No title

なんて……現実はそう甘くないわけで。

真ちゃんは相変わらずジッと俺を見つめたままソファから動く気配すらない。

ザクザクと材料を切りながらも早くシて欲しくて、期待と妄想ばかりが膨らんでゆく。

「……ッ」

なぁ、真ちゃん。俺マジで待ってんだけど。見てるだけじゃモノ足りねぇだろ?

早くこっちに来て触ってくれよ。触れて、言葉で嬲って。

悶々とすること数分。

材料をなんとかすべて切り終えた俺は包丁を持つ手を止めた。

濡れた手を拭いて、真ちゃんの方へと向き直り側に寄って肩に触れる。

「高尾? もう出来たのか?」

「――悪いな、真ちゃん……」

「!?」

言うが早いか肩を押し、真ちゃんをソファに押し倒した。

何事かと目を見開き、反応の遅れた真ちゃんの上に跨りズボンに手を掛ける。

「お、おいっ! お前は何をしているのだよ!」

「俺さ、もう我慢できねぇんだわ」

「何!?」

ズボンと下着の前を寛げ、出て来たモノを握りこむ。

「ば、馬鹿っ! 止めろ!」

「フハッ。すげーな真ちゃん……。もうガッチガチじゃん。俺のケツ見てコーフンしちゃった?」

「……ッ」

「俺さ、見られてるだけじゃモノ足りねぇんだよ。真ちゃんがあんまガン見してっから、身体が疼いてたまんねぇの」

気付いていたのか。と言わんばかりの表情が可笑しくて堪らない。俺を誰だと思ってんだよ。

「だからさ、シよーぜ? つか、嫌だつっても勝手にヤるけど」

あらかじめポケットに忍ばせていたローションを手に取り、ガチガチに硬くなっている真ちゃんに塗りたくる。

「や、やめるのだよ! リビングでこんなふしだらな事は」

「部屋まで待てねぇよ」

真ちゃんの制止を無視して位置を合わせ、グッと腰を進める。 

「く……ッ、キツ……」

ローションの助けを借りてゆっくりと埋め込まれていくソレは思いのほかデカくて足がガクガクと震えた。

両手でしっかり支えていないと真ちゃんの上に倒れこんでしまいそうになるのを何とか堪え腰を推し進めていく。

「っふ……ぁっ、お前のチンコでけーよ」

「五月蠅い、黙れ!」

ギロリと睨みつけられて思わず苦笑が洩れた。

「ハハッ、でも全部入っちまったな……。ごめんな……真ちゃん、真ちゃんはそのまま寝てていいから……ぁッ。俺が勝手に動くし」

全てをナカに埋め込み、腰を軽く揺すってやると真ちゃんがハッと息を詰めるのがわかった。

いつも見上げる側だから、凄く新鮮で興奮を煽られる。

真ちゃんがジッと俺を見つめているから余計にだ。

「んく、あっ……はっ」

「いやらしい眺め、なのだよ」

「えl? ぁあっ!」

自分のイイ所を探りながら腰を動かしていると、熱に浮かされたような声でそう呟いた真ちゃんが、突然下から突き上げて来た。

「エプロンにいやらしい染みを作って……お前は本当に淫乱なのだよ」

「や、ぁっあっ……真ちゃ……ッ」

突き上げるのと同じリズムで、放置されっぱなしだった俺のモノをエプロン越しに握り込んで扱かれる。

真ちゃんの大事な左手が俺のを扱き、空いている手が布越しに胸の尖りをコリコリと刺激してくる。

「凄く締まっているな。そんなに気持ちがいいのか?」

「んっ、一々言うなっての……ん、はっ」

直に触ってほしいのに、布越しのもどかしい刺激を与えられて腰がビクビクと跳ねた。

「ん、ぁっ……すげ……ッどうしよ、スゲー気持ちイイ」

聞こえるのは自分の吐息とソファの軋む音。結合部から洩れる卑猥な水音に聴覚まで犯されていく。

いっぺんに色々と刺激されたらマジでやばい。

「く……っ、馬鹿め」

突然、中を探る様に動いていた真ちゃんのソレがある一点を掠めた。

途端に電流が走ったような強烈な快感に襲われる。

「は、ぅ……っああっ、真ちゃ、ソコっ、や、ぁっ! ああっ、イく、」

「ココ、か」

「だ、だめっ、ぁあっ、出るッ」

何とか堪えようと下腹部に力を入れてみたけれど無駄な抵抗で、最奥を突かれた刺激で俺はエプロンに吐き出してしまった。

それとほぼ同時、ナカで確かにドクドクと熱いものが溢れていく感覚があった。

結局、今日はコレで終わりか……。

「――もう少し、堪えようと思ったのに……ごめんな真ちゃん」

射精後の脱力感に包まれながら、真ちゃんの胸に倒れこむ。

「何を終わったつもりでいるのだよ馬鹿め」

「へ? だ、だっていつも一回で終わりじゃ――ぅおっ!?」

腰を持ち上げられ、ぐりんと世界が反転する。

気付けば今度は俺がソファに寝かされていて……。

「オレを煽った責任はきっちり取ってもらうのだよ」

「は? ちょっ、待てって! 俺、今イったばっかで……」

「問答無用だ。あんないやらしい姿を見せられて一回で治まるはずがないだろう」

欲に濡れた熱い瞳が俺を捉え、未だ硬さを保ったままの塊がナカを貫く。

「ぁっ、ああっ……お手柔らかにな」

「それは保障できんな」

「ぶはっ、マジか」

裸エプロン作戦大成功じゃね? 何時もよりノリノリな真ちゃんの姿に思わず笑いが込み上げて来る。

これは黒子に近況報告も兼ねて礼をしてやらなきゃ、だな。

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