No title
「さ、そんなことよりオヤツでも食いながら勉強しようぜ! 俺、わかんないとこ多くてさ〜」
「オヤツがテーブルを占める割合の方が多い気がするのだが」
「気のせい気のせい。細けぇことは気にすんなって! 真ちゃんは、何食べる?」
適当に持ってきた菓子袋の口を開きながら訊ねたら、真ちゃんの視線がある一点で止まった。
そして真ちゃんが選んだのはまさかの魚肉ソーセージ。
「え? ソレでいいの? マジで」
「あぁ。それより早く教科書を開け」
あぁ、なるほど。一番手が汚れないものを選んだわけか。
これから勉強するのに油でベタベタした手で教科書を触るのは嫌なのだろうと妙に納得。
だけど……。
俺は、食べ物の選択をちょっと間違えたかもしんない。
教科書の問題集に目を通しながら、器用にソーセージを剥いて、それを咥える真ちゃんの姿が妙にエロティックに見えて喉が鳴った。
形のいい唇に挟まれているソーセージが、なんつーか……アレに見えるっつーか……。
真ちゃんの唇、いつ見ても綺麗だ。薄くて形が整っててなんかエロい。
あの手と唇に俺はいつも翻弄されっぱなしなんだよな。
「高尾。聞いているのか?」
「えっ、あ〜、うん。ごめんちょいボーッとしてた」
低めの声に呼ばれ我に返る。
誰のために勉強を教えてやっていると思っているんだとばかりに睨まれてしまった。
「やる気がないのならオレは帰るぞ」
「ごめんて、真面目にするから!」
まさか、ソーセージ咥えている真ちゃんを見てちょっとえっちな妄想してましたとは言えない。
なんとかその場は納得してもらい、勉強会は再開した。
だけど、一度妄想してしまった俺の思考はそうそう消えてくれなくて、ついつい真ちゃんの口元とか指先に目が行ってしまう。
てゆーか……ソーセージって舐めて食うもんじゃない、よな?
ぺろりと唇を舐める仕草にドキリとして持っていたシャーペンを落としそうになった。
先端を唇で咥えチロチロと赤い舌がソーセージを舐める。
時々深く咥え込んで、それを見せつけるように出し入れを繰り返す。
煽られているのは直ぐにわかった。
真ちゃんの舐めるような視線、いやらしく音を立てて咥える口元から目が離せない。