No title

(緑間SIDE)

「……ッ」

下半身の違和感に気が付き目が覚めた。

なにか、オレの股の間でもぞもぞと蠢いている?

眠い目を擦って手元にある眼鏡を掛けて確認してみると、そこにはなんと、横で眠っていた筈の高尾の姿。

「!?」

「あ、やっと起きたのかよ? おはよう。つってもまだ夜中だけどな」

ハァハァと荒い息をしながら語尾にハートマークを付けて、人のモノを躊躇いもなく口に咥える。

「お、お前はっ」

「シーッ! 大きな声出すとみんな起きるって」

唇に人差し指を立てて静かに。と合図されハッと辺りを見回した。だが、幸か不幸か誰も起きた気配は無く、木村さんの轟音が室内に響いている。

慌てて声のトーンを落とし、股の間に居る高尾を睨みつける。

「何をしているのだよっ!」

「だって、しょーがねぇじゃん溜まってんだから」

「だからってお前人の……っ」

「真ちゃんだって溜まってんだろ? 一緒に気持ち良くしてやろうかと思って」

そう言いながらまた口に含み鈴口を舌で刺激し始める。

「よ、余計な世話なのだよ!」

「そう? でもコッチさっきからすげぇよ。どんどんやらしい液が溢れてきてやがる」

「……ッ、……くっ」

口で届かないところは手で扱かれて、びくりと身体が震えた。

「すっげ、ガチガチ……なぁ、挿れていい?」

「なっ!? 馬鹿を言うな高尾っ」

「大丈夫、大丈夫。俺が声出さなきゃバレねぇって……」

「そういう問題じゃないのだよ! ココを何処だと」

「わかってる。けど俺もう、我慢できねぇんだよ」

言いながらズボンと下着を足から抜いてオレの上に跨った高尾は人の制止も聞かずゆっくりと腰を落としてくる。

「……く……っバカ尾がっ」

「ハハッ、いいね、その顔。すっげぇコーフンする……ッ」

睨みつけてもヘラリと笑うだけで効果は無く、オレの上で高尾がはぁ、と悩ましげな吐息を洩らした。

「真ちゃんは、寝てていいから……あっ、んっ」

こんな状態で眠れるわけがないのだよ。いつ誰が起きてくるかもわからないと言うのに、淫らに腰を揺すりながら自分で扱き、声を押し殺す姿を見て平静でなど居られるはずが……。

「んんっ、は……っすっげ、キモチイイ……っ」

「……高尾」

そっと頬を撫でると、高尾は嬉しそうに微笑んでその指を口に咥えた。赤い舌が指に纏わりつきゾクリと腰が震える。

「……っ」

「んっ、ふ……っ、は……ぁっ」

煽るような目付きでオレを見ながら手を舐め、次第に腰の動きを速めていく。

そんな目でオレを見るな。歯止めが利かなくなってしまう。

「う、んんっ……真ちゃ……ぁっ、やっべ……イきそ……っ」

扱く手の動きが早くなり、ソレに合わせて下から突き上げてやる。

「っ、く……ッ」

「……ッ」

ビュクビュクと自分の手の中に精を放つ間、オレはジッとその姿を眺めていた。


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