※付き合ってない設定です。モブ女でてきます。





こんなはずじゃなかった

「アン…リボーン…もっとぉ」

白い身体、豊胸で顔は美人。
男から見ればこれ以上のものはないと思わせる。
肌を合わせれば甘い声で鳴き、こっちの性感さえも刺激してくる…。
と思われたのに…俺のそれは一向に反応することはなかった。
目の前に今から食べてくれと言わんばかりのものがあるのに、それができない悲しさ。
それになにより、女を見て反応を示さない自分自身に腹が立つ。

「萎えた、今日は終いだ」
「え〜、なにそれ…リボーンが誘ってきたんじゃない。んもう、いいわ他当たる」

手に残るのはとても魅力的な感触なはずなのに。
女は着替えてさっさと部屋を出ていった。
俺も出るかと、安っぽいホテルを後にしたのだ。
どうして俺がこんなことをしているのかというと、一種の実験の様なものだ。
俺は最近反応が鈍くなった、女を見ても反応しないのだ。
しかも、いれていても抱いている女のことが考えられず常に頭にあるのがあのダメツナの顔だった。

「何でこんなときまで思い出してんだ」

鬱陶しく思うぐらい俺の頭を支配している。
それもこれもあいつがしっかり仕事やらないのがいけないんだろう。
そう思っていた。
アイツがしっかりサボらず仕事をしてくれさえすればこっちの負担も少しは減るのだ。
だが、このままでは欲求不満だ。
女がごまんといるのにこれはどういうことだ。
仕方なくこの原因を知るためにシャマルのところに行くことにした。




「つーわけだ、なんか原因あるのか?」
「は?…何言ってんだ、それは恋ってやつじゃねぇのか?」

シャマルの部屋にやってきて粗方説明すればそんな答えが返ってきた。
恋?俺がそんなものするわけがない。

「そんなもの、してねぇぞ」
「してんだろ、ばっちりだ」
「は?寝言は寝て言え」
「そっくりそのまま返すぜ。お前案外鈍感だったんだな」

にやにやと笑って言われてますます意味がわからなくなった。
どういうことだ、何が言いたいんだ。
俺が恋?最強のヒットマンが誰に恋してるって?

「そいつのこと考えたら勃つぜ、試してみろよ」
「誰だよ」
「綱吉だろ、どう考えても」

突然なにを言いだすかと思えばそんなこと…。
大体あいつは男だ、それにダメツナだ。
顔はいいとしても何の魅力もないだろう。
そう思うのにシャマルは言葉を撤回しなかった。
どうしたらいいのかわからず、もう話しをするのも嫌になれば自室へと戻りかけるが執務室へと顔を出していくのを忘れない。

「今日はしっかりやってんな」
「リボーン、こんな時間までどこでなにしてたんだよ。心配するだろ」
「俺は俺の好きなことをするんだぞ、それに自分のことは片づけてあるからな」

何の文句も言えないはずだぞと言ってツナがしっかりと仕事しているのを見るなり部屋に戻った。
ボスになりたてのアイツはまだイタリア語でさえも覚束ない。
もう少し、時間をかけてやらなければと思いつつ、もう少しどうにかならないものかと思う。
ボスとしての威厳もそうだが、まだあいつには自覚も足りないらしい。
いつも俺に頼ってばかりでは、いつか自分でとりかえしのつかないことになりそうだ。

「はぁ、先が思いやられるな」

上着をソファへと放ってドカリと座った。
何をするでもなくさっきのシャマルの言葉が頭の中をよぎった。

「恋か…」

俺には一生必要のないことだと思っていた。
それに、今も必要ないものだと思っている。
ツナのこともだが、ボンゴレ自体が安定していない。
そんな状態で情報集め以外のものが必要か、それも色恋だなど俺には必要ないものだ。

「そんなこと考えてる暇がありゃ、適当に出してる」

面倒な身体になってしまったものだとため息を吐いた。
抱ければ誰でもいいじゃないか。
勃たないなんて、シャレにもならない。

「チッ…寝るか」

どうにも納得いかない、むしゃくしゃした気分のまま俺は乱暴にソファから立ち上がれば服を着替えることなくそのままベッドに入った。
最近本当にいいことがない。
仕事では何の滞りもないはずなのに、面倒なことだ。
そんなことを考えながら眠りについたのだった。




『あっ、りぼーん…ふぁっ…やぁ…なか、寂しい…はやく、ちょうだいっ』
『欲しいのか?ならいれてやるよ』

どろどろになった自身を握る。
気持ちが良いとばかりに先走りを溢れさせ、ツナの口からは甘い声が漏れた。
自分も興奮しているのがわかり、指で慣らしたそこに自身を宛がった。
力を込めて腰を押し進める。
くっと背を反らして感じ入るツナに笑みを浮かべる。
ただ、気持ちいいはずなのに水を漂っているかのような妙な浮遊感。

『りぼーん…おれ、リボーンのこと…好き』
『おれもだ…ツナ』

言われて、自分までそう口にしてからハッとした。

「違うだろっ」

ばっと起こした身体。
窓からは明るい日が差し込んでいて、俺は周りを見た。
何もない、今までのことはすべて夢だったことにようやく思い辺り長いため息を吐いた。
一体何がしたいのか、一体何があったのか。
俺はふっと下肢に視線を移して、ぴきっと固まった。

「なんで、ツナの夢見て勃ってんだよ…」

信じられない気持ちで俺は呟いた。
大体、あんな男に勃つことがおかしいだろ。
確かに顔は可愛いと思うが、根本が違う。
可愛いというより男らしいところもある、頑固で決して折れない信念。
だからこそ、どうして俺の身体は反応したのか。

「おかしいだろ、俺」

美人でも巨乳でもましてや女でもない…男だ。

そして、昼間自分の仕事が片付くなり俺は執務室へと向かった。
定期的にツナの様子を見ておかないとあいつは隙を見てすぐにサボるからだ。

「…寝てんじゃねぇ」
「いったぁ、なに…げっ、リボーン」

部屋に入ればツナは机に突っ伏して眠っていた。
俺は容赦なく殴り、起こしてやる。
ツナはペンを握ると必死で手を動かしていた。

「俺がいないとすぐにサボりやがる」
「だって、リボーンがいないからじゃん」

その一言に俺はぴくりと反応した。
いないからなんだというのだ。

「別に俺がいなくても仕事はできるだろ」
「違うよ、なんか…寂しいだろ」

止めろ、それ以上言うな。
ツナの無意識の一言に今朝のことが思い出される。
やばい…やばい…
よくないと思っても、身体が勝手に動く。
幸いなのは、今日昼間守護者が全員出払っているということだった。
ツナの椅子に手をかけた。

「り、ぼーん…?」
「俺は…男なんか好きにならねぇ」
「は?…んんっ…」

自分に言い聞かせるために言った言葉、けれど重なったのはその男の唇だ。
俺はその感触に我に返るが、止まらない。
身体が勝手に動きツナのネクタイを解いていた。
そして、ボタンをはずし肌を撫でた。
机を挟んで行われる行為はとてもやりづらい。

「くそっ…お前のせいで女も抱けなくなったんだ」
「んっ…それ、勝手な言いがかり…じゃ…」
「しるか、抱かせろ…ここんとこずっとヤってねぇんだよ」

返事なんか知らない。
俺はツナの手を引き無理やりソファへと押し倒した。
そして、服を脱がし足を広げさせて秘部へと指をいれた。

「ちょっ…冗談、リボーン…りぼーん…止め」
「止めねぇお前だって勃起してんだろ」
「っ…ちが、これは…」
「なんだ?言ってみろ、俺を納得させる答えがあるなら引いてやってもいいぞ」

言いながら俺はいつも持ってるローションを取り出した。
ぬめりを足して、さっきより動きやすくなる指。
行為は止まることなくさらに助長する。

「やぁっ…りぼーん、なに…やめっ」
「とまんねぇ…くそっ…」

信じられないとばかりに言ってくるツナ。
けれど、それで止めれていたらこんな苦労もない。
指を抜き自身を宛がう。
ますます抵抗するのを抑え込んで自身を挿入した。

「ぁあぁっ、やだ…あぁっ、リボーン、りぼーん」
「ツナ、ツナ…」

腰を押しつけ何度も突き上げていればツナの手が俺の背中に回ってくる。
声もどことなく甘さが滲んだように思える。
ますます歯止めが効かない。
恋だと気付いた相手が男で、それがツナで…それでこんなことをしている。
本当にどうしようもない…。
これではけだものだと考えて否定できなかった。
好き勝手にツナを抱き、すっきりしたところで我に返った。


「ツナ…怒ってるか?」
「……」
「すまん、ただ本当に女が抱けなくなった。お前だけだ」
「リボーン…」
「おれ…おれも、リボーンが好きなんだと思う…ちょっと、まだわからないけど…でも、嫌じゃなかった」

すっかり抱きつぶしたと言っても過言でもないというのに、ツナは笑った。
どうして、こんなにもこいつがかわいらしく見えるのか。
どうしようもないほど、俺はこいつに惚れているということなのだろうか。

「こんなはずじゃなかった…」
「俺もそうだよ」

ツナは苦笑して俺に笑いかけてきた。
どうしようもない俺達は、どうしようもなく…きっと、恋をするんだろう。




END
唯様へ
原作10年後リボツナ。ツナを好きと認めたくないプライド高いリボさま、無自覚にリボが好きなツナ。のとこらへんを書いてみました。
ちょっと色々大丈夫かと思われる展開ばかりですが、気に入らなかったら言って下さいね。
理不尽なところも若干消化不良になってしまいました、すみません。
でも。楽しく書かせてもらいましたっ。
プライドの高いリボーンとか本当に自分では思いつかなかったようなことなので、がんばって書いてみました。
気に入ってもらえたら嬉しいです。
リクエスト有難うございましたっ。




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