身体がお好き?

日差しが差し込む朝、俺は目を開けて隣のツナをみた。
…まだ寝てやがる。
昨日の情痕を身体中につけていると知らずに暑かったのか上半身を広げてなんとも気持ちよさそうだ。
もう少し寝かせてやろう思うが、残念ながら時間だ。
俺は時計を見て一つため息を吐くと、ツナの耳元で囁いた。

「ツナ、朝だ…起きねぇと、仕置きだぞ?」
「ん……ん、もうちょ…っとぉ…」

起きる気なしか、それでも俺は焦ることなくツナに覆いかぶさりながら耳たぶを甘噛んでちゅるっと吸ってやる。

「っ…!!」
「いっ!?」

ツナは驚きにいきなり頭をあげて俺は逃げ遅れ頭突きを食らった。
頭の中に星が見え二人で暫く頭を押さえて身悶えていた。

「てめぇ、起きるときは起きるって言えっ…ん?」
「リボーンこそ、変な起こし方するなっていつも……あれ?」

自分の異変に気付いたのはほぼ同じ。
お互いに顔を見合わせれば俺はツナの下にいて俺は目の前にいた。

「えぇっ!?なにっ、なにこれ!?俺、リボーンになってる!?」
「みたいだな、俺の顔で変な顔すんな。馬鹿みたいだ」
「そんなこと言ったって無理だよ、なんで中身が入れ換わってんの!?」
「俺が知るか、まぁ…不自由はないな」
「いや、あり過ぎだから…一番重要なとこだから」

ツナの突っ込みなど無視して俺は寝室を出て姿見の前に仁王立ちした。
ツナ…もとい俺の身体もやってきたが、別の人間がはいるとああも美形が台無しになるものなのかと覚めた目で見たあと向き直る。
首筋、胸、背中、腰、太もも…身体中どこを見ても綺麗に咲いている赤い華に自画自賛の視線を向けた。

「ツナの身体は白いからやっぱり映えるな」
「ちょっ、なに人の身体で遊んでるんだよっ」
「いいだろ?今は俺のもんだ」

焦って肩を掴んでくるツナの手を振り払って乳首やわき腹を自分で触ってみる。
たしかに、自分のそれを触った時より感じやすいかもしれない。
なにしろ俺が開発した身体でもあるのだ、次はどこをしてやろうかとあちこち触ってるとツナの服を投げつけられた。

「なにすんだ」
「仕事、あるだろ。それでいいから支度してよ」
「これで仕事するのか?」
「当たり前だろ?俺の仕事残ってるし、リボーンだってあるだろ?」

ツナの言葉に頷くしかなかったが、こんなに奇跡に近い形の現象が起きているのだ。
このまま大人しく仕事をするのも惜しい。
とりあえず下だけでも履くかと下着をはいたがそれ以上は身につける気にはならなかった。
少し筋肉はないが、俺が毎晩のように愛している身体だ。

「リボーン、そんな恰好でいるなって…もう少しで隼人が」
「だったら、お前も俺らしくしとけよ」
「いや、そうじゃなくてっ」

ツナはずっとそんな調子で、もうこの際だから楽しめばいいのにと思う。
シャツをもって近づいてくるのをちょろちょろとかわしていれば、がちゃりとドアがひらいた。

「十代目、朝です…おきて…すっすみませんっ」
「あ、いや…大丈夫だからはや…獄寺」
「いえ、リボーンさんあとでまたきますっ」

ここに入ってきた獄寺は顔を一気に赤くしてすぐさまドアを閉じた。
まぁ、当然のことだろうな。
ツナはツナで手を伸ばしかけて弁解する言葉を探していたようだが、もう手遅れだ。
くっくっと笑えば、何が面白いんだよとじとりとみられた。
…つくづく似合わねぇな。
ツナにはやはり自分の顔では少々整い過ぎているらしい。
ころころと変わる表情が余計に似合わなさを強調してしまっている。

「ツナ、もっと真剣な顔してみろ」
「は?だから、もう」
「いいから、してみろ」

この状況に納得できないと言った様子のツナに少し語気を強めて言ってやれば、まだぶつぶつと言っていたが顔は真剣になった。
というか、無表情か?
多少はよくなったと下からの目線で自分の顔をみる。
ツナの身体だとなにかと不便そうだ。
ツナの手を広げて見ながらそれでも隅々までみて回る。

「そんなに俺の身体がいいの?」
「は?」
「リボーンさっきから俺の身体ばかり見てる」
「小さくていいと思うぞ、それにお前の感度も…」

俺の言葉は途中で途切れた。
俺の手の平にぽつりと滴が降ってきたのだ。
見あげるとツナは俺の顔で大粒の涙を目尻いっぱいに溜めていた。

「俺の顔で泣くな」
「だって、俺…入れ換わったら、興味ないみたいで…ひっ…」
「ツナ、わかってんだろ…俺は別に身体目当てとかじゃ」
「じゃあ、なんで俺のこと放って置くんだよ…おれは、戸惑ってるのに…りぼーん、ひとりでなんか考えてるし…」

溢れでる涙を指先で拭ってやりながらつい笑ってしまう。
俺はこんな顔しない、本当にばか面だ。

「ツナ、あんまり泣くな…俺は泣き慣れてないんだから。それに物珍しいだけだ。お前もそうだろ?」
「むり、とまんない…まぁ、そうかもしれないけど…」

滅多に泣かないせいで止めるのにも苦労するのだろう。
俺は肩を掴み引き寄せるとキスをした。
正直、自分の顔にするのかと思うと気分は乗らなかったが、ツナのためだと思えば目を閉じて誤魔化した。
宥めるように言ってやれば渋々と言った様子で頷く。

「なんか、リボーンはかっこいいね。俺の顔なのに」
「そうか、自分じゃわかんねぇな」

ようやく落ち着いてきたらしいツナは俺の顔を覗き込んで呟いた。
自分の顔なのにかっこいいとかあるのか?
よくわからずにいればツナは俺の肩を掴んで鏡に向き合わせた。

「ほら、ちょっとカッコイイ」
「だな。けど、やっぱりこの身体はツナのものだろ?こうやっているより泣いたり笑ったりしてる方がしっくりくる」
「そうかな?でも、そうかも…」

声が耳を掠めると背筋が痺れて身体が反応する。
俺の声で感じるようになってんのかと妙に感心したように身体の変化を楽しんでいれば手が伸びてきて顎をとられて後ろを向けさせられる。
突然の口づけに俺は目を見開いた。

「ばっ、お前これでする気か!?」
「だって、なんかリボーンの身体熱くなってくるんだもん」

自分の身体の事だけに俺はついため息をはいた。
まぁ、確かに俺の身体はツナの身体をみただけで反応できる
それを毎日のように抑えている身ににもなってみろ。
ニヤリと笑うが俺の身体を抱きしめて離しそうにない。

「俺は自分の身体に犯されるなんてごめんだぞ」
「俺だって、自分の身体抱ける自信はないよ」

それでも熱いモノを太ももに擦りつけてくる動きは止まらない。
吐息が耳を掠めて、逃げなければと思うのに身体が一気にだるくなってそれもかなわない。

「ったく、世話がやける」
「俺のせいじゃないっ」

俺は鏡に手をかけると腰を突きだすようにした。
ツナは躊躇いなく入れようとしてくるのを俺は拒んだ。

「そこじゃねぇ、こっちだ。挟んでやるから」
「素股っ!?」
「妥協案だ、譲歩しろ」
「…うー、もう…こんな身体ヤだ…」

それはこちらも一緒だと思いながら熱いモノが太ももに触れる。
足を交差させて挟むとツナは俺の身体を抱きしめて腰を振ってきた。
熱いモノが行き来する感触にこちらも煽られる。
なるべく鏡を見ないようにと顔を下に向けると、直接的な部分を直視してしまう。

「きもちいいか?」
「んっ…さいこう…なにこれ…はっ…あぁっ」
「当たり前だ、いつも…俺はお前の身体…気持ちいんだ、わかったか」
「んっ…わかった…んあっ…ねぇ、だしてい?」

また耳元で甘えるような声を聞いて俺の身体が反応する。
俺は自身を握ると扱きだした。
自分のそれより気持ちいい行為につい夢中になって擦ってしまう。

「あっ…なにしてんだよ」
「お前の身体だって、感じやすいくせに…はっ…やべぇ、普通にイけるな」

自分で先端を弄って、ツナの性感帯を確認する。
どこもかしこも感じるがやはりその中でも一番イイ場所もあるのだ。
後ろも腰を振って自慰を楽しんでいるらしい。
俺はしがみつくように抱きしめてくる腕を握りしめて、もれそうになる声を押さえて果てた。

「はっ…はぁっ…はぁっ…」
「ちょっ…俺まだ、イってな」
「んなの知るか…っ!!」
「っ!?」

弛緩して力が抜けるのを腕が支えて、まだ、と言うのをもう離せと顔をあげたらゴンッとまた痛い音がした。
頭を星が散らばり、くらりと一瞬意識が遠のく。

「…あ、戻ってる」
「………」

目を開ければ自分の視界の目の前にツナがいた。
ツナは嬉しそうに自分の身体をみているが、俺はツナの手をとると鏡に手をつけさせた。

「へ…?」
「中途半端にしたのは、お前だぞ?」

俺はツナの太ももに包まれて今にもイきそうに震えているモノをわからせるようにした後、真っ青な顔になるツナに笑みを向けた。




「ひぁぁっ!?やあぁっ…もうだめ…もう、たてなぁっ」
「まだイけるだろ?ものたりなそうな感じだったぞ?」
「んんっ…だめっ…だって、足が…」

ツナの中をめいいっぱい擦り上げながら自身を揉みしだく。
目の前で淫らに喘ぐさまを観察しながら腰を打ちつけた。
自分の顔を見て感じているのか中が断続的に締めつけてくる。

「足?そんなの、俺が支えてやるんだから関係ない」
「しごとぉ…ああぁっ、やめっ…感じちゃっ…そこぉっ…」
「ほら、顔上げろ…涎垂らして、淫乱だな」
「んっ…はっ…やぁ…いわな、で…」

顎を掴んで鏡越しに見れば笑みを浮かべた。
俺のモノが美味くてしかたないって顔。
いくらみても見飽きることのない、顔。
俺が入っていたときとずいぶん違う、ツナはかっこいいと言ったが、この顔にはかわいいという表現が合っている。

「かわいい…な…ツナ…やっぱり、元の身体が一番だ」
「あ、たりまえ……も、イかせてぇっ」
「ああ、イけ…はっ…うっ!!」
「ひぁあぁぁっ!!」

鏡に白濁を飛ばして、身体を震わせたツナはくたりと弛緩した。
俺も中に放ってツナの身体を支えると、寝室に逆戻りした。
仕事なんて、忘れた。
ツナのケータイをとり獄寺に連絡を入れる。
今日は二人で寝る。そう短い伝言を言って、俺はツナの身体を清めるためにバスルームへと向かったのだった。

二人を入れ替えたのは、不思議な力だ。
でも、心の奥底でお互いの身体を知りたいと、
そう、思ったからじゃないだろうか…。




終わり
奈津様へ
改めて素敵なリクエスト有難うございますっ。
ツナとリボーンの体入れ替わりのツナはおろおろしてるけどリボーンノリノリ、で書かせてもらいました。
裏は決められずに両方をやってみたりなんかして、ホント好き勝手しちゃいました。(笑)
納得できなければ言ってくれると助かります。いつでも修正する準備は整っていますのでっ←
楽しんで書かせてもらいました、ありがとうございましたっ。





「#甘甘」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -