母親というものはね
朝方、俺はようやく任務を終えて帰路についていた。
屋敷の前までくればいつもと変わらないボンゴレ本部があった。
俺は疲れた身体を引きずるようにしてツナの部屋へと向かっていた。
あー、抱きてぇ……
俺もそろそろ欲求不満だ。
朝乗り込んで行っても怒られない自陣があるぐらい俺達は親密だ。
了平やら獄寺に挨拶をされながら、ツナの部屋に入ればボルサリーノをとって寝室へと入る。
そこにはいつもの、起きる時間になっても起きない寝坊ボスの姿が…。
「俺がいないと思って、良い御身分だな…」
「…ん……」
言っても眠ったままだったのでこれ幸いとベッドに乗り上げる。
寝坊をネタに抱いたことなど数知れず、それなのに学習しないこいつもこいつだ。
ちゅっとキスをして始まりの合図。
服の裾から手を入れて突起を摘まむ。
途端にぴくんと反応を返してくる。
ニヤリと笑えば服をたくしあげてそこを口に含む。
ちろちろと先端を遊びながらわき腹を撫でてやるとんーんんっとかわいらしい声が聞こえた。
だが、まだ起きる気配すらなく布団の中に入り込むと下肢へと手を伸ばした。
「ツナ……ツナ…」
「りぼーん…」
名前を呼ぶとふにゃふにゃした声で返してくる。
まだ寝てるなと感じながら服をゆっくり脱がせていき、あっという間に全裸だ。
どこから責めてやろうかと悩んでいると寒さに目が覚めたのだろう、ツナが目を開けた。
「えっ…お前、またっ」
「ただいま、ツナ…お前が欲しがってる見たいだから脱がしてやったんだぞ」
「いや、別に言ってないしっ…りぼっ、ちょっとまって…今日はまずいから」
「今日もなにも関係ないだろ?寝坊した罰だ…大人しくしろ」
いつもは抵抗なんてすぐに振りほどけるのに、今日はなんだかしつこい気がした。
けれど、俺は少しばかり我慢が効かなくなっていたのだが…
廊下からぱたぱたと足音が聞こえて、いきなり部屋に誰かが侵入してきた。
「ん……?」
「りぼーんっ、だからっ…」
「黙ってろ」
「んーっ、んーっ…」
ツナが何か言いたげだったが今侵入してきた人物を知った後でもいいだろう。
誰だと思っていたら、寝室のドアが開かれた。
「あらぁ、リボーン君…大きくなったのね」
「……ままん…」
「母さんっ、良いから外出ててよっ」
「もう、つっくんが寝坊するからでしょ。獄寺君が部屋の外で困ってたわよ」
「わかったからっ」
俺は意外な人物の登場にとっさには反応できなかった。
ツナは自力で声をだして追い払っていた。
というか、布団の中に二人いる時点で疑ってもいいはずなのに…ママンは時々本当にボケているのかわからなくなる。
ママンが出て行ったあと怒ったような恥ずかしくてたまらないといったような顔でいるツナに少し罪悪感を覚えた。
「すまん、いるとは知らなかったんだ」
「今言おうとしたけどなっ…もう、なんでこんな恰好で…」
素直に謝ればもういいよと諦めたような顔をして服着るからと俺の肩を押してきたので大人しくどいてやる。
服を着るのを見ていれば、ツナは俺を見てくシャリと頭を撫でてきた。
いつもはしている側だから少し新鮮だ。
「お疲れ様、リボーンは寝てないの?」
「…ああ、寝てないな」
「思い出したように言うなよ、気持ち悪いな」
「仕方ないだろうが、朝も夜も関係ないんだ」
寝るのを忘れるなんて変だというツナにもうこんな生活なれたんだと言い返すと、肩を押されてベッドに倒れる羽目になる。
「はい、リボーンはここで寝ててよ」
「飯…」
「お昼食べるとき呼べばいいんだろ?」
わかったように言われて全くその通りだと頷いた。
横になるとツナの匂いを感じて目を閉じれば俺は眠かったのか一気に睡魔に襲われる。
「おやすみ、リボーン…」
「しっかり、仕事しろよ」
「するよ…」
額にちゅっとキスをされて俺は心地のいいまま意識を手放した。
「リボーン、リボーン…昼ごはん」
「……ん…」
良い気持ちで寝ていたらツナに起こされた。
寝ボケたままツナを引き寄せてキスをすればそれに舌を伸ばして答えてくる。
「ふっ…りぼーん、やばいから…止まって」
「こんな感じた声で、誰が止まれるか」
濃厚なキスを交わせば一気に意識が冷めてもっとと絡めればツナが抵抗して肩を押してくる。
それででも従うのを渋っていれば思いっきり頬を抓られた。
「っ…いてぇだろっ」
「リボーンが止まらないのが悪い。ほら、ご飯だって」
両手を引っ張られて身体を起こされれば俺は仕方なく起き上がってベッドから降りた。
小さく欠伸をしながら部屋を出れば食堂まで歩いていく。
すると、嗅ぎなれたいい匂いがしてくる。
これは、懐かしいな…。
なんだか昔食べたような匂いだと食堂に入れば、奈々が皆にご飯を配っていた。
「まだ、ママンがいたのか」
「ああ、父さんが出て行ってつまらないからって…多分二、三日はいるんじゃないのか?」
ツナは迷惑そうに言っているが、顔が優しく緩んでいる。
まぁ、母親というものは息子に好かれるものだからな。
前は流せたことでも、なんだか少し気になっている自分がいて嫌な気分になる。
ママンは自分の子供でもない奴等を住まわせてそれだけじゃなく面倒までみていたんだからこんな感情もつほうがおかしいと思っている。
それなのに、なんでだろうか…。
ちょっとのことが許せないなんて俺はどこまで心が狭くなれば気がすむんだ。
いつの間にか嫉妬している自分を見つけてしまえばそんなことはないといつも座っている席についた。
「リボーン君はなにが食べたい?」
「ママンのおすすめでいいぞ」
「まあ。おすすめなんて…なら、これとこれとこれね」
皆に配り終えた奈々はこちらに来ていろんな種類のおかずを見せてくる。
相変わらず、あの頃から五年以上は経っているはずなのにあのころの綺麗なままだ。
女ってのはすげーな…。
感心しながらご飯に手をつける。
ご飯も文句なしに美味しい。
周りを見れば皆も心なしか嬉しそうに振る舞われたご飯を食べていた。
「よかった、皆の口に合って」
「和食なんて久しぶりだからな」
「そうなの?だったら私これからここに住もうかしら」
「そっ…」
「それは駄目、母さんには、ここは危険だから」
奈々がはしゃいで言った言葉に俺が止めようと開いた言葉は、ツナに遮られた。
もっともな言葉…だが、お前がそんな真剣な顔するな。
お前はいつもみたいにへらへらしてればいいのに…。
奈々は驚いたようにツナを見て、次の瞬間には笑みを浮かべた。
「そうね、私はあの家でみんなの帰りを待ってなくちゃいけないものね」
「俺はちゃんと帰るから…母さんは、明日には帰ってよ」
「…しかたないわね。もう少し、こっちにいたかったけど、皆の元気な顔見れたから帰るわ」
諦めたように言って、奈々は静かにご飯を食べ始めていた。
きっと寂しかったのだ、家一人誰がくるともわからない状態が。
「ビアンキがいたな」
「ああ、戻ってきたんだった」
奈々と仲が良かったビアンキの名前を出せば喜んでくれた。
これで、ツナから奈々は離れるだろう。
何でか安堵している自分に苦笑を浮かべた。
俺はわがままな子供か…。
いや、それより質が悪い。
昼食を食べ終われば、ツナを俺の部屋に連れ込んだ。
だいたいここなら奈々に入ってこられることもないわけだ。
「お前っ、俺は仕事っ」
「朝からしたくてたまらなかった…」
「っ……あふっ…」
耳元で優しく囁いてやれば力が抜けていく。
キスをすれば舌を絡ませてきて、仕事だから止めてくれという感じではない。
まぁ、俺と同じだけヤってないんだからな。
俺が我慢できない身体にした、それなら我慢できなくてあたりまえなのだ。
「ああぁっ…あつっ…はぁっ、や、まだ…うごかな…ああっ」
「こんな、締めつけられて我慢できるわけねぇだろ?」
ツナと騎上位で繋がれば、動くなといいながら腰を揺らす。
いやらしい腰使いに俺は耐えられず突き上げる。
すると感じた声を口にだして、声を抑えようとしたのか唇に指先を持っていき唾液を絡ませて舐めている。
「んあぁっ…そこぉ…だめ、だめっ…ついたら、かんじるっ」
「感じれば良いだろ?ツナ、可愛いぞ?」
蜜事を囁きながら感じる場所を刺激したら感じ入った声を出して、背中を震わせていた。
頬に手を添えてキスしろと視線で言えば身を丸めてキスをしてくる。
好きなだけ、舌を吸って絡ませて甘噛みして、貪って離せば銀糸が二人の唇を繋げていて煽られた俺は腰を掴んでめちゃくちゃに突き上げた。
ここまで解れていればどこを突きあげようと感じきるのはわかっていた。
「やあぁぅ、いくイくっ…!!ああぁっああぁっ!!」
「はっ…やべぇっ…いくぞっ!!」
あられもない声をあげてツナは俺の腹に白濁を溢して俺は中に注いだ。
ゆっくりと繋がりを解けば乱れた呼吸を二人で整えていると、ツナは満足そうに笑っていた。
「……どうした?」
「いや、なんでも?」
「気になるだろうが…」
「だって、リボーン笑う」
「笑わねぇから」
これをいったらリボーンは腹抱えて笑うよと言われたら聞きたくなってくる。一体何を隠しているのかと顔を覗き込んで一度抜いたそれでぐりぐりと秘部を突いてやるえばそれは嫌だと抵抗する。
一体何を隠したんだと聞けば、そなれ奈々に嫉妬したというものだった。
「母さんに嫉妬なんて変だよね」
「別に変じゃないだろ」
現に俺だって奈々嫉妬していたのだから笑えない事実だった。
「でも、嬉しいぞ…母親よりこっち優先なんだな」
「当たり前だろ…でも、俺はリボーンだから優先にするんだからな」
「ああ…わかってる。」
奈々には悪いが、俺はとても幸せな気分になりながら、次の日奈々からあんまりツッくんに無理させないでねと聞くまでは頭の中が花畑のように舞いあがっていた。
END
For You
奈々にリボが嫉妬、できました。
奈々さん自体あまり登場させたことがないのでこんな感じでよかったでしょうか。
結果ツナも嫉妬してましたけど…(笑)
書きなおしは本人様のみ承ります。
素敵なリクエストありがとうございましたっ。