No title

「はぁ、はぁ……やっべ超気持ちいい」
「……ッ」
肩で荒い息をしながらうっとりと高尾が囁く。
その表情にドキリとしながら引き抜こうとすると、腰に高尾の足が絡みついてきた。
「何の真似だ」
「真ちゃーん、一回で終わりとか言う気じゃねぇよな?」
「!?」
「言ったろ? オレ、すっげーシたい気分なんだ。って」
何時もの軽い調子で言い、足を胴に絡めたままゆっくりと起き上がってくる。
「な、なんの真似だ」
「だから、一回じゃ足りねぇんだって」
「何を馬鹿なこと――んむっ」
全てを言い終える前に唇を塞がれ、繋がったまま床に押し倒された。
「真ちゃんだって若いんだから足りねぇだろ? あっ、んっ」
妖艶に笑いながら、巧みな腰遣いで煽ってくる。
ジッとこちらを見下ろす瞳には、情欲に濡れた光が揺れ、赤い舌が唇をぺろりと舐める仕草にゾクリとさせられた。
「疲れたなら、ぁっ、真ちゃんはそのまま寝てろよ……は、んんっ、オレが勝手に動くし」
「馬鹿を言うな、この俺がこのくらいでヘバるわけが無いのだよ」
「ハハッ、いいね。ソノ気になって来たじゃねぇか。さっすがオレのエース様ッ、あっ、ぁあ、んッ」
「フン、軽口が叩けるのも今のうちなのだよ。明日の練習に支障が出ると困るので控えていたが……お前がソノ気なら仕方あるまい」
「ん、ぁあっすっげ突き上げ……っ真ちゃ、もっと……ァアッ」
腰を掴んで突き上げてやれば甘い声を上げながらビクビクと身体を震わせる。突き上げる度に長い尻尾がゆらゆらと揺れ、うわ言のように「もっと、もっと」と強請るその姿に軽い眩暈を起こしそうになる。
「やっべ、それすっげー気持ちイイ。ああっ真ちゃんも、気持ちイイ?」
「そんな事、聞かずともわかるだろう」
「ハハッ、身体は、正直……だもんなっ」
クスクスと笑いながら、高尾が強請る様に積極的に腰を揺リ動かし始める。
「五月蠅い、黙れ!」
そう言いつつ、自分の腹の上で乱れる恋人を見ているといつも以上の興奮を覚えた。
それが高尾にも伝わったのか、黒い尻尾を妖艶に揺らしながら彼は快楽に濡れきった声で囁いた。
「真ちゃんもさ、たまには我を忘れる程、溺れてみたっていいんじゃねぇの?」
甘い囁きに、頭がクラクラする。
ギリギリまで保っていた理性がぷつりと切れたような気がした。

だが、それが悪夢の始まりだった。


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