◎ 欲しい気持ちを曝け出して
ターンとピアノの音が鳴る。
ここから頭に描いた音を繋げていく。
一つ一つ増えて行く音に、合わさるリボーンの声を思い描く。
これはリボーンの曲だ。
最近はこればかりだなと自分に苦笑が漏れる。
いつの間にかリボーンのことばかりで、呆れてしまう。
けれど、それと同時にリボーンの電話の回数は減っていた。
なんだか忙しいらしく連絡がぱったりと止まっているのだ。
「最近じゃ生放送も来てくれてないみたいだし…」
いつもはコメントしてくれるのにそれもなく、ブログやそれ関連のものを見ても碌に更新されず止まっている。
ネットでの交流しかないからそうなってしまうと何もできない。
ケータイの電話番号やアドレスも教えてもらっているが、忙しいのかと思うと余程急なものでない限り連絡を取るのは躊躇われる。
「嫌われた…とか?作業遅いとか…?」
とうとうリボーンは俺に絶望したのかと思えば、何も嬉しくなんかなくて自分の悪いところを探してしまう。
そんなの考えれば考えるほど出てきて、どうしようもない。
こんな悪い考えは、早く払拭しようと取り出したのは酎ハイだ。
少し酔った方がいい、最近根を詰め過ぎていた気もするし。
それだから嫌な考えが出てくるのだ。
プッシュっと開けて一口飲む。
少しのアルコールでも酔えるこの身体は嫌じゃない。
ザルの人とかこのふわふわとして何も考えられなくなる感覚は分からないだろう。
時間を見ればもう深夜で日を越えていた。
「今生放送やっても誰も来ないんだろうなぁ」
だからこそ色々愚痴れるかもしれない。
俺はコミュニティー限定にして生放送の画面を開いた。
「こんばんはぁ…酔ってるよ?」
わこつ、と返事が返ってくるのを見ればこんな時間でも起きてる人いるんだなぁと感心してしまう。
来場者数を確認すれば十人後半だ、いつもなら四十人程度だがこの時間なら仕方ないだろう。
というか人は少ない方がいい。
「もおさぁ、リボーンが何にも反応来ないんだけど…知ってる人いる?」
ちょっと他の人に意見を聞きたくて言ってみたが、知らないと言う人が大半だった。
まぁ、そうだよね。
俺が知らないんだから知ってるわけないか…。
って、なんで俺の方がくわしいとかおもうんだろう…まぁ、リボーンは何かあれば一番に言ってきてくれたからだと思うけど…。
「リボーンがいないんだけど、リボーンはどこいっちゃったのかなぁ?女でも作ったのか?俺のこと嫌になっちゃったのかな?」
大丈夫だ、問題ない。忙しいって言ってたし学校じゃないか?など俺を励ましてくれる言葉ばかりだ。
嬉しいけれど、そんなの少し時間取れなかったらちゃんと言ってくれるのになにもないことが疑問で仕方ない。
「せっかくさ、好きになりかけてたのにさ…リボーンのばかぁ…俺のこと好きって言ったのにっ」
泣きそうになって言えばおいwとかガチすぎるとか言われてちょっといいすぎたかなぁと思うが判断力がにぶっているせいでそれも気にならない。
そしたら、いきなりリボーンのスカイプが接続された。
「うそっ、リボーンいたっ!?」
スカイプ立ちあがった、リボーンさん寝てなかったwwとリボーンのスカイプIDを知っているらしいリスナーからコメントが流れ、俺の酔いは一気に冷めた。
いま、なんて言ったっ!?
俺、なんかすごいこと言った気がする。
えっ、何これ…はぁっ!?
なんでいるの、なんでこのタイミングででてくんのっ!?
俺特定されてる!?
当たり前のことなのに頭が混乱しまくっていてどうするべきなんだろうと思ったらいきなりスカイプを通じて着信がかかってくる。
「え、これどうするべき…あ、ごめん…とりあえず、こっちきる。ばいばい、おやすみ」
生放送の枠を切らなければとおやすみwwと流れるコメントにあとでタイムシフト消して置かなきゃなぁと恥ずかしくなりながらしっかり切ったのを確認すれば通話ボタンを押した。
「もし、もし…?」
『とんでもない告白だったなぁ?』
「ひっ…な、なんだよ…何も連絡してこなかったのお前だろ」
『別にテストでパソコンつける暇もなかったんだ。今日はたまたま徹夜してて、お前の枠始まったからいってみたら…』
「もうっ、なにもいうなっ…お願いだから、アレはなかったことに…」
『なるか、前言撤回はなしだ』
開口一番に笑われて泣きそうになるが、言い返せば大学生にありがちなことを言われてつい納得してしまう。
それににやにやと笑っていそうな声で言われてしまえば慌てて言い返す。
それなのにリボーンは少し嬉しそうな、でも疲れている声で言うのだ。
今の言葉をなしにして、どうしようと言うわけなのか。
「嬉しいの、かよ?」
『ああ、嬉しいぞ。やっとこっちをみてくれたんだからな』
それに、会いに行くって言っただろ?と囁かれ耳から浸透してくるようだ。
耳を塞いだらますます音が大きくなって今自分はヘッドフォンしてるんだったと気づいた。
もう、ヤダ…リボーンの声えろい…。
「テストのくせに?」
『明日で終わりだ。今週末はどうだ?』
「……いいよ…」
なら決まりだな、といわれてつい頬が熱くなった。
なんでこんな展開早いんだよ…。
なんか頭が追いつかない…多分、これは酔っているせいだ。
絶対そう…。
『じゃあ、今日はもう遅いから寝ろよ』
「リボーンもね」
『ああ、おやすみ』
おやすみと返して通話を切る。
なんかふわふわする…変だ。
嘘じゃないんだろうか…。
事実を信じられずその日は寝てしまった。
そして、後日タイムシフトを確認してみれば…完璧に告白している自分がいて速攻で消した。
こんなものを流されては困る。
だってリボーンだ…ファンからすればこんなの認められないと言われてしまいそうだ。
いや、実際そうなんだろうとは思うけれど…。
「ホントに、俺なんかのどこがいいんだろ…」
俺は待ち合わせしている地元の駅でリボーンを待っていた。
会うって俺の家なんて…いきなりハードルが上がった気がするのは気のせいだろうか…。
「普通にどこか行こうとか言うかと思ったのに…」
「返事貰ってどこかに出かけるわけねぇだろ」
「そうだよね……って、なっ!?」
「気づけよ」
「いきなり現れるなよっ」
後ろからの声に頷いて、はっと気づけばリボーンがいた。
なんでこいつは突然現れるんだ。
それと同時に久々の整った顔につい頬が熱くなる。
だってこの前とは気持ちが違うのだ。
緊張しても変じゃないだろ…。
「で、どこか寄りたいところあるか?」
「え?いや、ないけど…」
「なら行くぞ、ツナの家どこだ?」
「ちょっと歩くけど…いい?」
「ああ…」
リボーンと歩きながら行きなり家に行くかと思ったのにと考えていた。
まぁ、心の準備は必要だけどさ…なんか、それしたらすごく逃げたくなると思うんだ。
何事も根性がないと言われるような自分だから…つい。
普通にしているつもりだが、リボーンはやはり人目を引くらしく、すれ違う人たちが振り向いていく。
こんなに視線に充てられるのは初めてなのでちょっと恥ずかしい。
「手ぇ、繋ぐか?」
「なわけないだろっ」
俺が気にしているのがわかったのだろう、茶化すようにして声をかけられ、伸びてきた手をぱしっと叩くと笑われた。
ホントに意地が悪い。
「そう言えば、テストどうだった?」
「は?俺ができないわけないだろ?」
「…そうですよねー」
「まぁ、叩きこんだけどな。これからは当分また歌えるから、作った分よこせ」
「はいはい」
歩きながらの会話はいつものようで少し安心した。
根本は何も変わらないと言ってくれているようだ。
そうして、俺の住んでるマンションまでくれば部屋に案内した。
ドアを開けるとリボーンは何かを探すように部屋の中を見回している。
「どうかした?」
「ツナが曲作ってるの見せてくれよ」
「ああ、じゃあパソコンつけないと」
自分がやっているのは完全にデジタル音源なので楽器などはない。
譜面にすると多分弾くことのできない音がちらほらとあったりするのだ。
俺は中に入りパソコンをつけるとリボーンは後からはいってきた。
「もっと散らかってると思った」
「人が来るのにかたづけないわけないだろ」
「そうか、片づけたんだな」
「うっ…そういうの、よくない」
パソコンを弄っている間に言われた言葉に口を滑らせてしまえば、つい手が止まる。
そうすれば、後ろから何がだと問いかけられる。
「そうやってからかうのがだよっ」
「結構みんなにからかわれてるから、好きなのかと思ったぞ?」
勢いよく振り向けばリボーンの顔が近くにあって、うっとたじろぐのに後頭部を引き寄せられて唇が重なった。
すぐに離れたが、柔らかいそれに嫌悪感なんてものを覚える間もなくリボーンに見惚れた。
「な…」
「嫌か?」
「…や、じゃないけど…予告しろよ」
「予告したら、緊張してどうにもならないだろ?」
リボーンの正当な言い分につい口を閉ざしてしまう。
確かに、予告されていたら多分すごく緊張しただろう。
そうして、そっちばかりなのかと思えば早く見せてと急かすのだ。
もう、どっちなんだと思いながら今作っている曲を聞かせてやればすごいなと感心したように画面に見入っている。
「リボーンも作ってみたら?」
「俺ができるわけねぇだろ?…それに、ツナが作ったものしか歌わねぇ」
「なんだよ、それ」
冗談で言ったつもりだが、本気で言われてつい笑ってしまうと頬を摘ままれた。
痛くはないがなんだかまぬけな顔になっているのはわかった。
「やめろって…」
「俺は、お前の全部に惚れてんだ…何度言わせればわかる」
「わ、わかったから…」
頷けば手を離されて、逆に次は撫でられる。
なんなんだこのスキンシップに様ななんかよくわからない行動は。
つい面白くなって噴き出せば、笑うなとたしなめられる。
「他の曲も聞かせろよ」
「良いけど、なんか飲む?勝手にファイルいじってていいよ?」
「ならそうする。気を使わなくていいぞ、ツナの部屋がどんな風になってるのか気になってただけだから」
「じゃあ、今度は俺リボーンの部屋もみてみたいなぁ…マイクとか設備見たい」
「そんな派手なのじゃねぇぞ」
「見せるぐらい、いいだろ?」
リボーンを椅子に座らせて、好きにいじらせながら俺は適当にイチゴオレをコップに注ぎ戻った。
いろいろ開いて試しているようだ。
どうせ最近作ったものはリボーン専用のものがほとんどなのでここでデータを持っていても構わないのだが…。
「リボーン、データ持ってく?」
「忘れそうだから、いつもみたいに送ってくれればいい」
「そ?気に入ったのあった?」
「全部…」
「…あ、ありがと」
「最近はやさしい曲が多いんだな」
思いついたように言われて、ああと納得する。
多分リボーンが好きなのかもしれないと自覚しはじめたからだろう…。
なんだか恥ずかしくなってマウスをとり上げるとそれを切った。
「もう良いだろ。あとでじっくり聞けよ」
「そうだな、惚気みたいな曲に歌詞をつけるのも楽しそうだ」
わかってたのかよっ。
リボーンが振り向いて手を伸ばしてくるのに俺は少し身をかがめて唇を触れ合わせた。
なんとも不思議な感覚に、羞恥を覚えるのだ。
コップを溢さないようにと机に置いた。
「あのさ、怖いってゆったら…信じてくれる?」
「信じるが、止まらねぇからな」
「それ、ひどい」
キスに酔っている間にベッドの近くまで来ていて、大体パソコンがある部屋が寝る場所なのが悪いのかもしれない…。
そうしないと、作業中に眠くなってそのまま寝てしまうことが多かったからこうなっているのでどうしようもないのだが…。
服を脱がされて、ぺたんこな胸を見られて申し訳ないなぁと思いながらリボーンを見つめる。
これから何をされるかとかは、まぁネットのある世界にいつもひたっているようなものなので大体の想像はつく。
でも、やっぱりアレをアレするのだから怖くないわけないだろ。
「できるだけ、気持ち良くする」
「男抱いたことあるの…?」
「…あるわけないだろ。だから、できるだけっていってんだろうが」
緊張してるんだから煽るようなことを言うなと言われて、そんなこと言ってないと苦笑する。
お互い変に緊張しているのはわかった…というか、会って二度目でここまでくることに驚いていた。
それでも、止まれないのはわかっているから俺はリボーンのものに手を伸ばす。
触れればそこは熱くなっていて、少し芯を持ち始めていた。
「おい…」
「リボーンだけ…触るのズルい」
「ずるいとかじゃ、ないだろうが」
「俺だって、男だよ」
咎める声に焦りが見えれば少し強い口調で言った。
俺も男で、リボーンも男だ、どちらが優位とか関係なんかない。
どちらを感じさせようとかじゃなくて…二人で気持ちいいことをしよう。
そう言いたくて見つめれば優しいキスが顔中に降ってくる。
「しらねぇぞ」
「うん、俺何も分からないから…なんでもいいよ」
多分リボーンがしてくれるのならなんでも気持ち良くなれるんだと言えば、そんなに期待をよせるなと言われた。
まぁ、そうかもしれない。
お互いに初めてなら、尚更。
「んんっ…そこ…へん…だから、」
「やめねぇぞ」
乳首を摘ままれて感じたことのないものに変な感覚だとリボーンの手を止めようとしたらお前はそっちを弄ってるじゃないかと言われた。
確かに俺はリボーンのものを扱いているけれど、扱く度に感じて震えているのがわかるとつい楽しくなるのだ。
「こっちだって、お前のそれで我慢して大変なんだからな」
「大変そうに、みえないっ…ひっ…んんっ」
「見えてなくても、そうなんだ」
「あっ…うぅっ…はっ…」
もう、そこは嫌だと身をよじれば今度こそ自身を握られた。
そこはもう先走りをあふれさせるぐらいに感じていて恥ずかしいとリボーンの肩に顔を埋めると耳たぶを食んでくる。
びくっと感じればますますしつこくしてくる。
ピチャピチャと水音が流れ込んできて耐えられない。
「ひああっ…だめっ…みみ、やぁっ」
「弱いんだな…」
「んく…あぁっ…やめてっ…」
逃げるように顔を離せば扱く手が激しくなってそっちの刺激にも声を上げる羽目手になった。
ひぃひぃと泣きをいれてやだやだと首を振ればそっと俺の先走りで濡れた指が秘部に触れた。
「ん、いれるの?」
「嫌なら止める」
「なんでそこで、引くかなぁ?」
不安げな気持ちが伝わってしまったのだろう。
指から力が抜けるのを知れば、自分の快楽で止まっていた手を再開させ激しく扱いてやる。
もう、後戻りできない位感じればいい。
そんで、無理矢理でもいいから…リボーンのものにさせてよ。
今度は俺からキスをして、唇を甘噛みした。
「ちょうだい…きていいから」
「優しすぎるんだ、お前は」
「つけ込んでよ」
リボーンにつけ込まれるなら…本望だ。
笑みを返せば指が埋められた。
少し慣れなくて眉根を寄せるがリボーンは耳たぶを甘噛んでくる。
「んぁぁっ、そこ…やめっ…あはぁっ…ふあんっ」
「こっちのが、感度いいのはなんでだ」
クスクスと笑われてからかわれているのに、上手く返事ができない。
中の指を動かされて変な感覚に訳が分からなくなり、耳たぶにふるふると身体を震わせる。
いつの間にか耳から口が離れても感じ始めている自分を知る。
少し萎えかけた自身は今では蜜を溢れさせて揺れている。
増やされる指はもう、気持ちいいことした俺に与えてこない。
「あっあっ…あつい、もっ…と…」
「もっと…どうしてほしいんだ?」
「奥が…いい…んぁっ…はぁぁっ」
指じゃ限界だと言われた。
何でもいいと返したら、指を抜かれて熱いものが押し当てられる。
リボーンのものだと気づけば目を閉じてくるだろう刺激に身構えればすぐには入ってくることはせずに耳をしゃぶられた。
「ひあぁっ…また、そこばっかり…ああっぁっ!?」
「そんなに緊張してたら、痛いだろうが…」
耳に気を取られている間に先端を潜り込まされてちゅっ、ぴちゃっと卑猥な音に喘ぎながら中にどんどん侵入してくる。
ゆっくりと小刻みに動かれて中を開かれる感覚に自分から腰が揺れる。
恥ずかしいと顔を隠そうとすれば腕を掴まれてベッドに抑えつけられた。
「やぁっ…みないでっ、はずか、し…」
「感じてる顔なら…みるだろ…もっと、いくぞ」
もっとって、まだあるのかと驚きながらもいきなり抽挿が激しくなる。
中を熱いもので擦られて堪らなかった。
口を閉じることもできずに唾液があふれればそれを優しく舐めとられて深く口付けられて中を締めつける。
「んんぅ…ふぅっ…ふあぁっ…だめぇっ…も、イくっ…でるぅっ」
「がまんしなくていい、ツナ…イけよ…」
優しく囁かれてリボーンの背中に爪を立てながら足の指先がぎゅっと丸まって、白濁を放った。
「あっあっ…あぁっ…はっ…あっ…」
「なかに、だすぞ」
「ん……ぬれる…ぅ…」
後からリボーンが追うように中で射精して濡れる感覚に吐息を漏らせば気が遠くなるほどの充足感に目を閉じる。
中に満たされる変な感じを覚えつつリボーンが抜けて行けば身体を弛緩させてベッドに身体を預けた。
「セックスって…こんなに疲れるもんだったんだ…」
「……そうだな」
実感交じりに呟けばくすくすと笑われた。
何を笑うんだとリボーンを見れば机に置いたままだったイチゴオレを飲まれてしまっているところだった。
「俺のイチゴオレッ」
「すこしわけてやる」
「んっ…はっ…それ、口移ししたかっただけだろ」
口に流し込まれて飲み下せばそんな生温かいのじゃなく普通に飲みたいとコップととり上げた。
まったく、飲まないって言ったくせに…。
欲しいと言えば二人分用意したのだ。
「で、なんで笑うんだよ」
「セックスでの疲労度なんて、人によりけりだろ?」
「…だから?」
「これ以上は、言わない」
「はぁっ!?」
なんでそこで全部言わないのだとむっと唇を尖らせてもキスが降ってくるだけで何も言わなかった。
もう、なんなんだって…。
そのあと疲れていると言うのに、いきなり生放送がしたいのだと言いだして結局付き合ってリスナーに何でツナの声が掠れてるんだ、リボーンが無理させたんだろ、ときわどい突っ込みをかわしながら俺は苦笑を浮かべるしかない。
なんで、知られているんだろう…まるでみられているようだ。
俺は内心冷や汗まみれにもかかわらずリボーンは相変わらず余裕の声で皆を翻弄するのだ。
こんなのがこれからも続くのだと思うと少し楽しみで、流れるコメントに話しをするリボーンの腕を引くと、ちゅっとキスをした。
「今キスされた」
「おいっ」
当然、嘘乙などと書かれているがそこが生放送の楽しい醍醐味でもあるのだ。
リボーンが少し照れているのも、俺にはちゃんと分かっていた…。
END