No title

「ん……ぅン」

啄んで、唇を舐めて、舌が滑り込む。ゆったりと優しく舌を絡められてゾクンと怪しい震えが全身を駆けた。

それと同時に服の上から胸の突起を摘まれ、高尾は身体をびくりと震わせる。

「っ……真ちゃ、何? どうしたんだよ」

「自分で誘っておいてよくそんな事が言えたものだな。高尾」

「はぁ? 俺は誘ってなんか……ぁっ」

「オレの指を舐めただろう。あんないやらしい舐め方をされたら我慢できる筈がないのだよ」

言いながら舌が首筋を辿り、鎖骨、胸へと口付けを落とす。

指で散々弄られた胸の突起を舌で愛撫されると体中に甘い痺れが広がって、溜息のような喘ぎが洩れた。

「んっ……はぁっ……」 

緑間はキスをしながら、下半身に手を伸ばしてきた。

既に布越しにでもハッキリとわかるくらいに成長したモノの形をなぞるように触れ、腰が揺れる。

「随分と反応が早いな」

「へへっ、そりゃそーでしょ。目が覚めたら真ちゃんに襲われちゃってんだし? この状況に興奮しない方がどうかしてるって」

クスクスと笑いながら、熱い息を吐きもっと触ってくれと言わんばかりに腰を擦り付けてくる。

「つか、真ちゃんだってすげーよ? さっきから俺の太腿に当たってんだよね」

膝で下半身を押してやると、緑間はギョッとしたように目を見開き、息を呑んだ。

「なぁ真ちゃん……」

「なんだ?」

「今回は夕べみたいに寸止めとか止めてくれよ?」

熱い息を吐きながら訊ねられ、まだ根に持っていたのかと緑間は小さく肩を竦めた。

「さぁな、おは朝が始まる時間までに済めば問題ないが、間に合わなかったら保証は出来ん」

「げっ、マジで!?」

緑間の言葉に、高尾の頬がひきつる。

この期に及んでまだ自分よりおは朝の方が大事なのかと舌打ちしたい気分だ。

「フン。冗談に決まっているだろう。馬鹿め」

言うが早いか緑間は高尾のズボンを下着ごと足から引き抜いた。そして自らも服を脱ぎ、再び覆いかぶさってくる。

「真ちゃんならやりかねないっつーの」

高尾は苦笑しながらも彼の背に腕を回し、唇に軽くキスをした。

「真ちゃんはさ……俺の事好き?」

「愚問だな。好きでもない男にこういう行為をするような趣味はないのだよ」

わかりきった事を聞くなと眼鏡を押上げながら言われ、高尾の表情に安堵の色が浮かぶ。

「ハハッ、それもそうか」

鼻と鼻がくっつきそうな距離で見つめ合い、互いにふっと笑みが溢れた。

「――――」

引き合うように視線が絡み、二人同時に唇を寄せ合う。

早朝の、まだ誰も起きだしていない静かな朝。二人の部屋は甘い空気で満たされてゆく――。


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