No title
「……っ、ま、前……」
「前? ここか?」
そう言って緑間の指が胸の尖りをグリグリと押した。
「やっ、あっ、ちが……っソコじゃ、ねぇよっ!」
「じゃぁ何処だ? 言わなきゃわからんのだよ」
「……っ」
高尾は明らかに狼狽していた。マジで今日真ちゃんどうしちゃったんだよ。なんか変なもんでも食べたわけ? そう言ってやりたい気分だ。
「真ちゃん、今日スゲー意地悪。 も〜最悪っ」
「意地悪でもなんでもいいから言うのだよ高尾。何処をどうして欲しいんだ?」
(そんな飢えた狼みたいな目してるくせに何言ってんだよ)
高尾をジッと見つめるその瞳には、獰猛な光が浮かんでいる。
いっそ凶暴な程の欲望を湛えた雄の顔。口ではあぁ言っていても、目は正直だ。
恐ろしいまでに真剣な眼差しは焼け付くようで、高尾の身体を奥底から熱くさせる。
「……俺の、ち……ちんちん触って、もう我慢出来ないんだ……。早くイかせてくれよ」
言ってしまってから恥ずかしくなって、手の甲で顔を覆った。
そんな高尾の前髪をそっと掻き上げ額にキスをすると、緑間の長い指先が性器に触れる。
先走りで濡れそぼったそれを大きな手で包み込まれて溜息のような喘ぎが洩れた。
刺激を受けてまた体液が溢れ出し上下にゆっくり動かされると、くちくちと濡れた音が響いた。
「……っ、ん、ぅ……っ」
緑間の綺麗な左手を自分の体液が汚している。そう思うと、羞恥心とともに強烈な快感が襲ってくる。あまりに早すぎたらみっともないと思うけれど、さんざん焦らされたソコは急速に高みへと高尾を追い詰めてゆく。
「あ、うぁっ……待って、真ちゃ、やばっ、出る……っ」
堪えきれない喘ぎが洩れて、身体が大きくしなった。射精を促すように鈴口に爪を立てられ、緑間の左手にビュクビュクと性を迸らせた。
「やべ、なんかスゲー気持ちよかった。ごめん、真ちゃん……手、汚しちゃって……」
「……っ、高尾」
「え、なに? どーしたんだよ、真ちゃん」
乱れた息を整える暇もなく、低い声が名を呼んだ。それと同時に脱力状態の高尾の膝を折り、胸につくほど折り曲げられる。
「もう、我慢出来ないのだよっ!!」
次の瞬間、ハァハァと荒い息を吐きながら強引に緑間が押し入ってきた。熱く滾った屹立がジリジリと捩じ込むように、狭い部分に入ってくる。
「っ……うぁあっ。あ……くぅっ!」
一気に奥まで突き入れられてあられもない声が洩れた。
小刻みに揺れる緑間に合わせ、自分も無意識のうちに腰を揺らしていく。
「あっ……はぁっ、い……やっ、真ちゃんの、いつもより……凄いっ」
ただでさえ大きくていっぱいいっぱいなのに、今日はいつにも増して熱くて硬い。
全てを飲み込まされたと言うのに、さらに奥を求めるように緑間が体を倒してきた。
腰が蠢き、力強い抽送が高尾の身体を激しく揺らす。
「あっ! は、ぁあっ……真ちゃ……ぁあっもっと、ゆっくり……っ」
「……っ無理なのだよっ」
「はぁっ!? なん、で……ぁっあっ」
緑間は答えない。答える余裕も無いのか、高尾の腰を掴んで激しく打ち付けてくる。
仰け反って声を上げるどころか息も出来なくなりながら、緑間の背中にしがみつき与えられる快楽にのめり込んでいく。
「うぁっ……。あっ、ぁああっ! し、真ちゃ……しんちゃん……っ」
掠れた声は上擦るように甲高く、自分の声なのに凄く淫らに聞こえる。声を抑えようと思っても、緑間の動きが激しすぎて我慢するどころの話じゃない。
「……高尾」
うっすらと目を開ければ熱っぽい目で覗き込まれて、視線が絡み合う。
「……お前が、好きなのだよ」
不意に囁かれた言葉に、全身がかぁっと熱くなった。
「し、しんちゃ……それ、今いうの反則っ……馬鹿ぁあっ」
同時に堪えきれない痺れが全身を駆けて、高尾は身体を仰け反らせ本日二度目の性を放った。