No title

「な、な、なんだよ……コレ……」

そこで目に飛び込んで来たもの……それは。

画面いっぱいに映し出された俺の寝顔!

「はぁあああ!? なんの冗談だよオイ。つか、可愛いとか、ベストショットだとかって言ってたのって……」

嫌な予感がして、他の写真を見ようとボタンに手を掛けた瞬間、真ちゃんが携帯を閉じてしまった。

「……なぁ、緑間クン。なんで、隠す必要があるんだ?」

「……ほかは見せられないのだよ」

「なんでだよ!?」

二人はふいっとそっぽを向いて、携帯をそそくさと片付けてしまう。

「……ちょぉ待て! じゃぁ何か? 真ちゃんの言ってた有益な情報ってまさか……」

まさかとは思うけど……。

「てへ。ごめんね、お兄ちゃん」

「てへっじゃない! つか、真ちゃんは俺のなにを知ってんだよっ!?」

「…………」

「無視すんなっ!」

真ちゃんは答えず、眼鏡を押し上げるとふぅっと息を吐いた。

「ところで、気分が悪いのはもう治ったのか?」

「んなもん、吃驚しすぎてどっか吹っ飛んでったっての」

結局、俺の勘違いによる一人相撲だったなんて……。

わかった途端居てもたってもいられないような恥ずかしさが全身を駆け巡った。

「うわ〜〜なんかすっげーハズい」

「大丈夫? お兄ちゃん、顔赤いよ?」

しゃがみこんでしまった俺の顔を覗き込む妹の顔は明らかにニコニコ、いや、ニヤニヤしている。

「取り敢えず立て。高尾……行くのだよ」

「行くって、何処に?」

「決まっているのだよ。アレが最後だと言っただろう」

真ちゃんの指差す先にはさっき乗ると言っていた観覧車。


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