アメリカ戦をチームのみんなと観戦した後、吾郎は部屋で寛いでいた。

寿也は今、部屋に着替えを取りに行っている。

そう言えば、清水に連絡を入れるのを忘れていた。

どうしてもロスに来たいと言うので、明日の日程を伝えておかなければいけない。

折角日本から来てくれたのに、置き去りにしてしまったのだから迎えくらいは行ってやらないと。

確か明日の練習が終わるのは三時頃だから五時に空港へ着くように言えば余裕で間に合うはず。

ベッドに寝転んで、受話器を取り清水のいるホテルへと連絡を入れる。

明日の予定を教えるだけだから直ぐに電話を切れると思ったのに、女はどうして長電話が好きなのだろう?

なかなか会話の切れ目が無くて、やきもきしているといきなり誰かが上にのし掛かってきた。

「誰と電話してるんだい? 吾郎君」

「ぅわっ!?」

突然、耳元に息を吹きかけられて思わず電話を落としそうになってしまった。

「と、寿……っ! 誰って、清水だよ」

受話器を押さえながら答え、寿也を警戒しながら耳を押し当てる。

あまり隙を見せていると何をされるかわかったものじゃない。

「し、清水。悪い! 客が来たみたいだから切るぞ!」

一方的に捲し立て、清水の答えを聞かずに受話器を置いた。

「客って……僕が居るのが知れたら何か都合が悪い事でもあるのかい?」

眉を吊り上げ不機嫌そうな顔をする寿也。

「別にそうじゃねぇし。いちいち説明すんのが面倒だったんだよ。つか、重いから退いてくれよ」

「ふぅん、説明が面倒、ね」

「大体、寿也の前で長話なんてしようもんなら何されるかわかったもんじゃねぇからな」

清水の前で、失態を犯すのだけは男としてのプライドが許さない。

「何かって……例えば?」

するりと寿也の腕が腹のしたに潜り込み、下半身を撫で上げる。

性的な意味を込めた掌の感触に意識せずとも身体が震えてしまう。

「こういう事するだろっ、声抑えるの大変なんだぞ」

「ハハッ、嫌なら抵抗すればいいのに吾郎君が抵抗しないからだろ?」

片方の手は腹筋を撫でながらシャツの中へと滑り込み胸の突起を摘まむ。


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