No title

「ああっ……も、ムリっ……日向ぁ、早くイカせ……っ」

薄暗い日向の自室。カーテンの隙間から夕日が透けて見えるベッドの上でオレは日向に組み敷かれていた。

「なんだよ、もうイくのか? つまんねぇな」

「っ、んぁあっ!」

低く、ねっとりとした声が耳元に響き、俺の中にある器具の動きが止まる。

もうかれこれ一時間ほど続いている攻め苦にオレの声はすっかり掠れてしまっていた。

オレの尻には今、ピンク色のバイブが埋め込まれていて、限界に達しそうになるとソレの動きがピタリと止まり、オレの熱が落ち着いてきたことがわかると再び振動を始める。

そんな事を繰り返されてオレはもう、気が狂ってしまいそうだった。

「た、頼むっ……頼むからぁっ……も、嫌だ、やめっ……ふ、ぁあっ」

生理的に出てくる涙をいっぱいためて懇願しても、日向は表情一つ変えずにオレを見下したままで一向に止めてくれる気配は無い。

「フン、嫌だって言ってるわりには随分気持ちよさそうじゃないか伊月。俺と寝るよりこっちの方が具合いいんじゃないのか?」

「ちがっ、そんな事……ひ、ぁあっ! や、……っ」

冷たい言葉に愕然とした。そんな筈ないのに、酷過ぎる。

紐で拘束されている手首が痛くて、悲しくて胸がグッと苦しくなる。

どうしてこんなことになったんだろう……。どうして――。


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