パロ | ナノ

 言い訳の授業


「はい、これ綱吉くんの」
「あ、ありがとう」

手渡されたのはメイド服だ。
笑顔で言われても全く嬉しくない。
隣を見れば高梨は笑っているし、その瞬間俺は心の底から深い溜め息をついたのだった。



文化祭、天国と地獄が交差する行事といえよう。
そして、まさに俺は地獄側を選ばされてしまった人間だ。
渡されたメイド服は皺にならないようにと思いながらも鞄にいれて持って帰ってきてしまった。
とりあえずサイズを見て欲しいと言われその場で着るのはいやだったのだ。
土曜日、母さんは珍しく友人と出掛けて父さんは仕事。必然的に俺とリボーンだけだが、今丁度リボーンは友達に呼び出されて家を出ている。
俺はチャンスだと思った。
サイズなんて着てみなければわからない、意を決したように俺はメイド服を手にとった。

「…う、スースーする」

着てみて、トランクスをはいているがスカートの壮絶な心許なさに顔を歪める。
しかもなんか短い。嫌で俺はスカートを引っ張ってみるがワンピース仕様になっているそれはどうやっても伸びるはずもなく、とりあえずサイズの具合だけは見なければと後ろのファスナーを必死で中ほどまで上げると少し腕のところがきついぐらいで問題はないと感じた。
誰もいない家なので風呂場までその格好で降りれば全身を鏡に映して確認する。

「…我ながら、酷いな…」

男にこんなものを着せてなにが楽しいというのだろうか…。
呆れながらもスカートが異様に短い以外は問題ないなと納得した。

「ただいまー」

二の腕の辺りを何とかしてもらおうと結論付けて脱ごうとした時、玄関から声がした。
ぎくりとして風呂場のドアを閉めようとしたらもうそこにはリボーンがいて、ばっちりと見られてしまった。

「あのっ、これは…そのっ……文化祭で」
「…ほお、文化祭で使うから着てたってたのか?」
「そう…すぐ脱ぐから…お願いだから見るなよ」

にやにやと閉めようとしたドアのところに立たれて、どこかを向いていてくれと言うがリボーンは俺の方を向いたままだ。

「リボーンッ」
「それ、そのままでいいのか?」
「へ?」

いい加減聞きわけてくれと言おうとすれば、それと、指さされて自分の足を見る。
まぁ、俺も男なわけで毛が生えてしまっているのは仕方ないことだし、むしろそこまでこだわらなくても良いじゃないか。

「いいんじゃないのか?だって剃るのとか面倒だろ?」
「…なら、俺が剃ってやるよ」
「いいっ、しなくていいっ」

リボーンの言葉に嫌な予感を覚えて、慌てて近づいてくるリボーンから逃げようと後ずさるが狭い風呂場ではすぐに追い詰められてしまう。
後ろ手でドアを閉められて腕を掴まれてしまった。

「俺剃るのはうまいぞ?」
「いや、そんな技術披露してもらいたいわけじゃないし」
「一人でやるより、誰かにやってもらった方がいいと思わないか?」
「一人でやるというより、そのままでいいよっ」
「大丈夫だ、俺はツナのこと好きだから」
「いや、まったく信用できないっ」

好きだからなんだというのだっ、ここでそんなこといわれたって何の説得にもならない。
それなのにリボーンは俺を後ろ向かせるとファスナーを下ろしてすとんと落とすとトランクス一枚になった俺を浴室へと押し込まれる。
ドアを閉められて何をしているんだとガサガサと音を立てているリボーンの方をうかがってもスリガラスのそこからは何をしているかも検討がつかない。

「つーな、いいだろ?」
「ちょっ、本気っ!?」

音が鳴り止んだと思えばリボーンが入ってきてその手に握られている物を見れば、顔を引き攣らせて嫌がった。
それなのに、リボーンは俺の手を撮って宥めるように抱きしめてくるのだ。
そんなことをしても絆されるわけじゃないだろと思うのに、むかむかとした気分はだんだんと収まってきて、そんなに言うならと感じてくる。

「良いだろ?綱吉」
「…そうやって、俺が丸めこまれるとでも思ってるのかよ?」
「ちょっとした好奇心だろ?それに、学校で剃れって言われるよりまだましだと思うぞ?」
「…そうかもしれない…のか?」

そうだろ、と当然のようにリボーンは相槌をうって俺を浴槽の縁へと座らせてくる。
俺は考えながらも座ればシャワーを出してクリームを満遍なく両足に塗られて冷たさに小さく声を漏らした。

「それに、今のうちだろ?」
「まぁ、そうか」

リボーンの明らかに丸めこまれているがリボーンの笑顔が俺に安心感を与えてくる。
剃刀を当てられても、もう俺に不安感はなかった。
しょりしょりと剃られていく毛になんの感情もないがそれをかいがいしくやるリボーンをみて少なからずときめかないというわけではない。

「う…っ…」
「痛いか?」
「いや…そうじゃなくて…っ……」
「痛くないなら続けるぞ?」
「ん…」

リボーンが触れるたびくすぐったいようなむず痒い気分になるなんて言えなくて、続けると言われればそのまま頷いた。
そんなことを言えば俺は立派な変態だ。

「ふ、ぅ……あっ…」
「ん?」

俺はそれに耐えながら剃られる感覚をやり過ごそうとしていたが片足が剃られてもう片方をと足を掴まれた時くすぐったくて思わず声が出た。
それにリボーンが気づかないはずもないのだが、リボーンはそのまま剃刀を動かし続けている。
そして、あっという間に両足剃られてしまえばリボーンは俺の手を引いてきて唐突に口付けてきた。
それもすぐ離れるわけじゃなくて深く口付けられて舌を抜かれるかと思うぐらいに吸ってきて、リボーンのキスに慣れてしまった俺はそれだけで感じ始める。
ずくんと奥が痺れるのを感じてリボーンの背中に両手を伸ばした。

「んっ…んんっ…」
「ふっ…はっ…」

中々離さず咥内を満遍なく舐められて酸欠になるころにはもうリボーンが欲しくなってしまっていた。
俺からも呼吸を整えながらちゅっちゅっと唇を重ねてこのまま抱かれる予感に俺の期待は高まっていった。

「綱吉…」
「リボーン…なに?」
「母さんいつかえってくるって?」
「夕飯までには…」

ゆっくりと混濁してくる思考にリボーンのことしか考えられなくなってくるがリボーンはしっかりと覚えていたらしい。
でも、幸い今は二時を過ぎたところだ。
子供たちの遊びに水を差す大人はいない…。
そう判断すれば、リボーンはトランクスに手をかけてくる。
ゆっくりと脱がされてわずかに兆している自身に視線を感じれば思わず両手で顔を覆った。

「綱吉、それじゃキスできねぇぞ?」
「いいっ…さっきした」

きっと真っ赤になっている顔を見られたくなくてふるふると首を振ればはぁっと呆れたようなため息が聞こえて、それでも顔を見せずにいると下肢にひやっとした感触がして嫌な予感に手を離すとあろうことかあそこにっ、クリームを塗りたくっていた。

「やっ、むりっ…そこは駄目だってっ」
「大丈夫大丈夫」
「だいじょうぶじゃないぃっ」

もうリボーンは剃刀を手に持っていて俺が否定してもそこに刃を当てられてしまえば身体を揺することはおろか呼吸も躊躇われる。
よりによって淫毛をそられるなんて、そりゃ誰かと風呂に入るわけじゃないしこんなの見られるのはリボーンにだけだと思うが、いろいろ駄目だと思う。
泣きそうになりながらそこから視線を外して両手で顔を再び覆うなりその刺激に感じてしまう自分を知る。
しかも、俺の自身を掴んで避けながら剃っているためにリボーンが触れているというだけでも俺は息を切らして感じてしまって、声を漏らさないでいるのに精いっぱいだった。

「兄貴…剃られて感じるなんて…変態だな?」
「ちがっ…リボーンがするからじゃんっ…俺のせいじゃない、おれの…せいじゃないもんっ」

子供っぽいことを言っているというのはわかっていたがそうでもして主張しないとリボーンの思うがままだと思ったのだ。
そう言いながら全部剃り終えたのか下着を足から抜かれてシャワーで下半身を流された。
すっかり風通しのいい体になってしまった。
もう嫌だとリボーンの身体を押しのけようとするが、リボーンはちゅっと剃ったばかりの下腹部にキスをしてきて俺は慌てて顔から手を離すとリボーンの顔を押しのけた。

「つーなー」
「やだっていってるだろっ」
「つなよし、兄貴…」
「甘えてもだめっ」
「感じてるくせに意地張るなよ…辛いのは兄貴だぞ?」

甘えた声で手を離せと訴えてくるのと一蹴する。
だが、辛いのは俺と言われてうっと言葉に詰まる。
確かに、中途半端に感じさせられているそこは我慢が効かなくてどうしようもなくなっていることは事実だ。
それに、身体を重ねるときはいつも両親がいないときというのが暗黙の了解。
そうなると今日がそのチャンスの時で思春期の身体には我慢はキツイ。
リボーンもそう思っているはずだ。
だからこそ、両親がいないときはこうやってお互いにどこにも遊びに行かず家にいるのだから。
そこまで考えてしまうと突っ張っている腕からだんだんと力が抜けていく。

「兄貴?」
「もう、これ以上…剃らないなら…いいけど……?」
「わかった、もうやめる」

精いっぱいの譲歩にリボーンは持っていた剃刀をおいて俺の手を握りしめると指先にキスをしてくる。
くすぐったくて手を引けば俺の足を開かせて自身に手を添えて顔を近づけてくる。
抱かれるようになって何度か体験したが、これはどうにもなれそうにない。
他人の口の中に自身が含まされるなんて、擬似的なものでも体内に入れていることには変わりはなくて身も世もなく乱れてしまうのだ。

「あぁっ…やあっ、さきっぽだめっ…」
「なら、どうするのがいいんだ?」

いきなり自身の先端を舌でぐりぐりと刺激されていきなりそれは感じてしまうと首をふると口を離して剃ったばかりのそこに吸いついてキスマークを残すリボーンは意地悪にも意見を聞いてくる。
そんなのわかっているくせに、そう思いながらもそうやってきかれることにも羞恥を煽られて感じてしまっているので俺よりもリボーンは俺をわかっているんだなと思ってしまう。

「んっ…そこ、いいから…入れて、ほしいっ」
「嫌なのか?」
「や、じゃない…けど、リボーンに入れてもらってた方がきもちい…から」

言うなりリボーンは服を脱いで全裸になると脱衣場へと俺の下着と一緒に放り投げてシャワーを出す。
何をするんだと視線を抜ければ短くあっためる。とだけかえってきた。
寝ることもできない場所であるためにどうする気だろうと感じて見ていれば壁のタイルを温めるためにシャワーをかけ始める。
もしかして、立ってしなくてはいけないのかと思い当たってしまえば本気でするんだと妙に嬉しくなってシャワーをかけているリボーンの首に手を回して口付けた。
すると、リボーンもそれに応えてくれて啄みながら俺の身体は壁に寄りかからされシャワーが俺の身体を濡らす。
温めるためにかけられているのかと思っていたがそのシャワーの水流は自身にかけられてあろうことかその初めて感じる刺激に腰が揺れて揺れるタイミングで感じる場所へと当たってしまいぎゅっと腕に力を込める。

「あっあっあぁっ…だめ、かんじちゃう」
「自分からしてるんじゃねぇか」
「だって、リボーンがしてる…あっあぅっ…そこっそこっ」
「動いてんのは、つなよしだろ?」

イきそうになれば少しポイントを外されて後ろに指が入ってくる。
耐えられないと肩を掴めば二本にされて荒々しく中を掻きまわされ、最近はもう慣れてしまった感覚に中が解けていく。

「もうい、ほしいっ…リボーン、りぼーん」
「わかったから、急かすな…」

きゅうきゅうと締めつけてしまう感覚に恥ずかしくもリボーンを求めて、リボーンはくすりと笑みを浮かべながら肩に回っている腕を解くとタイルに手を付けさせられた。
腰を突きだすような格好になり、秘部にあついものが押し当てられたら我慢できずに入れられた瞬間達していて足が折れそうになるのを腰を支えられぐしゅりと突き上げられる。

「ひっあああっ…やあぁっ、はげしっ…もう、やあっ」
「やじゃねぇだろ?…こんなにぐちゃぐちゃにしておいて、よくいう」
「あん、ああっ…だって、リボーンが…はぁっ…」
「あいしてる、綱吉…」

中を思いっきり蹂躙しながら呟かれた言葉にまたそうやってはぐらかす、と内心で怒りたい気持ちになりながらもその言葉に嬉しくなってしまっているのも事実で。
タイルに必死に縋ろうとするが水で滑って上手く力がこめられずにいればリボーンの手が俺の手を握りしめてきて俺はそれをぎゅっと握り返して繋がっている感覚に酔い痴れた。

「もっとおく…して」
「してやるから、感じてろ」

リボーンの言葉にこくこくと頷きながらずくんと奥へ奥へと伸びあがってくるモノに恐くもなるが沢山感じでしまって、こんなに満たされていいのかと時々不安になる。
その不安を知ってか知らずかリボーンは俺の肩を甘噛み、身体を密着させてくる。
心臓の鼓動に安心させられてリボーンの指に顔を寄せれば甘噛みながら優しく舐める。
キスができない代わりにと思ってやったことだが中にいるリボーンが途端質量を増して驚いた。

「なっ…ど、してっ」
「は?お前が煽るからだろ、ちょっと大人しくしてろ」
「あっ、はあぁっ…やあっ、きもちいっ…いいっ…」

リボーンの感じた吐息を耳元で感じて一気に突き上げを激しくされて、堪らないと背筋を逸らして俺は最初に白濁を放ち、中を思いっきりしめつけたら、リボーンも中に思いっきり放っていつもはゴム越しなのに直に感じてしまいそのとき初めて繋がっている感覚を知らされることになった。

「あっ…なかが…」
「すまん、風呂場だからつけるの面倒になった」
「ん…別にいいけど…でてきそう」
「出せばいいだろ?流してやるぞ?」
「恥ずかしいんだってばっ」

なんでこうもリボーンはいろんなことに嫌悪がないのだろう、ある意味どんな人たちと付き合ってきたのかと疑いたくなってしまう。
そんなことを考えている間に自身を抜かれて中から溢れてくる感覚に背筋を震わせていればシャワーを秘部にあてられてひっっと息を飲むが入口を指で開かれて洗われる。

「ぅううっ…ふぅっ…」
「嫌だったか?」
「ん、なかにだされるのは…やじゃない…けど、それは…やだ」
「わがまま…」

わがままなんて言いながらリボーンの声は優しくて中を綺麗にし終わるとようやく解放されて俺はその場にへたり込んでしまった。
今日のは強烈すぎたと感じながら呼吸を整える。
リボーンは浴室からでるなりタオルをもって戻ってくれば優しく身体を拭われる。

「そういえば、兄貴の服はあのメイド服だけか?」
「………あ…」
「ちょうどいいだろ?下着つけなくてもわからないんだから」
「なにいってんのっ!?おまえ、ホント変態っ」

リボーンの耳を疑いたくなるような言葉に俺はもう脱力しつつ精いっぱいの言葉で返したが、特に気にした風でもなく俺は抱えられてメイド服を着せられてしまった。
この展開は誰も求めていないと感じつつリボーンは自分の服を元のように切れば俺を抱えて二階の部屋へと向かった。

「お姫様だっこみたいだな」
「なにも嬉しくない」

嬉しいのはお前だけだとリボーンを見るとやっぱりうれしそうで、恥ずかしくて目を逸らす。
スカートが短いせいで下着を着けていないそこが丸見えで本当にもう嫌だと感じたのだった。
部屋に戻ってから俺の必死の抵抗でそれ以上することはなく、後日行われた文化祭も散々笑われて幕を閉じた。
今年の文化祭は本当に地獄だったと感じながら終わった安堵で安心したため息をつきつつメイド服を貸してくれて女子に洗って返したのだった。



END





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