No title

「……っふ……ん……ぁっ」

恥ずかしいのか口元を手の甲で押さえ眉根を寄せて快感に耐えようとする姿に言いようのない興奮を覚えた。

内部からは先ほど放ったモノが溢れ突上げるたびに、グチュグチュと卑猥な音が部屋中に響き渡る。

「手を噛むな。傷になる」

「うっせ、わかってるけど声が……っ」

しっとりと汗ばんだ前髪を掻き上げ額に口づけ、口元を覆っていた手を外して指を絡める。

「オレ以外誰も聞いていないから、気にする必要はないのだよ。それとも外に聞こえるのが気になるのか?」

「なっ!? ちがっ! んなデカイ声ださねぇよっ!」

「だったら構うことはない。お前感じてる声をもっとオレに聞きかせろ」

「〜〜〜っ」

オレだけしか知らない表情や、仕草。 

すっかり覚えてしまった、高尾の感じる場所。

いつもへらへらと笑っているコイツを組み敷いてオレの手で啼かせていると思うだけで、最高にゾクゾクする。

高尾はオレのものだ。

他の事なんか考えられないほどにしてやりたくて、腰をグラインドさせ夢中で突き上げた。

「あっ! ああっ……真ちゃっ! はぁはぁっ……すごっ」

ギシギシとベッドが軋み、皮膚のぶつかり合う音に混じって高尾の甘い声が部屋中に響き渡る。

部屋いっぱいに広がる濃密な空気がより一層の快楽を引き出していく。

「真ちゃ、あっんん……ダメっ、これ以上は……ぁっ! あンっあっ、あっ!」

急激に締め付けが強くなり、限界が近くなったのか熱い吐息が零れる。

空いている手で自身を軽く扱くと先走りの液がトロトロと溢れ、息を詰めた。

「ソコ! や、だぁ……ふぁっ……ああっ! やべっぇ……イくっ! イクぅ、あぁあっ!」

「――くっ、高尾……っ」

頭の中が真っ白になりそうなほどの感覚に呑まれそうになりながら唇を重ね、手の中で高尾が弾けた。

それに煽られるようにして、オレも高尾の奥に熱い飛沫を注ぎ込んだ。



[prev next]

[bkm] [表紙]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -