パロ | ナノ

 気付く?気付かない?

病院に通って三カ月が経とうとしていた。
俺とリボーンが出逢って四カ月。
相変わらずリボーンは忙しそうにしていて、刑事に休みはないのかと錯覚してしまいそうになるほど…。
病院ではいろんな男に抱かれてきた事実もわかられてしまったため医者に勧められるまま他の病気まで調べてみた。
結果は至って健康ということで、俺の病気といえばEDのみということになった。
薬もいらない。ただ、規則正しい生活を心がけてくださいね、と言われて、その通りにしているが俺のこれは一向に良くなることはなかった。

「リボーン、よろしくお願いします」
「あのな、そうやって気合い入れるもんでもないだろ」

ベッドの上、相変わらず俺とリボーンは同じベッドだ。
最初俺は本当にすぐに出ていくつもりでいたが、二日ぐらいで居座ろうと感じていた。
それはリボーンが俺に優しすぎるからだ。
つい、甘えたくなる…甘やかされるから、俺はずるずると居座るのだと言いたいけれど叩きだされるのだけは嫌なので言わない。
そして、定期的に俺はリボーンに身体を触ってもらうようにしている。
治ったのか見てほしいと理由をつけてだ。
先生からは好きな人に触ってもらうのもいいかもしれないよ、と言われたから。
告白する気にはなれなくて、好きだと言ってはないけれどなんだかんだ言いつつ付き合ってくれている。
押し倒されてやんわりと自身を握られる。
少し鈍い感覚に、触られていると思うのに反応が今一わからない。

「ん…」
「勃たねぇな」
「もっと、してみて」
「あんまり無理も駄目なんだろ?」
「だけど…」

俺が言うから仕方ないなとため息をついて、リボーンはローションを取り出した。
いつ買ってきたのだと聞いたら、いつでもいいだろとそっけない答えが返ってきた。
もしかして、俺が痛くないようにするため…とか、自惚れてもいいのだろうか。
俺の身体にローションをかけると滑りが良くなった、けれど俺のは一向に反応する気配がない。
こんなにも、抱かれたいと思ってるのに…。
どうして、言うこと聞いてくれないのかな…。

「そんな泣きそうな奴を抱いても楽しくねぇぞ?」
「りぼーん…」
「だから、無理はすんなって言っただろ」
「痛いわけじゃないんだ」
「そんなのわかってる」

そっと離されてしまえば、涙は堪えることができず溢れた。
リボーンはそれに笑って指先で涙を拭ってくれる。

「お前、ホント泣き虫だな」
「…前は、泣けなかったんだよ?」
「嘘つけ、こんなだばだば泣いてる奴が良く言う」

リボーンには泣き顔しか見せたことがないんじゃないかと思うぐらい、俺はリボーンの前で泣いてたなと思い出す。
なんだろう、前はどんなに酷いことをされたとしても涙一滴出ることがなかったのに。

「ほら、今日はもうしまいにしろ。風邪ひくぞ」
「…ほんとうだよ」
「なんだ?なんか言ったか?」
「ううん、なんでも…これで終わりにするの?」
「は?これ以上何するっていうんだよ」

そっと呟いた一言は他を向いていたリボーンには届かず、そっと胸にしまった。
でも、これで終わりなんて少し寂しい。
俺はしたいのは本当だし、触ってもらえているのに反応しないだけでこっちは心臓バクバクなのだ。

「フェラ」
「お前…」
「いいじゃん、舐めたら俺も感じるし…」

俺一人気持ち良くなるのは、つまらない。
だから、フェラしながら…と目で訴えれば、ったくと言い捨てるような声が聞こえたがどうすればいいんだと聞いてくる。

「うーんとね、寄りかかって楽にしてて」
「俺は何もできないじゃねぇか」
「いいよ、俺の口に出してくれたらそれでいいから」

壁に上体を預けるようにさせた後俺はそっと股の間に顔を埋めた。
まだ反応を示さないそれを少し扱いて、勃たさせる。
俺とは違って、俺の手でも気持ち良ければ反応を返すそれ…俺もこうなればいいのに、なんて考えつつも余計なことは考えるなと一つ深呼吸をしてそっと口をつけた。
先端に口付け、その刺激で少し大きくなった。
ぺろりと舐めて亀頭を円を描くようにすると先走りが溢れる。
気持ちよさそうだと嬉しくなってますます大胆になる。
一気に口に咥えて、リボーンの大きいそれはやっぱり口に入りきらなかった。
俺はその間にも自身を弄る。
これが、俺の中に入ってきたらきっと気持ちいい。
こんな大きなので、感じるところ擦ってほしい。
思うまま自身を扱いていると後ろが反応する。
こっちでだすだけでは、足りない…けど、リボーンはまだしてくれる気にはならないのだろう。

「綱吉、腰揺れてるぞ」
「ん…いわないで、しかたないだろ…反応するんだから」

リボーンの指摘する声に俺は顔をあげれば、欲望を宿した視線にかちあった。
男なんか興味ないって言ってたのに、なんて顔するんだよ。
俺ははっとして視線を逸らすとまた自身を咥えた。
身体が欲しがる、今口に咥えているそれが欲しいのだと…。

「んんっ…ちょ、なに」
「お前少し黙ってろ」
「はっ!?…んんっ、ふぅ」

するといきなり俺の後ろに感じた感触俺は顔を上げようとした途端頭を押さえられてまた咥えさせられた。
そして、そこに一本入りこんできたのはリボーンの指だ。
こんな無理な体勢でなにをやっているのだと思うのに、少ししか入らないそれをもっとほしいと思ってしまう。

「綱吉、欲しいなら身体横にしろ」

この体勢では無理だと思ったのだろうリボーンが指示してきて俺はその通りに身体を横にした。
リボーンの太ももに膝枕するような形だ。
そうして、俺の中に指がさっきより深く入ってきた。
ローションを纏ったそれは、久しぶりだからかキツく締めつけてしまう。
けれど、中で動かれるたび擦れるのが気持ちいい。

「ふっぅ…ん、やめ…」
「止めていいのか?」

意地悪な声が聞こえて、本当に止められたら困るのでそれ以上は何も言わないことにした。
自分で自慰して、中に指入れられて口にも入れられて…なんだろうこれ。
身体はこんなにも喜んでいるのに…。
泣きそうになって、今度はこらえた。
咥えていて泣くなら止めると言われそうだし、こんな状態で放置されたらそれこそ多泣きしそうだ。

「ぁっ…ふぅっ、んん」
「いけるなら、いけよ」

いうなりリボーンは腰を動かし始め中の指もかき回した。
俺も強く吸って、自慰をする手を速める。
こんな疑似セックスなんかで満足できるわけでもないのに、結局俺は自分の手に白濁を吐きだしリボーンのものが口の中に飛び出してきた。
綺麗に飲み下して口を離せば、なに飲んでんだよと呆れた顔がそこにあった。

「誰かれ構わず飲んでんのか?」
「…ちがうよ、人は選んでる」

にっこりと笑って身体をあげればティッシュで自分の手をふく。
本当は強要されれば飲むが、自分から飲んだのなんてリボーンが初めてだ。
それは言うことができずそっと誤魔化した。

「ならいいが、あんまりすんなよ」
「今は、リボーンだけだって」
「今は、な」

くしゃりと頭を撫でられて、なんでか今の言葉にひっかかりを覚えた。
俺は今言葉を間違ってしまったんだろうか。
それは、もしかして出ていくなって…いってる?
そこまでずうずうしく聞けず早く風呂に入ってこいと言われるまま再びシャワーを浴びに行った。
戻ってくれば入れ替わりにリボーンが入って、先に寝てろと言われたとおりベッドに横になった。
壁の方を向いていればそっと入りこんでくるもう一つの身体。
俺が起きているのがばれないかと少し心配するも、気付いていないようだ。
静かな時間、俺はリボーンの心臓の振動と呼吸音を聞きながら眠りにつく。




次の日、朝食のために起きて支度を始める綱吉の気配を感じて俺は目覚める。
俺が朝食を抜くことを何度も繰り返したらいつの間にか自分の出勤時間ではないのに起きるようになった。

「綱吉、俺が帰ってこない時もあるだろうが気にせずいつもの時間には寝ろよ」
「うん…忙しくなるの?」
「ああ、ちょっとな。少しヤバそうな山があるからヘルプで入れって言われたんだ」

チンピラが絡んでいる暴力事件が芋づる式に大きくなった。
多分、これから色々手続きを踏んでやることやって、となると帰れない日が続くだろう。
俺はそれを予感して綱吉に言っておく。
通院もしているらしくて綱吉の顔色は段々とよくなっていた。
食生活を正せ、とはよく言ったもので不健康なことばかりしていた綱吉は本当に最近はつやつやして見える。
このまま続けていけば身体もすぐに治るころだろう。
昨日のあれはイレギュラーだ。
俺のを咥えながら自分でして、奥にほしいとばかりに腰が揺れるのを見てしまったら我慢が効かなくなった。
綱吉も俺のことを本当に好きなどとは思っていないだろうに。
なんだかんだと一緒に暮らし始めて結構経つ、少しずつだが貯金をしている綱吉。
けれど、どうしてだろうか…期間限定なんてと思う自分がいて、気でも触れたのかと思ってしまう。
そんなことはないはずだ…好き、なんてことは。

「じゃぁ、いってくる」
「いってらっしゃい」

笑顔で玄関まで見送ることを許したのはいつだったか。
新婚みたいだから止めろと言っても聞かないせいだ、それに突き放すようなことを言えば途端に泣きそうになるからってのもあるかもしれない。
本当に質の悪い男を拾ってしまったなと感じながら、この生活に慣れてきている自分がいる。
そんな浮ついたことを考えていたからだろうか。
署に行くと、張っていたやつが逃げたとの報告。
俺ともう一人を連れて現場へと向かうそんな中、怪しい男を見つけ追いかけたら振り返りざまにかざされた拳銃。
とり上げる間もなく、引き金が引かれた。
スローモーションのように動いているのに、俺は動けずそれが自分の腹にはいるのをしっかりと確認した。

「リボーン!!」

叫ぶ声が聞こえる。
俺はその場に立っていることができず座り込んだ。
押さえた腹からは指の間を伝って血が溢れた。
ダメだと思うのに、そこに立つことはできず俺は犯人を追えと指示して意識を手放したのだった…。







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