No title
今日は俺ん家で、真ちゃんと一週間後に迫った中間テストの為に勉強会をする事になった。
って、言うのはただの言い訳で本当は真ちゃんと二人っきりになりたかっただけ、だったりして。
「適当にくつろいでていいから」
「あぁ」
真ちゃんを部屋に案内して、俺はジュースとオヤツを取りに台所に向かう。
真ちゃんっておしるこ以外に何が好きなんだろ。
おしるこ……は流石にうちには置いてねぇし。
どうせなら帰りにあずきシェーク買ってくれば良かった。
ポテチとかまいう棒食ってるイメージ無いもんな。
小腹もすいて来たし、なんかガッツリと腹に溜まるようなモノはないかと適当に冷蔵庫を漁っていると、魚肉ソーセージが目についた。
ソーセージはどうだろう?
タンパク質もカルシウムも豊富だし、案外いいかもしれない。
トレイにソーセージと、他のオヤツを乗せて部屋に戻ると真ちゃんは俺の机の上を物珍しげに見つめていた。
「なーにやってんだ?」
「!」
ローテーブルに持ってきたものを置き、後ろから抱きつくような形で覗き込むと真ちゃんの肩が大きく跳ねた。
「これは一体なんだ?」
「ん? カード」
「……っ、それは見てわかるのだよ。こんな物集めてどうするのかと聞いている」
へぇ、真ちゃんがこんなものに興味を示すなんて知らなかった。
「トレーディングカードだよ。観賞用と、ゲーム用があってこれを使ってカードバトルすんの。やってみると面白いぜ。ちなみに、真ちゃんが今見てんのは観賞用な」
「ほぉ、これがトレーディングカードと言うものか……高尾」
「はいはい、一枚寄越せとか言うんだろ? おは朝のラッキーアイテムの為に」
なんとなく、予想はしてた。
「何故オレの言いたいことがわかった!?」
「わかるっつーの!」
真ちゃんって、たまにアホだよなぁって思う時がある。つか、バレバレじゃん?
おは朝ラッキーアイテムコレクターなんだし。
「良かったじゃん。コレでおは朝のラッキーアイテムがトレーディングカードでも対応できるな」
ダブりカードの中から適当に数枚チョイスして真ちゃんに手渡す。
俺の趣味を理解してもらえるとは思ってないけど、どんな形でも俺のカードが真ちゃんの役に立てるのなら嬉しい。