さぁ、隠さず魅せてよ

いつもの夜、その日は特に変わったことなく一日を終えようとしていた。
俺はリボーンの部屋にきていてシャワーを浴びたところだった。
そして、その日俺は決意した。今日一日考えていたのだ、そういえば俺リボーンのイった顔見たことないかもしれない…と。
正直、最中は目を開けていてもイく瞬間は閉じてしまうし、覚えている情景はいつも後背位だったりするときが多く、ベッドとかソファとかしか思い出せなくて目を開けた時はリボーンの優しい顔だったりするから…やらしい顔も見てみたいな、と思ってしまった。

ので、

「リボーン、よろしくお願いします」
「一発殴った後でいいか?」
「何でそうなんの!?」

ベッドで待っているリボーンの目の前に正座して言ったら右手を振り上げられたのでさっと腕でガードする。
ふざけているわけではない、俺は至って真面目だ。

「リボーンのイき顔みたいよ」
「そんな可愛い顔で言うことじゃねぇだろ」
「みたら満足するから」
「そういうことでもねぇぞ」

俺が何を言っても否定している様子のリボーン。
他にどうすればいいというのだろうか…。
お願いするしか、俺には手はないというのに。

「お願い、リボーン」
「そのお願いを何回も使われてるんだけどなぁ、ボス」
「いいじゃん、俺がこんなにもセックスに積極的なのにリボーンはそれじゃあ萎えるって言うのかよっ」
「言ってねぇだろ」
「ならいいじゃんっ」

もうまどろっこしいと俺はリボーンの肩を押して倒した。
ぽすっとふかふかのベッドはリボーンの身体を支えてくれて、俺はリボーンの身体を跨いで乗り上がるとふふんと上機嫌だ。
今日は本当に機嫌が良い、骸からチョコを貰ったせいだろうか。
そういえばなんで骸が俺にチョコを分けてくれる気になったのか、聞きはしなかったがどうせ碌でもないことだと思っているのでいいかと頭の中からそのことは追いやった。

「イき顔みるのに、どうするんだ?」
「とりあえず、俺は目を閉じないようにリボーンを見てる。俺が、今日は上になる」
「…まぁ、いいか。…やれよ。」

俺の言葉を聞くなり、少し考えて身体の力を抜くリボーン。
俺が動くでいいのかと意外そうに見つめるが、言質はとってしまったので手を出させてもらうことにする。
リボーンのスーツに手をかけてボタンを外していく。
俺はシャワーを浴びたけどリボーンはまだだ、俺が先に入って押し倒したからそんな暇はない。
開いたそこに手を這わせて撫でる、俺のように感じることはしないけれどそのたくましい身体つきに羨ましくもなる。
吸い寄せられるように舐めれば少し汗の味がする。

「そんなにぬるくていいのか?」
「少しは堪能させてよ」
「それじゃあいつまでも終わんねぇだろ」

こんなことはこれっきりにしたいとばかりにいうリボーンに、またしたくなったらするかもしれないことは言わないでおこうと口を閉ざした。
まず、リボーンに触らせたらダメだ。
俺はすぐに感じてしまう。どうしようもなく、すぐにリボーンの手中に陥落するのがわかっていた。
リボーンに手を出されずにしないといけないと考えて、リボーンの身体の上を移動してベルトを取り去る。
ジッパーを下げて、下着の上からでもわかる大きさのものを撫でる。

「舐めてくれるのか?」
「…舐めたら、顔が見れない」

一瞬それもいいなと顔を近づけてみたがそれだと俺はリボーンの顔を見ることができなくなってしまうのに気づいてそれは却下だと下着から自身をとりだすと手で扱きだす。

「っ…俺だけか?」
「うん、だってリボーンに手を出されて俺訳わかんなくさせられたら終わりだもん」
「チッ」

冗談で言ったつもりなのに本気の舌打ちが聞こえてきて背中に嫌な汗が伝った、マジですか。センセー怖いです。
俺は気を取り直して扱く手に緩急を加えようといつものいつもの動きに揉むような刺激もつけた。
すると、明らかに硬くなる芯。そして、先端からは先走りが溢れだした。
それを見ていたら、後ろが疼く…きゅっと入口が締まってリボーンが欲しいと身体が訴え始めた。

「ツナ…それで?」
「それで…って」
「手だけじゃ、イけねぇぞ?」

誘われるような甘美な囁き、手を伸ばされてくしゃりと頭を撫でる。暖かい掌は俺を喜ばせるものでしかなくて俺は少し悩んだ。
というか、身体がリボーンを求めて仕方ないのだ。
こればっかりはどうしようもなくて、ふっと思い立った。

「俺がリボーンの顔見たあとでイけばいいのか」
「何言ってんだ?」
「だって、俺イくとき目閉じちゃう」
「…ああ、そうだな」
「だから、俺我慢するから…今日はリボーンが先にイけばいいんだ」

なんともシュールな話題である。
けれど、これも必要なことだ。だって会話なくセックスして出して、終わりだなんてそんなマンネリの夫婦じゃあるまいし…。
いや、マンネリの夫婦は夜の営みをするのかどうか、そこも怪しい。

「ね、いいだろ?」
「……」
「いいっていったじゃん」
「……」
「ねぇねぇねぇ」
「わかった、好きにしろ」

煩いとキスで唇を塞がれて、入りこんできた舌に喜んで絡ませればそのまま身体を引き寄せられて、もっと深くと重ねられた。
息もつくのが難しくなるぐらいに口の中を蹂躙されて放された時にはすっかり意気が上がってしまっていた。
どうしてキス一つでここまでさせられてしまうのか、自分では子供のようなキスぐらいしかできないため悔しく思う。
リボーンのキスが刺激的なのに自分は何も学習できてないと少しへこみつつ、リボーンの顔を覗き込んだらその瞳は欲情に濡れていた。

「…なんだよ、もう…」
「は?」
「そんな目で見るな」

リボーンに主導権全部持ってかれそうな気がする、と思った。
胸に顔を伏せてくぐもった声を出せば無理やり顔をあげさせてくるからむっと頬を膨らませてみた。

「変な顔すんな」
「じゃあ、そのニヤニヤした顔しまえよっ」

脇に手を入れられて俺の下からでたリボーンはそのまま俺を押し倒してくる。
あっというまに形勢逆転だ。
リボーンを見上げるとまたキスをされる。今度は優しいキス。
俺が呼吸しやすいように、ちゅっちゅっと音を立てて離れてはまた重なる。

「んんっ…はっ…りぼーん」

ぎゅっと肌蹴させたままの服を握る。見つめると頬を撫でられて首筋を指がたどった。
それだけでビクッと反応してしまい、身体を丸めようとすれば足を開かされてその間にリボーンが割り込んできた。
そうして、バスローブだった俺は紐を解かれる、一つの動作で裸にされた。
下着は、もちろんするとわかっているのではいてない。
だって、下着を汚してしまった時のことを考えるともとからはいてないほうがずいぶんと楽になると感じ始めていたから。

「勃ってるな」
「見んなって」
「俺のを散々見てただろうが」

やり返されていると感じて、息が上がる。
見られて興奮するとか変態みたいだと恥ずかしくなって顔を隠すために腕で視界を遮ろうとしたら腕を掴まれてベッドに縫いつけられた。

「なにするんだよ」
「お前、今日の目的忘れたわけじゃないだろうな?」
「………あ」
「俺の顔を見るためには、お前も顔を隠せない」

ニヤリと笑うリボーンに俺の顔が引きつる。
つまり、そういうことなんだろう。
悪趣味だっ…。
自分も人のことを言えた義理ではないけれども、むしろ顔を見るのはいれてからでもいいんじゃないかとか…今の俺ではそこまで考えることはできなかった。

「みるなよ、やっ…あっ……」
「お互い様だろ」

お互いさま、ではない。明らかに不公平だ…と思う。
その間もリボーンの片手は俺の腕を拘束、もう片方は下をいじっている。
秘部にローションを纏った指を這わせられて、ヤバいと思って腰を振ったのにそこに入りこまれて息を詰める。

「もう開いてるじゃねぇか」
「だって、毎日のようにしてる…っ」
「違うな、興奮してたんだろ?俺のを扱いて」

ぴちゃりと耳に舌を入れられて声が漏れる。
そのまま中を舐めながら指も増やされる。

「あぁっ…ふぅっぁあっ…だめ、っ…みみ…やぁだ」
「締めつけてくる癖に、気持ちいいんだろ?」

リボーンの言葉を否定するように首を振ったらますます中を激しくされた。
このままじゃイってしまうと、それだけは嫌で俺の空いている方の手でリボーンの肩を押した。

「だめ、リボーンの…いれて」
「まだ、忘れてなかったみたいだな」
「はぐらかされるか…んんっ」

指が抜けて自身が宛がわれる、俺が育てたそれは熱く先走りが俺の秘部へと塗りつけられたローションとまじりあった。
そして、ゆっくりとそれが入る。ずるずると感触が生々しく、けれど俺の身体はそれを喜んで締めつける。

「っ…ったく、お前の中は最高だな」
「ああっ…りぼーんの、きもちい…」

抱きついて、キスを強請るとすぐに舌をさしこまれて吸われる。
くぐもった声しか出せなくなりながら、動き始めた腰の動きに合わせてしまう。
リボーンの律動は心地よく、それで感じるところを狙ってくるから俺は始終締めつけっ放しだ。

「ふぁぁぅ…いく、ねぇ…いっちゃうよぉ…」
「イけよ、ツナ…つな」

甘く耳元で言われてそのまま駆けあがってしまいそうになり慌てて自身を握ってそれをやり過ごす。
慌てて握ったので力加減ができず、痛みに思わず一瞬手を離してしまった、けれどもなんとかイかずに済んだ。

「だめ、だって…リボーンの顔、見るんだもん」
「流されておけよ」
「やだっ…はやく、リボーン中に出してっ」

誘うように腰を揺らし、リボーンを見つめる。
力を込めて意図してしめつけてやれば、息をつめて快楽をやり過ごしているようだ。
そんな我慢なんかしないでほしい、俺だって結構限界に近いのだから。

「ぅあっ…りぼーん、すき…すきぃ、なかちょうだい…あついの、ほしいよ」

できる限りの煽り文句を言ってやればくそっと苦し紛れの声が聞こえたと思ったら、ふるりと震えてリボーンが一瞬ぎゅっと目を閉じすごく気持ちよさそうな顔をした。
そんな顔してたんだと思うと同時に、そんな顔を愛人の人たちに見せてきたのかと思ったら少し腹が立った。
そして、その顔が脳裏に焼きつき中に放たれた熱に、俺はぎゅっと締めつけ背を反らせてリボーンの後を追うように自身を解放したのだった。




「で、どうだったんだ」
「…いや、もうあれは…いいかなって」
「は?」
「だって、あんな色っぽい顔見せられたら…俺だって止まんなくなりそうなんだもん」

情事が終わった後、身体を拭いてもらい落ちついてきたときに唐突に問いかけられた言葉に俺は少し恥ずかしくなりながらも答えた。
あんな感じた顔をみせられて、一階で終わるわけがない。
ちなみに。あれから三回はしてしまっている。

「さすがに、体力が…」
「そうか、ならいいか」

リボーンはいろんな意味で安心しているようだった。
リボーンの優しい掌が俺の頭を撫でて、そっと額に口付けた。
けれど、あの色っぽい顔はきっとまた…見たくなるんだろうな。
あの一瞬が頭から離れないや、と俺は顔中にキスをされながら思ったのだった。




END
うるか様へ
前の名前でも私はちゃんと覚えてましたよ〜。でも、こちらの名前もかわいらしいですね。
10年後のお話で、ツナより先にイッちゃうリボーン、でした。
本命の方を選択させてもらいました。
なんだかとてもはっちゃけてしまいまして、本当にすみません。
気に入らなかったら言って下さいね、できる限り修正させてもらいますのでっ。


素敵なリクエスト有難うございましたっ。




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