No title
うっすらと朝焼けが差し込む部屋で、高尾は緑間に組み敷かれていた。
「あ……っ」
ギシッギシッとベッドが軋み突き上げられるたびに切ない嬌声が洩れる。もう、何度イかされたのかわからない。今夜は両親が旅行に出かけていないから家に来いと、半ば強引に誘われたのは部活が終了してからのこと。
それから自宅に今夜は泊まるとの電話を入れ、緑間の自宅で有り合わせで作った夕食を食べ、風呂を済ませてからずっとベッドの上にいる。もうかれこれ七時間程。
分厚いカーテンが引かれた部屋は薄暗いが、時々響く新聞配達のエンジン音がもうすぐ夜明けが近いことを知らせていた。
「真ちゃん……っ。だっ……駄目俺もう、これ以上は無理……っ」
目に生理的な涙を浮かべ、しがみつきながら懇願すると緑間は眼鏡を押上げ動きを止めた。
「じゃぁ、今ここで止めてもいいのか?」
「あ……や……ぁっ」
ギリギリまで引き抜かれ、そのもどかしさに腰が疼く。
ポロリと洩れた言葉にハッとしたときには既に遅く、フンと鼻を鳴らすと緑間が腰を抱えて一気に突き上げてくる。
「んっ、ぁあっ!」
「身体は正直なのだよ。ほら、お前のココはもっとして欲しいと吸い付いてくるぞ」
「あ……そんな俺……あぁ……っ」
飢えたように何度も高尾の体内を貪る行為に目の前が白く霞んでゆく。
シーツを掴んで堪えてみても、与えられる快感が大きすぎて抑えることが出来ない。
「や……っ、マジで俺もうっ――」
身体をくの字に曲げられより深く抉られるような角度に強烈な快感を覚え、肩に担がれているふくらはぎがビクビクと戦慄く。
少しずつ明るくなってゆく静かな夜明け、軋むスプリングの音に合わせて洩れる嬌声はいつまでも続いていた。