No title
「あぁっ! ああっ真ちゃんっ、しんちゃ……っんんっ……あぁあっ!」
叫びきるのと同時に、真ちゃんの手の内にドッと白濁を迸らせる。
「……くっ」
真ちゃんが俺の頭上で色っぽい吐息を吐いた。それと同時に熱く激ったものが体内に吐き出されていく。
「は〜〜、キツ……背中痛いし……」
ぬるりとした感触や、引き抜く瞬間にすら声を上げてしまいそうになり息も絶え絶えになりながら、急に恥ずかしくなって手の甲で顔を覆った。
「明日筋肉痛で動けなくなかったら、真ちゃんのせいだかんな!」
「何を言っているのだ。いつも以上に感じまくっていたのはお前なのだよ」
「……っ。そんなの俺覚えてないし。あ〜ぁ、また風呂に入り直しじゃん」
全身が汗でベタベタして気持ちが悪い。
「今度は悪戯すんなよ! 今度やったらもう絶交だからな!」
「……子供のようなことを。フン。お前がそんな事出来ないのはわかっているのだよ」
「……」
「あの、もう……終わりましたか?」
突然、後ろから声がしてギョッとして振り返った。
そこには、トイレのドアから覗いているつぶらな瞳!
「なっ、なっ! ちょっおまっ黒子!? なんでそんなところにいるんだよっ!」
「僕はただトイレに入って居ただけです。勝手にイチャイチャし始めたのはそっちじゃないですか」
ヤレヤレと困ったように息を吐き、何事も無かったかのように黒子は脱衣所の鍵を開ける。
「二人でいちゃつくのは構いませんが、もう少し声は落としたほうがいいと思います。ここ壁薄いのできっと外に聞こえてたと思いますよ」
なんて、とんでもない捨て台詞を吐きながら黒子は出て行ってしまった。
つか、いままでのアレやコレを全部聞かれてた!?
自分の醜態を見られていたとわかった瞬間、堪えきれない羞恥心が全身を駆けた。
「マジでハズい。俺もうお婿さんに行けないかも……」
「誰も貰い手が無かったら俺が貰ってやるから大丈夫なのだよ」
事も無げにそう言って真ちゃんは何事も無かったかのように浴室へ向かう。
今、なんかスゲーこと言われたような気がしたぞ。
言葉の意味を考えて、じわじわと首から熱くなってくる。
あぁもう。どうしてそんな恥ずかしいことを平気な顔して言えるかなっ!
「なにをしている。入らないのか?」
「〜〜〜っ」
浴室から早く来いと俺を呼ぶ声がする。
「今行くって!」
やっぱ、真ちゃんにはかなわない。ため息混じりに苦笑して真ちゃんの待つ浴室へと足を踏み入れた。