No title
どうして、俺が宮地さんとこういう関係になってしまったのか。
あれは、数週間前に遡る。
その日、真ちゃんは占いの結果が悪かったからとの理由で、俺たちより随分前に練習を終え帰ってしまっていた。
そんな日は当然、掃除は俺ひとりでやる事になるわけで。
半面コートを綺麗にモップ掛けをし、使ったボールを片付けて……全てが終わる頃には先輩たちは既にロッカールームを出た後。
「たく、真ちゃんも占いくらいで帰るなよ」
薄情者〜! なんて独り言を言いながら着替えている途中、真ちゃんのロッカーが半開きになっていることに気が付いた。
鍵を掛け忘れたのか、元々付けない主義なのかはわからない。
憧れの真ちゃんのロッカー。その中身が覗いてみたくて、胸をドキドキさせながらそこに手を伸ばした。
真ちゃんのロッカーはきちんと整理されていて、綺麗だった。中には、何故かカエルの玩具だとか、変な人形だとかが入っていたけれど一番目を引いたのは綺麗に折りたたまれた制服!
「制服の予備、わざわざ持ってきてんだ……へぇ……」
備えあれば憂いなしってやつなんだろうか。
しげしげとそれを眺めていたらその下に見慣れたモノを発見。オレンジに白と黒のラインが入ったソレは正しく、真ちゃんのユニフォーム!!
無意識のうちに手を伸ばし、顔を埋めると柔軟剤のいい香りに混じって真ちゃんの匂いがする。
このユニフォーム着て試合出て、汗とか拭ったりしてるんだよなぁとか思ったら急にムラムラっときてしまった。
自分でもちょっとヘンタイぽいなとは思った。だけど、一度火が付いた感情は収まらな
くてユニフォームを凝視すると、何度もその匂いを嗅いだ。
「やっべ、真ちゃんの匂い……コーフンする」
憧れの背中は同学年なのに大きすぎて、迂闊には手が出せない。
本当はこうやってギューッてしたいけど、引かれたらヤだしようやく手に入れた相棒と言うポジションも失いたくない。
真ちゃんの事は好きだ。多分、真ちゃんもそれは知っている。実際毎日のように好きだ、好きだって言いまくってるし。
だけど俺の好きが、こういう意味だと知ったら真ちゃんどう思うかな?
シちゃいけないことだと頭ではわかってた。だけど、どうしても込み上げて来る気持ちを抑えきれなくてユニフォームに袖を通すと、真ちゃんに抱きしめられているような錯覚を覚え、自然と手は下半身に――。
備え付けの椅子に腰掛けて真ちゃんの姿を想像しながら自身に触れた。びくりと手の中で跳ねたソコは熱く、既に硬くなってしまっている。