No title

「ちぇっ、先輩のケチ〜」

何がケチだ。埋めんぞ! つか、昨日ヤったばっかだろうが。まだ足りないのか?」

「そ、そういうわけじゃないっす。ただ、宮地さんがあんまヒマ、ヒマって言うから……」

改めて言われてしまえば、急に恥ずかしさが込み上げてきて、ぶわっと体温が急上昇した。

赤くなって机に突っ伏した高尾を見て、宮地がククッと喉を鳴らす。

「なにお前、欲求不満? やらしーな、知ってたけど」

「ちがっ、そうじゃ! そうじゃねぇって!」

ムキになって否定する姿がますます可笑しくて、宮地はとうとうカーペットに顔を埋めて肩を震わせ始めた。

「〜〜ッお、俺は断じて欲求不満とかじゃねぇから!」

「ふぅん……」

「お、わ……っ!?」

ニヤニヤと笑いながら腕を引き、高尾をカーペットの上に沈める。

「オレは別にいいけど? 欲求不満な高尾に付き合ってやっても」

「だ、だから違うって……」

「本当に?」

上から覆いかぶさるようにして頬を撫でると、首からジワジワと赤くなってゆくのが手に取るようにわかった。

「本当にシたくないのか?」

そっと耳たぶに息を吹きかけながら囁いた途端、高尾の喉がごくりと鳴った。

甘さの滴るような仕草で顎のラインをなぞり、首筋に舌を這わせる。

「んっ、み、宮地さ……ちょ、待って……っ」

「ぶっ、あっはっはっは! すっげー顔!」

びくりと小さく体を震わせて、焦る姿が可笑しくてとうとう堪えきれずに宮地が噴き出した。

「宮地さん〜……俺からかって楽しいっすか?」

「楽しい! つか、いい暇つぶしになるわお前」

「うっわ、酷っ」

からかわれたのが悔しくて、頬を膨らませカーペットに突っ伏していると頭をくしゃりと撫でられた。

「たく、拗ねんなよ」

「……拗ねてねぇし」

「思いっきり拗ねてるだろうが。ほら、ミカンでも食って機嫌直せよ」

「…………」

渋々顔をあげると、口元に皮をむいたミカンがついと差し出される。


[prev next]

[bkm] [表紙]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -