No title
最近、自分で弄る回数が増えたと思う。
下着のの中へ手を入れて熱くいきり勃ったそれを軽く扱いただけで先端からじわりと先走りの液がにじみ出て自分の手を濡らしてしまう。
『いやらしいな、こんなに腫らして……高尾。そんなに欲しいのか?』
「――っ」
舐めるような視線、綺麗に整えられた指先。低くて甘い声。
鼻腔を擽る制汗スプレーの爽やかな香り。
思い出すだけでも興奮する。
「欲しい……すっげぇ欲しいよ……真ちゃん」
真ちゃんは今、何をしているんだろう?
ついさっき別れたばかりなのに、もう恋しくて仕方がない。
「――っ、は……」
敏感になった胸の尖りを指で弄ると反射的に身体が震える。
ぞくりと沸き起こった甘い痺れはそのまま下半身へと運ばれて指の動きが早くなる。
「……っあ、……ぁっ」
声が、聞きたい。真ちゃんの声。
自分を呼ぶあの声。
そう思ったら我慢できなくなってしまった。
荒い息を吐きながら、片方の手でディスプレイを操作して携帯を耳に押し付ける。
一回、二回……。コールが鳴るのを数えていると、不意にその音が消えた。
『なんなのだよ』
「――っ、真ちゃん? いや、用は特にないんだけどさ……今、何してるかなぁと思って」
受話器から聞こえてくる声にすら、下半身が疼いて手の中でさらに一回り質量が増した。
『さっきまで風呂に入って居たところだ』
「風呂、そっかぁ……っ」
真ちゃんのお風呂! じゃぁ今は風呂上り? 髪の毛から水が滴ってたりするんだろうか?
想像するだけで胸がドキドキしてどうしようもなく呼吸が乱れる。
「はぁ……はぁ……」
『高尾? どうかしたのか?』
「ん? どうもしないって」
言いながら、手の動きがどんどん早くなって溢れた体液がチュクチュクっと卑猥な音を立てる。
全く気付く様子のない彼の耳元でイケナイ事をしてしまっているようなスリルに快感が煽られて身体がどんどん敏感になっていく。