No title

「や、待っ……あっ、やっだっあっ……待てっ、て……」
いやらしい指の動きに合わせて高尾の腰が無意識に揺れる。ぬちゃぬちゃと粘着質な音が響きそれが一層興奮を掻き立てた。
「はっ……ん、んん、……ああっ真ちゃ、もう……ぅあっ! は……またっ」
ぐりっと抉り込むようにして、緑間は腰を突き入れた。深々と根元まで差し込んで微妙な動きで内部を奥までかき乱す。
「うっ、……やぁあっダメ、おかしくなる…あっああっ!……」
「おかしく、なればいいのだよ……っ、俺も一緒にイってやるから」
「あっ、ああぁあ!――っ!!」
きつく内部を締め付けながら高尾が手の内で弾けるのとほぼ同時に、最奥を突いて緑間も高尾の体内に思いの丈をぶちまけた。

行為後、高尾に着付け直してもらい、緑間達は再び出店の立ち並ぶ界隈へと戻ってきた。
何も変わらない祭りの様子にホッと胸を撫で下ろし沿道の出店を見て回る。
「――たくっ、浴衣の帯も直せないクセにサカんなよな」
「……すまない」
「しかもヤる気満々だったし。ローション持参とかヒクぜ普通は」
「何を言っているのだよ。お前こそノリノリで腰を振っていたじゃないか」
「あ、あれはっ! 真ちゃんがいきなりサカってくるから悪いんだからな……!」
じわじわと首から赤くなって、睨み付けて来る姿も愛しくて堪らない。
「……高尾」
「んだよ?」
名を呼ぶと漆黒の双眸と目が合った。
「――俺は、お前が好き、なのだよ」
そう伝えたのとほぼ同時、背後で大きな花火が上がった。
地響きがするほどの爆音と、眩いばかりの閃光に周囲からは大きな歓声が沸き起こる。
「えっ? 何?」
「フン、なんでもない」
「えーっ、なになに? なんなんだよ? 気になるじゃねぇか。教えろよ〜」
「……気が向いたら、また言ってやるのだよ」
そっと高尾の手を握り締め、眼鏡をくいっと押し上げると闇に浮かぶ色とりどりの花へと視線を移す。
夏祭りにはさほど魅力は感じないが、高尾と一緒にならまた行ってやってもいい。
繋いだ手のぬくもりをしっかりと噛みしめながら、緑間はふと、そう思った。


[prev next]

[bkm] [表紙]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -