No title
(緑間SIDE)
オレはいつの間に眠っていたのだろう?
先に風呂に行ってしまった高尾を待っている間、本を読んでいたはずが気がついたらついうたた寝をしてしまっていた。しかもかなり本格的に寝てしまっていたらしく顔を起こすと首がミシリと傷んだ。
全くオレとした事が――。
「や、あっァン……やめっ! やだって……ぁあっ」
「!?」
聞き覚えのある声に顔を上げ、目の前に飛び込んで来た光景にオレは我が目を疑ってしまった。
宮地さんが、高尾に覆いかぶさっている。しかも、何やら怪しげな動きを……。
一体、何がどうなってこんな事になっているのか?
身体が石になってしまったかのように動かない。目を背けようとしたが、それもかなわずオレは微動だに出来なくなってしまった。
「あんっ、宮地さ……やめっ……真ちゃんが……ぁっ」
「子供が起きちゃうってヤツか? ヤダヤダ言う割に、腰くねらせて、ヨガってんのお前の方じゃん」
「ちがっ、そうじゃ……っや、ぅんっ」
あんな高尾の顔は初めてみる。頬を上気させて、官能に濡れた目元は赤く染まり、宮地さんの背中にしがみつくように腕を回している。
そんな高尾のシャツを胸上まで捲りあげ露になった胸元に宮地さんが吸い付く。
自身を扱かれながら同時に強く打ち付けられて、高尾が切羽詰った声を上げた。
「ひゃっ、ぁあっ! そんな、色々触られたら俺、も……っ」
「……もう……イキそうか?」
「くっ。あっ……っ、もうっ……くぅっ」
「――っ」
宮地さんの酷くセクシーな声色に、高尾がこくこくと激しく首を縦に振る。
目尻に涙をいっぱい溜めてイかせてほしいとせがむ高尾の姿に思わずごくりと喉が鳴った。
高尾の声に反応してしまった自分が信じられない。だけど、目が逸らせなくて自然と手が下半身に伸びる。
その時、ふと宮地さんと目が合ってしまった。突然の事に驚いて固まっているオレを見て、宮地さんがニヤリと笑う。
「高尾。ほらお前がでけぇ声出すから王子様がお目覚めだぜ?」
「んっ、はぁ……はぁ……えっ!?」
肩で荒い息をしながら、宮地さんに強引に身体を支えられた高尾と目が合う。
「……っ」