◎ そのどれも魅力的
眼鏡を取ると人格が変わる。
そんな漫画みたいなことがあるわけがないと、俺は思っていた。
が、あながちそれも外れてはいないようだ。
「ひっ…あぅ…りぼっ…」
涙目で見つめてくる綱吉は今日眼鏡をかけている。
最近知ったことなのだが、綱吉はさっき言ったように眼鏡をつけているときとつけていない時で少し違う。
愛撫はいつも同じようにしている、違ったものをすると途端不安がるからだ。
その反応も楽しいので、俺自体はやってみたいことでもあるのだが、まだそこまではできないだろう。
傷つけてしまったことは負い目として残っているが、こうしてようやく恋人と呼んでも良い間柄になったのだ。
可愛がって苛めたいというのも、いつかしてみたい。
そんな願望は胸の内へと押しやり、目の前の光景を楽しむ。
「ん?気持ちいいだろ?」
「やっ…あっ、やめ…」
弱々しい手が俺の愛撫の手を止めようとしてくる。
恥ずかしさからか頬は赤らみ、目からはとめどなく涙が溢れていた。
頬を撫でて涙を拭いながら首を振って嫌がる綱吉をやんわりと押し込んだ。
「ん…や、やぁあ」
「そんなに嫌か?止めるか?」
優しい声で自身を弄るのを止めようとすると腰が卑猥に揺れる。
本当は気持ち良くしてほしいくせに、眼鏡をかけていると途端にあまのじゃくになるのだ。
多分、見えすぎるのが原因だろうと俺は思っている。
どれだけ自分が乱されているか、はしたないと思うのに耐えられずこうして抵抗を繰り返す。
「っ…りぼーん」
きゅっと握られた手に頼られていることを知る。
こうして、縋るようにされることが俺は少し嬉しい。
綱吉が俺を信頼している証でもあるのだから。
その手を引き寄せて、キスをするとますます赤くなっている。
どこまで赤くなるんだと面白くなりながら俺は自身を弄っている手を奥に伸ばした。
定期的に抱いている身体は、閉じる暇もなく指を宛がうだけで少し開く。
「ツナ、いやじゃないだろ」
「……う〜」
唸る綱吉に、嫌じゃないという結論に至って行為は再開。
指をいれてやれば腰が浮く。
欲しがっているのをわかっていながら今度はわざと焦らして指をゆっくりと抜き差しする。
そのうち中がうねるように吸いついてくるようになった。
一度抜いて二本そろえて中にいれると、縋るような目で見つめてくる。
そろそろかと、綱吉にキスをした。
「眼鏡が邪魔だな」
「や…それ、や…め…」
「見えなくなるのが嫌か?」
聞けばこくこくと頷いた。
かわいい、今では従順と言っていいほどに俺を信じて身を委ねてきている。
求められるままに、俺は綱吉を愛してやりたいと思っている。
だからこそ、少しの悪戯ぐらいは許して欲しい。
俺はそっと綱吉の眼鏡に手を伸ばすとそれをとり上げた。
そうして、中に入ったままの指を激しく抽挿しはじめる。
「あっあぁぁっ…だめぇっ」
自身からはとめどなく先走りが溢れて、秘部の方まで伝って来た。
握った手はぎゅっと力が入り、腰が揺れる。
さっきとは違い、声に遠慮がなくなり感じるままに喘ぐ綱吉に俺は満足げに笑みを深めた。
「ツナ、気持ちいいんだろ?」
「ん…ん、うん…」
「どうしてほしいか、言ってみろ」
「イきたい…舐めて、なめてぇ」
恥ずかしくて泣きだしつつ、自分のしてほしいことを口にする。
腰はひっきりなしに突き上げる動作を繰り返していて、自身を口に含んだら喉奥まで突かれるのだろうな、と思いながらも俺はそれに楽しそうに笑う。
そうやって、求められることも嫌いじゃない。
素直にしてほしいことを言うようになった眼鏡を取った綱吉を俺は結構好きだった。
口でしてやったことなんて数えるぐらいしかないのに、嫌がっていたと思ったが案外ハマっていたんだなと感じて俺は股の間に顔を伏せた。
「ひっひっ…んっ」
「まだ、いれてねぇだろ?」
想像してかピクッと自身が震えて、顔をあげれば綱吉は自分の口を押さえて、俺を凝視していた。
眼鏡をとったから見えるはずがないのに、どうにか確認しようと必死だ。
「みえるか?舐めるぞ?」
「……アッ、だめ…だめぇ…あっあっ」
言い置いて先端を舐めた。
舐めるたびに綱吉はだめと喘ぎ、それなのに腰が揺れている。
かくっかくっと卑猥に揺らめくそれを突き上げると同時に喉奥まで招き入れた。
「ひぁぁっ、やぁあっ…ああっ」
「ん…ぐっ、ふ…」
そのまま咥えて吸い上げると綱吉は俺の肩をぎゅっと握って忙しない呼吸を繰り返したと思ったら、あっという間に白濁を放っていた。
口の中へと放たれたそれを俺は躊躇いなく飲み干すと、今度は腰をあげさせて、足をもっと開かせた。
綱吉は一回イって放心してしまったのか、身体はくにゃくにゃになってされるがままになっている。
丸見えになった秘部の指を抜き、そこにも舌を這わせる。
「なぁっ…ちょ、なにやってっ…やだ、やだっ…りぼーん、りぼーんっ」
「ちょっとだけ、舐めるだけだ」
ばたばたと暴れ出した綱吉の足を掴んで、舌を差し込んだ。
ビクッと固まってしまった綱吉にチャンスだとばかりに中まで舐める。
ローションをまとっているそこは変な味だったが、いまは綱吉を喜ばせることに夢中で気にならない。
中に唾液を流し込み、入口を舐めてやるときゅうっと締めつける。
気持ちいいのかともっと奥へ伸ばそうとしたらビクンッと身体が跳ねて、せっかく流し込んだ唾液がそこから溢れた。
「ひ、はっはっ…や、やぁ…りぼーん、ひぐっ…リボーン」
かたかたと震えだした綱吉の変化に気づいた時にはもう遅く、顔をあげればぼろぼろと涙を溢していた。
必死で手を伸ばしてくるそれを握ってやれば、苦しくなっているのだろう胸へと押し当ててくる。
「大丈夫だ、怖かったな…つな、もうしない」
「きもちい、けど…やだ…かお、みれないの…やぁ」
「わかった、今度するときは眼鏡をかけたままにしてやる」
そういう意味で言ったのではないのだろう言葉を返せば、そっと胸を撫でてやる。
指の間に突起が引っ掛かりいい具合に尖っていることが分かる。
本格的に恥ずかしがらせたり照れさせたりして楽しむにはもう少し時間がかかりそうだ。
頭を引き寄せて優しく撫で、顔中にキスをした。
あがっていた呼吸が戻ってきたのがわかれば一安心して、びしょびしょになっている股を盗み見た。
そこはもう解れていて、受け入れるだけになっている。
綱吉も完全にイききれていないところがあるから、もう少し好き勝手しても許されるだろう。
「ツナ、いれていいか?」
「…いい、よ」
問いかければ、少し考えて恥ずかしそうに頷いた。
可愛い反応にまたキスをして綱吉を抱きしめたまま抱きあげた。
自分の足を跨がせて、騎乗位の態勢だ。
「自分でいれれるか?」
「むり…できない」
「なら、支えててやる…そのまま腰をおろせ」
首を振る綱吉に妥協することなく、俺は自身を支え、もう片手で綱吉の腰を支えた。
けれど、綱吉は無理だからと首を振る。眼鏡がなくていつもより顔を近づけて首を振るので、キスもしやすい。
ちゅっと言葉を遮るように唇を塞いだ。
咥内を舐めて、誤魔化すように舌を甘噛みする。吸い上げて、秘部に宛がわれている自身を下から突き上げて触れさせるとビクッと震えた。
「んっ…ふ、りぼーん…」
「できるだろ?あとは体重かけるだけだ」
綱吉が動いてくれないとこちらも辛いんだと綱吉をまっすぐに見つめた。
視線もよく合うようになってきた。目を合わせるのも滅多になかったあの頃に比べたらとてつもない進歩だ。これ以上はもらい過ぎだというのに、許された以上に踏み込みたくなる。
「綱吉…」
「きす、してくれたらいい…よ」
「わかった、もっと近づけ」
そして、自分のしてほしいことも言うようになった。
かわいらしい要望に笑みを浮かべて近づいてきた唇に音を立てて触れさせた。
綱吉の言うキスはこの触れるだけのキスだ。
ディープなのは俺からしかしかけない。多分、俺がするから良いのだと思っているに違いない。
すると、ゆっくりと体重をかけて先端を飲み込んできた綱吉は短く息を吐き、ぎゅっと抱きついてきた。
これでは乳首にも悪戯ができない、と少し残念になるがこれはこれで嬉しいので良しとしよう。
「あっ…あ、うあっ…なか、あつい…」
「つなが締めつけるからだろ…?」
ちょうどよく締めつけながら俺のものを飲み込んでいく綱吉。
耳元で聞こえる喘ぎに痛みは混じっていなくて、最後は足から力が抜けて一気に全部を飲み込んだ。
「ふぁぁあっ、奥まで…きてる」
「ああ、きもちいいぞ…」
「やだ、うごか…ないで」
俺も詰めていた息を吐きだすと、綱吉がもじもじとしながらぼやくので小さく笑った。
「俺が動いてるんじゃないぞ。自分で動いてんだ」
「ちがっ…うごいて、なっ…あぁ、ん…やぁ」
言いながら腰は回すように動いていて、しがみついているせいで見えているのは俺だけなのが残念だ。
それでも始終気持ちよさそうな声を出しているので、俺も下から突き上げる。
ついでに、前に手を回して親指で突起を押しつぶしてぐりぐりと回してやるとますます中が絞るように蠢く。
「だめっ…やあっ、あああっ」
「駄目なら、押しつけんな」
もう何を言っても聞こえていないのだろう。
啜り泣き、腰を振って自分からぎしぎしとベッドを軋ませている。
絶頂が近くなってきているのか締めつけもさっきから吸いつくようにしていて、今日は珍しく乱れているなと満たされる。
「ツナ、すきだ…ほら、イっちまえ」
「あっ、だ…め…あっああっあーっ!!」
自身を握って数回扱いただけで綱吉は身体を震わせて白濁を放ち、中を強く締めつけた。
俺もそれに促されるようにして中へと放てばくたりと弛緩して身体を預けてくる。
「ふ…んっ、ん…」
「ツナ…」
キスがしたいと名前を呼べばふらりとこちらを向いてスリッと頬をすり寄せてくる。
甘えてくる綱吉にキスをして髪を撫でた。
「眼鏡…」
「わかった、ちょっと待て」
もういいと首を振って逃げると眼鏡を催促される。
素直な綱吉もこれで終わりかと少しばかり残念に思いながら自身を抜いてベッドの隅に避難させておいたそれを手渡す。
綱吉はふらふらと立ちあがって、風呂場に行こうとするから手を差し出すが、見事に叩かれた。
「一人でできるからいい」
「できなかったらちゃんと言うんだぞ」
仕方なく見送ってベッドに座ると、股の間から流れる白い液体につい再び熱くなりそうになって慌てて抑える。
風呂場に消える綱吉にお呼びがかかるのはもう少し先かと一つため息をついた。
「何しても好みってのは、果てがねぇな」
惚れたもん負けかと一人呟いて、風呂場で眼鏡を取る綱吉が一人でどこまでできるのか見ものだと口角を釣り上げたのだった。
END
けいさんへ
眼鏡の有る無しで性格がオンとオフに切り替わるツナ、で書かせてもらいました。
ついでに先生×フリーターのパロでもありますが、大丈夫でしたでしょうか。
でき上ってみれば見事にエロだけの小説になってしまいましたが、王道で眼鏡を取ると素直になる…とかどうですかね?
というかエロくなるって言う方面でもあるんですが…眼鏡は良いですね。そんな私はあまり眼鏡を生かせていなかったように見えますが、大変楽しく書かせてもらいました。
裏許可もうれしかったです、ありがとうございましたっ。
もうなんか、裏が裏が…ともやもやしてて裏許可してなくても裏書いてた勢いです(笑)
遅くなって申し訳ありません、裏となったら俄然気合を入れたので、気に入ってもらえたら幸いです。
この度はリクエスト有難うございましたっ。