パロ | ナノ

 華淡2

娼館で、何もない方が少ない。
俺の経験上複数でやったことなんてない、ここではそういうのは客が希望しない限りしないし希望する人なんてそういるわけでもない。
どうしよう、見られるのかな!?
恥ずかしいよ、絶対…恥ずかしい。

「何してるの、綱吉?」
「へあっ、いえ…なんでもっ」
「そう、じゃあおいで」

雲雀さんに呼ばれてリボーン達はいいのだろうかと二人に視線を向けるとなんとも真剣にじゃんけんをしていた。
なにをそこまでもえることがあるのだろうか…。
まぁ、気が済むまで放っておけばいいのかな。
俺は雲雀さんの方へと奥の部屋、俺が最初に着替えに入った部屋に入った。
そこには二組の大きな布団が並べてあり、まぁこんなことになるんだよなぁと苦笑を浮かべずにはいられなかった。

「嫌なら寝ていればいいよ、僕たちは勝手にするからね」
「嫌というか……じゃなくて、勝手にしないでくださいリボーンは俺のですよ」
「ここは僕の部屋だ、好きにするよ。当人たちはあの通りベロベロだからね」

雲雀さんは上の白い着物を脱いで俺と同じ緋襦袢になると、楽しそうに布団に座った。
雲雀さんの口ぶりはまるで一人で二人を食べると聞こえて、それだけは止めてほしいと思った。
ここはそういう場所だとしても、リボーンは俺のものだ。

「駄目です、ディーノさんは良いですが、リボーンは…」
「なら、さきに味見でもしておこうかな」

お願いだからそれだけはやめてくれと雲雀さんの隣に座ればトンッと軽く肩を押された。
えっと思う間もなく俺は布団に仰向けにされていて、一瞬何が起こったのかわからずにシュルッと腰から最後の帯が抜けた。

「君は、やっぱり油断していたね。僕が呼んだのは綱吉、君だよ?」

リボーンに言われなかった?と耳元で言われてすっかり雲雀さんと二人きりになってしまっていることに気づいた。
え、本当に!?っていうか、これ俺が抱かれる側じゃないのか!?
同じ娼妓である雲雀さんからも抱かれる側での対象で見られていたことに少しショックを受けているうちに着物を肌蹴られて肌を舐めるように眺めていた雲雀さんは俺の突起にちゅっと口付けてきた。

「ひっ…なんで、俺なんですか」
「僕は、ずっと抱いてみたいと思ってたんだよ。だからこそ、ディーノとつながりのあったリボーンに身請けを許したんだよ」

ちゅっちゅっとリボーンとはちがって柔らかい唇に突起を愛撫されて拒まなければと思うのに動けない。
それは、きっと俺が雲雀さんを想う気持ちと雲雀さんの強引だけどどこか逃げ道を残してくれる優しさのせいだ。
ここで声を出せば、きっとリボーン達は気づく。
このネコの遊びともいえる狂事に。

「ひばり、さん…んっ…」
「どうしたの?」
「もうすぐ、なんですね…俺を、ここに呼んだのも…あなたの着ていた着物をくれたのも、全部…もうすぐ、年季が明けるから」
「なんだ、気づいたの。つまらないな、もう少し好きにできると思ったのに…」

そう言いながらも突起への愛撫は止まらないまま、わき腹を優しく撫でてリボーンのつけた痕を全部辿るようにそこへとキスをしていく。
まるで、愛されているようでよかったと安心しているようだ。
でも、やっぱり雲雀さんは少し寂しそうに見えた。
だって、きっと誰よりここのことを好きなのは雲雀さんなんだ。
ディーノさんの身請け話を断りまくってでも頂点に座って居続けたいぐらいには。
雲雀さんの俺が来る前の過去なんて知らないけど、あの人はいつも客に抱かれるのは嫌だけどここを嫌いだと言わない。
食事の好き嫌いもないし、客には厳しいけど娼妓には優しいところもある。
誰より、ここを家だと思っているのはほかでもない雲雀さんなんだ。

「だって、きっとそれぐらいになると思って。雲雀さんの年齢なんて知りませんが、限界があるのは知ってます」
「そう、まぁしかたないけどね…あの人の手に落ちる時が来たみたいだよ。その前に、君を抱いておこうかと思ってね」
「そんな、ついでみたいな…あっ、いいかた」
「いいじゃない、僕の童貞欲しいだろ?」
「要りません」

くすくす、本当に楽しそうに笑ってくれる。
こんなに笑いながら犯されるのなんて初めての経験だ。
貴重なことかもしれない…けど、リボーンより細い指リボーンより柔らかい舌…感触、俺はリボーンと重ねてしまう。
それは、雲雀さんに対して、失礼だ。

「おれは、りぼーんのものです」
「知ってるよ、まぁ…こうなるのもわかってたけどね」
「俺達を抜きにして乳繰り合うってのは反則だろ?雲雀」
「そうだぜ、丁度脱いだところだしな」

ふっと光がさしたかと思えば二人が入ってきた。
リボーンはネクタイを解いた姿で、ディーノさんは上半身裸でというなんとも締まりのない格好だ。
リボーンは俺を見るなりほらみろといいたげに見下ろしてきた。
俺は俺で何も言えずに唇を尖らせることしかできずにいればディーノさんが雲雀さんを抱えて振り向かせるなり濃厚な口づけをした。
俺はあっけにとられている間にリボーンが覆いかぶさってきて俺は嫌だともがくが腕を布団に押さえつけられて口づけられた。

「んっ…ふっ、んんっ…ぅっ…ふああっ」

咥内を蹂躙されすっかり抵抗することも忘れてしまえば、むき出しのままだった突起を痛いぐらいに捻り上げられる。
ビクッと反応して声を上げるが、そのままリボーンはもう片方も解いた唇で愛撫しはじめて俺は二つの快感に身悶えた。

「ひぁっ、ああっ…やぁああっ、やあっ」
「はっ、ぁあっ…ディーノッ…んっ」

リボーンで見えはしないが、向こう側で雲雀さん達もしているのが聞こえてきた。
こんな狭い空間で一緒にやるなんて、本当に恥ずかしい。
まだ見られているわけじゃないけれど、息使いが聞こえてくるだけで触発されてしまいそうだ。

「なんだ、もうここどろどろじゃねぇか」
「ちがっ…やだっ、リボーン…ああっああぁっ」
「…そういや、複数なんて初めてだったなぁ。おい、ディーノ」
「なんだ?」

俺はさっそくイってしまって、リボーンは何か考えるそぶりを見せた後楽しそうににやりと笑って後ろにいるディーノさんを呼んで何か話している。
どうせ碌なこと考えてないんだと逃げようと身体を起こそうとしたら、腕を掴まれた。
たった今までディーノさんと話していたのに、もう終わったらしい。
完璧に逃げるタイミングを外してしまった俺は、引きつった笑いを浮かべることしかできなかった。




「ヤダッ…ぁあっ、やああっ…りぼーん、はずかしいっ…」
「大丈夫だ、雲雀だって同じ恰好なんだからな」
「あっ…そこ、もっと突いて…ふぅぅっ…ああっ…」
「おい、ディーノいいか?」
「ああ、大丈夫だ」

俺と雲雀さんは向かい合うように四つん這いにされて、リボーンとディーノの合図でぐっと両手を引かれて上半身を起こされた。
途端目の前に現れた雲雀さんのとろけた顔に、つい驚いてしまった。
この人の本当に欲情した顔…。
俺は初めて、見た。
いつもディーノさんとは泊りだったために俺は他の方へと回されていたし、ディーノ以外では雲雀さんは乱れたことがなかったから。
俺は、見られるもの見るもの嫌だと思ったが、この時ばかりは雲雀さんの顔に欲情した。
なんでこんなにも、綺麗なんだろう…。
雲雀さんも俺に気づいたらしく、ふっと笑ってそっと顔が近づいてくる。
リボーンが止めないから俺もそのまま近づいて唇を合わせた。
途端後ろから突きあげられて感じて、咥内に舌が忍び込んできてもそれに舌を絡ませて吸いあげ甘噛みしてしまう。
すると、雲雀さんの方も舐め返してきて俺の舌を絡め取られて吸われると痺れるぐらいに気持ち良くて後ろのリボーンを締めつけてしまう。

「っ…俺がするのより、気持ちいいか?」
「ふぅっ…んんっ…ちがっ…」
「ねぇ、ちょっと手離しなよ…」
「おい、恭弥…お前何する気だ」
「ひやっ…ああっ、だめっ…やめてくださっ…ああっ…」

リボーンの言葉に否定しようと唇を離したところで、雲雀さんは腕を自由にして俺の下肢へと顔を寄せてきたのだ。
あまりの出来事に何がなんだがわからなくなっているうちに、今度は自身を口に含まれていた。
後ろからはリボーンから突きあげられて、前からは堪らないほどの技巧にもうイってしまいそうで、でも雲雀さんの口に出すのはなんだかいけない気がしてふるふると首をふる。

「リボーンッ、やぁっ、やめて…やめてぇえっ…ああっ、イく…イくぅっ!!」
「ほら、出しなよ、綱吉」
「イっちまえっ…」
「あぁぁああぁっ!!」

雲雀さんに先端を思いっきり吸われて、リボーンに後ろから最奥を強く突き上げられて俺はギュッと締めつけ雲雀さんの咥内へと白濁を放っていた。

「んっんんぅっ…」
「はっ、きょうやっ!!」

雲雀さんはディーノさんの突き上げで放っていて、俺は前に倒れそうになってリボーンに引かれなんとか雲雀さんを下敷きにしてしまうことだけは免れた。
力なく身をリボーンにあずけていたが、リボーンは俺の耳たぶを舐めながら突起をまたくりくりと弄ってきた。

「んっ…も、むりだって…」
「雲雀のも飲んでみたいだろ?」
「え……?」
「お前だって飲まれたんだから、やりかえしてもいいんだぞ?」
「ちょっと、なに…ふきこんでるのっ」
「いいだろ?こんな機会めったにないぜ?」

すかさず雲雀さんが口を挟んできたがそれは許さないとディーノさんがニヤリと笑って雲雀さんの両手を再び拘束して、上半身を起こさせた。
俺は、リボーンから許しがでているし、やられっぱなしは雲雀さんとは言え嫌だ。

「つなよし、やめ…ひっ…はぁっ…ぅあっ」
「っちゅ…ふぅっ…うむ…」

今度は俺が雲雀さんのものを咥えこむ番だった。
ふるふると震えるそれはやっぱり敏感で一度出したにもかかわらずディーノさんが数回突き上げただけでそこはもう先走りを滲ませていて、愛おしげにそこを両手で包み込むと先端に口づけ舐めはじめた。
きっと雲雀さんの愛撫とは程遠いと思うが、精いっぱい感じてほしいと思っている。

「こっちも、疎かにすんなよ?」
「ふぅっ…りぼっ…んっ」
「はっはっ…やめっ…あっ、あっ、ディーノッ…でぃーの、ぉ…」
「恭弥、きょうや…俺はここにいる…」
「だめ、でちゃう…はなして…つなよしっ…」
「んっんっ…ふっ…」

雲雀さんは無意識にディーノさんを呼びながら俺の口へと二度目の白濁を放って、俺はリボーンが突き上げて自身を扱く手に白濁を放ちディーノさんは愛しげに雲雀さんに口付けていた。
リボーンはいきなり抜けたかと思うと俺を布団へと再び組み敷いて息もつけせぬぐらいの勢いで咥内を舐めまわして雲雀さんの感触を拭い去っているようだった。
俺は自分からも手を回して深く重ね合わせて好きにさせた。
すると、気を抜いたのも一瞬でリボーンの手が腰に回ってきたかと思えば一度抜けた男根が再び入ってきて今度は俺の準備も待たずに好きに突き上げられた。

「あっ…つよいっああっ…やっああっ…すぐ、イくっ…だめっリボーンッ」
「俺で、イけよ…つな」

耳元で切なげに言われて、感じる場所を何度も突き上げられてしまえば頭がショートしたように何も考えられなくなって目の端で雲雀さんも喘がされているのを見たきり俺はそのまま三度目の頂点に突き上げられた瞬間意識を飛ばしていた。




「……ぇ、僕を貰ってくれる?」
「もちろん、俺は…ずっと、お前を待ってた」

朝日が差し込み、まどろみの縁で囁き合うような声が聞こえた。
それは紛れもなく、雲雀さんのディーノさんのもので、どんな想いで雲雀さんはここをはなれていくんだろうと考えるとなんだかもうここの住人ではないのに寂しくなってしまった。

「ここからみる、大門も最後になるね…」
「お前がみたいなら、何度でもここに連れてきてやる」
「馬鹿言わないでよ、そんなの僕が許さないよ…僕はね、誰よりも嫉妬深いんだ」
「俺にだけ、見せろよ…俺がここに通ってお前に囁いた愛のぶん一生かかってでもお前の全部を俺にだけ見せろ」
「ふっ…仕方ないね」

ディーノさんのものになるのは最初からわかっていたことだけれど、ここにくればいつも雲雀さんがいたのにと考えると、やっぱり帰る家がなくなるようだ。

「ん…」

すると俺が起きているのがわかったのか、俺の腰に回っているリボーンの手に力が入った。
俺の気持ちが伝わってしまったのだろうか、俺はそれに甘えるようにリボーンの胸に顔を埋めた。

「さて、僕はあの子に渡す着物畳んで置かなきゃならないからあなたは二人を起こして上げておいて」
「わかった」

ディーノさんの了承とともにちゅっと軽いリップ音がしてそのあと雲雀さんは向こうの部屋に行ってしまったようだ。

「二人とも、起きてんだろ?」
「…わかったか」
「アイツの前でいったら絶対機嫌損ねるからな。あいつ、あれでもまだ寝起きでお前らが起きてんのに気づかなかったんだ」
「…そうだったんだ」

目を開ければ目の前にリボーンの顔があって、自然とちゅっとキスを交わして起き上がる。
まだ頭がぼやぼやしていてふらつけばリボーンにまだ寝ていろと頭を撫でられた。

「ようやくだ、ようやくアイツを俺のものにできる」
「よかったな、お前見せつけたいのもあったんだろ?」
「まぁな、それじゃ俺はオーナーと話しをしてくるからお前らは朝食でも食べてろよ」
「ったく、安心した顔しやがって。お前は不安なのになぁ?」
「ん…でも、大丈夫だよ……リボーンが、俺の帰るところだもん」

ディーノが部屋を出ていく音を聞きながらリボーンが苦笑を浮かべて俺に言った言葉にリボーンを挑戦的に見て言ってやった。
いつまでも、ここに縛られているわけじゃない…俺だって、もうここじゃなくてずっと一生傍にいてくれる人がいる。
俺はリボーンの手を握って、指先に口付けた。

「ねぇ、今度は俺の戸籍もリボーンの方に入れてよ」
「すごいプロポーズだな」
「それぐらい言わないと、リボーンはわかってくれそうにないから」

ぎゅっと抱きしめてきた温かい身体を抱きしめ返して俺は、朝食が呼ばれるぎりぎりまで幸せな時間を過ごしていたのだ。




そして、数ヵ月後。
無事雲雀さんはディーノさんのものになり、あのときの着物は俺のもとへとやってきた。
綺麗で、俺に合わせているからかすこし子供っぽい。
けれど、やっぱり雲雀さんに似合うと思うのだ。
こんなものがこんなに近くにあっては、きっと忘れない。
雲雀さんも、多分ディーノさんとここに遊びに来てくれることもあるだろう。
一緒にいた記憶も、何もかも思い出として大切にしておきたいものだ。

「おい、ツナ消毒持ってきてくれ」
「はーい」

これからも、俺はここでリボーンと二人だけの思い出を積み重ねていく…。




END






「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -