No title
ギシギシっとベッドの軋む音が部屋に響く。自分の声が外に洩れてしまわないようにと音楽を付けて、つい「もっと……」と、言ってしまいそうになるのを手の甲を噛んで堪える。
「手を噛むな。馬鹿め」
「……っわかってるよ。でも……」
「でも、なんだ? お前の喘ぎ声なんて嫌と言うほど聞いているのだよ」
腰にクる低音ボイスに突き上げの合間に訊ねられてふるふると首を横に振る。
だって、言えるわけねぇじゃん? 「もっと激しくしてほしい」なんて。
一度でいいから我を忘れてしまうほど、激しいセックスに溺れてみたい。
そんな願望を持っているなんて知られたら、真ちゃんは確実に引く。
それがわかっているから絶対に言えない。
「――高尾」
吐息交じりの熱っぽい声に名を呼ばれ、好き勝手動いていた真ちゃんが何かを探るように腰を使いだした。
ピンポイントで覚えられてしまったオレのイイところを突かれて電流が走ったような痺れが全身を駆ける。
「ん、あっ、ぁあっ真ちゃ……ソコッ、やっ」
「イヤではないだろう? 凄い締め付けなのだよ」
「い、一々言うなって、ぁああっ」
射精を煽る様に張りつめたペニスを握りこまれ、扱くのと同じタイミングで内部を突き上げられる。
ソレをされたら俺はもう――。