No title

これでもかと言わんばかりに目を見開いて、口をぽかんと開けたまま互いに固まること数秒。

心の準備が出来ていない状態だったオレはパニックを起こしどうしていいかわからなくなって立ち上がった。

「緑間! 逃げんな。逃げたらどうなるかわかってんな?」

「!?」

ドスの利いた声に呼び止められ、恐ろしい程の熱を秘めた目で睨みつけられてオレは足が竦んで動けなくなった。

オレが宮地さんを恐れてる? そんな馬鹿な……!

「ほら、お前がイくとこ見せてやれよ」

「えっ? ぅあっ!? 嫌だっ、そんなの……は、ぅっさっきより、深……っ」

両足で固定して股を大きく開かせた状態のまま、オレの方に身体を向けて宮地さんが高尾の耳に息を吹き掛けた。

イヤイヤと首を振る高尾の抵抗などもろともせずに腰を掴んで下から突き上げながら片方の手で蜜を滴らせているそれを指で扱く。

「あっ、あっ……いやっ、嫌だ……真ちゃ、みるな……あぅっ、み、んなって!」

「あはは、スゲー締まってんぞ。緑間に見られて感じるとかどんだけ淫乱なのお前」

クスクス笑いながら宮地さんが高尾を追い詰めていく。

なんか……凄い。見てはいけないモノを見てしまったような罪悪感に囚われて足がガクガクと震える。

いつも楽しそうに笑っているアイツがこんな風に乱れるなんて知らなかった。

随分、気持ち良さそうに喘ぐのだな。

息をするのも忘れ、つい魅入ってしまった。身体は異常に熱いのに、手先だけ妙に冷たい。背筋に流れる嫌な汗に身震いをしてその場に呆然と立ち尽くす。

「あっ、だ、だめ、だって……っ、ぁっ、ああ――っ!」

「――っ」

高尾の背中が大きく波打ち一際大きく身体が跳ねた。

ビュクビュクと手の内に放たれる精液を見た瞬間、全身から力が抜けてオレはその場にぺたりと座り込んだ。

何もしていないのにハァハァと息が上がってしまう。

気だるげに高尾が宮地さんの胸にぐったりと凭れる。額に張り付いた前髪や、首筋へと流れていく汗に妙な色香を感じ目が離せない。

「ハハッ、いつもより早かったな。でも、おれまだだから」

「えっ? 宮地さん、俺たった今イったばっかで……ぅあっ」

戸惑う高尾の肩を押し、腰を高く上げた状態で宮地さんが再び律動を開始し始める。

オレの目の前で、切なげに眉を寄せ小さな喘ぎ声を洩らす姿に異様な興奮を覚えた。


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