No title
「……はぁ」
頭から温めのお湯を浴びながら、気が付くとため息が洩れていた。
好きで好きで仕方がなくてどうしていいのかわかんねぇのは、俺の方だっつーの!
普段はあんなにツンデレなくせに、ああいう時だけデレ全開で優しくされると正直困る。
ほんと……違いすぎんだよ。
行為の時だけ心配そうに見つめてくる瞳だとか、甘く滴るような指先とか、あまりにも普段と違い過ぎてもどかしい。
優しくされることに不満は無いけれど、正直言って心臓に悪い。
「あっちぃ……」
顔やら、身体やら至る所が火照ってるのは、シャワーの温度だけの所為じゃない筈だ。
普段の真ちゃんくらいが俺的には丁度いいんだけどなぁ。
「ほんっと、調子狂う……」
ぱたぱたと床に落ちていく湯の奔流を眺めながら、小さなため息が洩れた。