No title
「伊月……やっぱ俺、我慢できねぇ」
「え? ……あっ」
脇を抱え込まれ勢いよくベッドに引き上げられる。
「ちょっ! 何考えてんだよ日向! お前動けないほど辛いんじゃなかったのか!?」
「確かに怠いけどな、お前に触れられない方がよっぽど辛いんだよ!」
組み敷かれた日向の下から抜け出そうともがく伊月の耳に熱い唇が落とされる。耳の形をなぞられるだけで股間が熱くなってしまう。直ぐに反応したのが恥ずかしくて、伊月は膝を立てて誤魔化そうとした。
日向の体温は先ほどよりだいぶ下がったように思えるが、それでもいつもよりは熱い。
「……無理して拗らせたらどうするんだ」
「そん時はまた看病してくれんだろ?」
日向が急に起き上がり意味ありげに笑った。よくない事を考えている顔だ。
伊月はその動きを警戒して起き上がろうとしたけれど、それより早く日向の手がズボンにかかりあっという間に性器を日向が口に含む。
「あ……っ」
熱い口内に吸い込まれ伊月は首を仰け反らせた。
口と手で擦りあげられ先端から透明な滴がとろりと溢れてくる。
「ん、……んっ」
先端を口に含み、そこから下は唇と手を使ってゆるゆると扱き上げる。空いている手はシャツの中に潜りこみ伊月の胸を中心に攻め立て、じわじわと快感が競り上がって無意識のうちに腰が揺れた。
それを見逃す日向ではなくあっという間に下肢がかれる。
「なんだかんだ言っても、伊月だっていい反応してるじゃないか」
「あっ、んん……っ五月蠅いっ」
口元を手で押さえて、弱弱しく睨んでみたがそれもただ日向を煽っているようにしか見えない。
一旦ベッドを降りた日向は小さな水色の液体が入ったボトルを持って戻ってくると、それを見せつけるようにしてボトルの蓋を開けた。
掌に取ったと思ったら、伊月の尻に手を伸ばしてくる。
「つめた……っ」
「大丈夫。直ぐ好くなるから」
「……日向、実は仮病なんじゃないのか?」
「お前見てたらムラムラして元気になったんだよ。主にココが!」
「ば、ばか……! あっ」
日向は手に取ったローションを自身にも塗り付け、伊月の窄まりに押し当てる。
「……っ」
ローションの助けを借りて抵抗なく日向が入って来る。