No title
「は〜……マジでビビった」
妹が部屋から離れて行く気配を確認し、ホッと息を吐いた。
まさかこんな時間に戻ってくるとは……。
ドアに背を預けてバレなかった事に安堵していると、いきなり真ちゃんに抱きしめられた。
何事かと思って顔を上げたら顎を持ち上げられて唇を奪われた。
「なっ、ちょ! 真……っ」
驚きで頭が真っ白になった所で項を指先でなぞられた。
口の中に舌先が入り込み、あっという間に舌を絡め取られる。
「ん……ふ……っ」
チュクリと唾液の鳴る音がした。さっき中途半端に燻っていた感情がじわじわと競り上がってきてぞくりと甘い痺れが全身を駆ける。
ドアに背を押し付けたまま真ちゃんの長い指が股間に触れて俺は息を詰めた。
「真ちゃん、ストップ! 今日はもうマズイって!」
すぐ隣の部屋には俺の大事な妹ちゃんがいる。いくら鍵をかけたと言っても気が気じゃない。
なのに、真ちゃんは
「大丈夫だ、高尾が声を上げなければバレないのだよ」
なんて、他人事のようなことを言う。
「高尾はしたくないのか?」
グッと真ちゃんの股間を押し付けられて、言葉に詰まった。
真ちゃん、凄く硬くなってる。
俺だってしたくないわけじゃない。でも……。
「……高尾」
悩む俺の思考を邪魔するように低くて艶を含んだ声が名前を呼ぶ。
同時にズボンの中に手を差し込まれ再び熱を持ち始めたモノをユルユルと扱かれて腰が震えた。
「あ、あっ……、ぁっ」
唐突に、耳の穴に舌を差し込まれ、濡れた音がちゅくちゅくと頭の中で響く。
突然の強い快感に足がガクガク震えて立っていられない。真ちゃんの腕にしがみつくような形になった俺を、どうするんだ? と言わんばかりの表情で見つめてくる。
どのみち、こんな状態じゃ勉強なんて出来る筈がない。
「〜〜っ、わかった。降参しまーす。だからさ、……あっち、連れてけよ」
背中に腕を回して、ベッドを顎で指すと真ちゃんが満足そうに笑った。