No title

(緑間SIDE)

コレは一体どうしたものだろう。
ついさっきまで何をしても起きなかった高尾が、青峰と会話をしている間にむくりと起き上がった。
起き上がるだけならいいが、突然すり寄って来て喉を鳴らしながら自分を押し倒して来たのだ。
「真ちゃーん、ダレと話てんだよ」
甘い声で耳元で囁き、腹を跨ぎながら首筋に吐息がかかる。
「っ、高尾お前……っ」
「電話なんて置いといて俺とイイコトしようぜ?」
片手で股間を撫で上げながら、首筋を舐められた。ざらりとした舌の感触にゾクリとさせられたが、なんとなく違和感を覚える。
「ば、馬鹿っ止めるのだよ!」
「えー? いいじゃん。オレ、今すっげーシてぇの」
言うが早いか身体をずらし、慣れた手つきでズボンのバックルに手を掛ける。
既に反応してしまっている緑間のソレを躊躇いもなく口に咥えた。
「な――っ、ぅ……っ」
熱い舌が絡みつき、じゅぶじゅぶといやらしい音が響く。
全く、人が心底心配したと言うのに復活した途端にコレかとため息交じりの吐息が洩れた。
ふとよく見れば、漆黒の髪に可愛い三角の耳が生えてピコピコと動いている。
気絶する前には確かにそんなものは生えていなかった。
人が心配したのに、リアルな猫耳のカチューシャなど付けるなんて、悪戯にも程がある。
「全く、悪ふざけも大概にするのだよ」
腹が立って頭に付いている耳をぐいと引っ張ってみた。だが、真っ黒い耳は高尾の頭に張り付いていて、一向に抜ける気配がない。
「いでででっ、真ちゃん何!? 痛ぇよ」
抜けるどころか、本気で痛がっている(ように見える)高尾の様子に緑間は慌てて手を離した。
「たく、いきなり何だよ!?」
「それはこっちのセリフだ! なんだその耳は!?」
「耳?」
高尾はキョトンとした表情をしている。もしかして本当にわかっていないのだろうか?
悪ふざけが好きな奴ではあるが、バレバレの嘘を吐くほど馬鹿ではない。
緑間は小さく息を吐くと、近くにあった手鏡に手を伸ばし股の間から不思議そうに顔を覗かせている彼に投げて寄越した。
「自分の頭をよく見てみるのだよ!」
「頭って……ぅ、えええっ!? なんっだよコレ!?」
鏡に映った自分の頭を確認し、空いている方の手で実際に触って確認する高尾。
スゲー、スゲー、と連呼している所を見ると本当にわかっていなかったのだろう。
緑間は手鏡を取り上げると、小さく息を吐き言った。
「わかったらさっさとそこを退くのだよ」
「ヤダ」
「んなっ!? 高尾お前っ」
「言ったろ? オレ、今なんでか知らねぇけどすっげーシてぇの。真ちゃんのだってガッチガチじゃん? こんな状態で何処に行くんだよ」
「……ッ」
それを言われてしまえば何も言い返すことは出来ない。だが、今は非常事態なのだ。
それなのに彼は止めるどころか、熱くいきり勃った雄の部分を躊躇いもなく口に含み、届かない部分は手で刺激を与え始めた。
「くっ、は――っ、馬鹿尾め……」
絶え間なく与えられる快感に、思わず熱い吐息が洩れてしまう。
自分ばかりが感じさせられている事実に腹が立って、高く突き上げられている尻に手を伸ばした。
「ぴゃっ!?」
腰の付け根から尻を撫でると、高尾の身体が大げさなほど大きく震える。
それと同時に何時もとは違う尻の感触に気付き、ズボンと下着をずらしてやると黒くて細長い尻尾がゆらりと顔を出した。
「なっ――!?」
コレは一体!? 耳だけでなく、尻尾まで生えているとは……。
思わず絶句して尻尾の付け根に触れると、連動するように高尾の腰がビクビクと震える。
「あっ、や……っ真ちゃ、何処さわっ……」
「いやらしい声を出してなんだ?」
「あっ、んんっソコ、やだっつーの」
尻尾は弱いのだろうか? さっきまで積極的に奉仕していた高尾の手がぴたりと止まり尻を撫でる緑間の手の動きに合わせて腰をくねらせている。
「嫌? 嫌と言う割に気持ちよさそうなのだよ。いやらしく俺の手に腰を押し付けているのはお前だぞ」
「ッ、それは……ッ」
ぐっと言葉に詰まり恥ずかしそうにしている姿に堪らない興奮を覚えた。
触れただけでこんなになるのならこの先はどんな風に乱れるのだろう?
俄然興味が湧いてきて、半ば強引に向きを変え、自分の方に尻が向くように入れ替えた。
「し、真ちゃんちょっ待てって……っ」
「なんだ?」
「なんだ、じゃねぇし……この格好すげー恥ずかしいんだけど!?」
「何を今更。お前の尻なんていつもみているのだよ」
「そーだけど! でも……ぁッ」
構わず双丘を割り、尻尾の付け根に舌を這わせる。


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