No title

「お前、最後に生理が来たのはいつだ?」

「…………はい?」
「最後に生理が来たのはいつだと聞いているんだ!」
「は? 真ちゃん???? 何言っちゃってんだよ。俺、男……」
「わかっている。 だが、それはどう見ても妊娠の兆候じゃないか! 早く答えろ!」
何を血迷ったのか真剣な顔で俺の肩を左右に揺さぶる。
つか、真ちゃんアホの子じゃないかと薄々思ってたけど……。
「ぶひゃひゃひゃひゃっ! 真ちゃん、面白れー!! なんの冗談だよソレっ! 超ウケんだけど!」
真ちゃんは俺を笑い殺す気だろうか?
「お、お、俺に……生理があるわけねぇじゃん! あはははははははっ!」
本人は至って真面目な顔をしているものだから、俺はもう窒息してしまいそうだ。
「は〜、腹痛てぇ……つか、何? もし俺出来ちゃってたら、真ちゃんセキニンとって俺を嫁に貰ってくれるわけ?」
「もちろんだ! 責任はとる!」
俺の手をしっかりと握り締め、フンと盛大に鼻を鳴らす。
「真ちゃん……」
一体、いつものツンは何処へ行ったんだ?
でもまぁ、面白いからこのままでいいか。
「真ちゃんの気持ちはわかった! 俺、明日病院に行ってくるから」
「何を言っているのだよ。明日なんて悠長な事は言っていられない。今すぐ行くぞ!」
「はぁ!? や、ちょっ! 何言って……真ちゃん朝練は!?」
「そんなものより、お前の腹の子が大事なのだよ」
「…………真ちゃん」
やべ、なんか胸がキューンてキタ。
そんな真剣な顔で言われたら、マジで妊娠しちゃいそうだぜ。

「…………なぁ、木村ぁ。そこの二人マジで轢いていい?」
「ほっとけよもう……」
「つか、俺の弁当見て吐き気催した挙句になんだアレ!!!! マジでうぜー!」
額に怒りマークを浮かべながら、騒ぐ宮地先輩が視界の端に映る。
取り敢えず、部活終わったらマジで病院行っとくかな。――内科だけど!


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