いながら日向が舐めた。
「あ、ぁああっ、やだ、あああっ、やめっ……や、イく……あああっ」
達する寸前で、バイブを引き抜かれ突然放り出されて腰が揺れた。
「ああっ、やだ……イかせて……!」
中途半端な射精感で、下半身がズクズク疼く。
そんなオレの様子を愉しむ様に、嬉々とした表情で日向は見据えているばかり。
「そんなにイカせて欲しいなら、自分でイけよ……見ててやるから」
「えっ」
しゅるっと手首を拘束していた紐が緩み解放された。日向は起き上がったオレと向き合うような形で胡坐を組んでどっかりと座っている。
「イきたいんだろ? ほら」
「……っ」
自分でしろって言ってるのか? 日向の目の前で?
「どうした? イきたくないのか?」
耳元で囁かれて心臓が大きく跳ね上がる。確かにイきたいけど……でも、日向の目の前でだなんて、恥ずかしい。
恥ずかしいけど背に腹は代えられない。
「……ぁっ……ぁっ」
「……」
静かな部屋にクチュクチュと卑猥な音だけが響き渡る。
眼鏡の奥の瞳にジッと見つめられていると思ったら堪らなくゾクゾクしてしまう。
「……ふ、ぁ……日向、……っ」
オレに注がれている蕩けそうな視線が熱い。
「んんっ……日向、ぁっ……は……っ」
ごくりと、日向の喉が鳴るのが見えた。そんな、目で見られたらもう――。
「あ……ぁあっ、日向ぁ……キス、して……も、ダメ」
前かがみになって、自分から日向の唇にキスをした。
「ん……んんっ!」
激しく手を上下させ、自分の手の内で堪えていたものが一気に噴き出してくる。
「――はぁ、はぁ……」
脱力して、日向の身体に凭れかかると彼の腕が優しくオレの背を撫でてくれた。
もしかして、許してくれた?
そんな考えが頭をよぎる。
「伊月……」
「ん?」
「……これで終わりとか、思ってないよな?」
キラリと怪しく日向の眼鏡が光ったと思ったらいきなりベッドに押し倒された。
「え、ちょっオレ今イったばっかで――」
「ふざけんな。俺はまだイってねぇし、お仕置き続行だっつーの!」
「……っマジ?」
さっきまでの怖いくらいに滲み出ていた冷たさは無くなったみたいだけれど、クラッチタイムはまだまだ持続しているみたいだ。