No title
「俺、真ちゃん以外を好きになるなんて絶対有り得ないし」
「悪かったのだよ」
シュンとうなだれている真ちゃんがなんとなく小さく見えて、真ちゃんの頬に触れた。少し上体を起こすと、その唇に触れるだけのキスをする。
「!!」
「……こんなこと、俺が誰にでもするわけないだろ?」
やってしまって、なんとなく恥ずかしくなった。
扇風機のほうに顔を向けて、火照った熱を冷まそうとする。
「はー、風が冷たくて気持ちいい……」
「……」
突然後ろから抱きしめられて、俺はドキッとした。
鼓動がドッキドッキと早鐘を打ち始める。
「し、真……ちゃん?」
「高尾、悪かったのだよ」
耳元で声がする。
囁かれたその声が、じわじわと鼓膜を伝わり、さらに鼓動が早くなった。
「だから、それはもういいって……真っ」
首筋をぺロッと舐められ、一気に身体が強張った。
「ちょっと待て! 真ちゃんこんなところじゃ……」
慌てて振り向いた拍子に顎を掴まれ唇が重なる。
「ん……っ、ん、ん……っ」
キスをしながら真ちゃんの指先が俺の乳首に触れる。押したり摘んだりされると、俺の身体は意思に反してすぐに反応してしまう。
ゾクッとした甘い痺れに、思わず腰が跳ねた。
「だ、ダメだって真ちゃん。こんなところじゃ……ぁっ、誰か来たら……困るっ」
「安心しろ。さっき鍵は閉めたのだよ」
「そ、そういう、こっちゃ……ぁ、ねぇんだよっ」
先ほど燻っていた感覚が一気に呼び覚まされて、息が上がる。
真ちゃんの左手がいやらしい手つきで俺の太腿をさする。
「だ、ダメだって真ちゃん……」
「ダメ? その割には、身体が随分反応しているな」
「……それはっ」
揶揄するようなその声に俺の身体はさらに熱くなり、そんな自分にもどかしさを覚える。
「口ではなんとでも言えるのだよ」
勃っているぞと指摘され、言いようのない羞恥心に襲われた。
「あ、んっ……・真ちゃんのせいだろっ……!」
下着の上からなぞられて、ゾクゾクするような甘い痺れが広がってゆく。
やばい、このままじゃ……止まらなくなる。