No title
「なぁ、真ちゃん。なんか欲しいもんねぇの?」
行為後、ベッドでまったりしていると突然高尾がそう尋ねてきた。
「藪から棒になんだ突然」
「だって明日はもうクリスマスだろ? 俺も真ちゃんに何かプレゼントしたいんだけどお前なんでも持ってるから……」
「……」
何がいいのかわからないんだよ。と、僅かに頬を染めポリポリと頬を掻く。
「オレが欲しいって言ったら、何でもくれるのか?」
「あんま高けぇもんは無理だけどな」
オレの問いに、高尾はゴロリと寝返りを打ちながらへらりと笑った。
「そうか」
「んで? なんかあるのか?」
上目遣いで覗き込まれ思わずドキリとする。
「そうだな、オレが今欲しいものは……」
高尾が期待を込めた眼差しで見つめながらオレの答えを待っている
オレが欲しいものと言えば一つしかない。
眼鏡を押し上げ、一呼吸おいてからそっと頬を撫でた。
顎に指を掛け持ち上げると高尾の頬にサッと赤みがさす。
「な、なんだよ」
「オレが欲しいのはお前なのだよ」
「なっ!? あのなぁ、そう言う事じゃなくて……」
「なんだ、オレが欲しいと言ったモノをくれるんだろ?」
耳元で囁いてやれば、高尾の顔がみるみるうちに茹蛸のように真っ赤になっていく。
「〜〜〜つか、さっきヤったばっかじゃねぇか」
羞恥に耐えられなくなったのか視線を逸らし、拗ねたように頬を膨らませる。そんな仕草一つ一つが愛しく思えて仕方が無い。