パロ | ナノ

 白と黒

それはホワイトデーが近づいてきた休日の出来事。
バレンタインに俺とリボーンはチョコを貰った、リボーンはそんなもの相手に気を持たせるだけだからやらなくて良いと言ったのだが、俺は無理やりリボーンを引っ張ってデパートへとやってきていた。

「なにがいいかな、女の子ってどういうものを好むんだろう…」
「しらねぇ、興味ないからな」

俺たちはホワイトデーのための特設コーナーへとやってくればいろんなものが並ぶ中どれがいいのかと迷った。
いや、リボーンは迷う前にそんなことに興味すら示していないが…。
協力的になれというのは少し違う気がする。
大体、女の子にあげるものを選ぶという時点でリボーンの機嫌が悪いのだ。
ここは見ていてもらえるだけでも進歩だと思わなくては。
本当なら嫉妬して怒ってしまうのが普通なのに、あの俺が手首を切った事件からリボーンは少しずつ我慢してくれるようになった。
けれど、我慢しすぎはよくないので定期的に話して欲しいと思うのは欲張りだろうか。
むしろ、俺にわかりやすく態度に示してくれたらいいのになと思う。
リボーンは、ポーカーフェイスが得意だ。
得意と言うか、それが癖になっているようにも見える。
リボーンの家庭環境が特殊だからだろうか。

「興味なくても、選ぶぐらいはしてよ」

俺が全部選ぶのでもそれはそれでなんだか夫のお返しを選ぶ妻の気持ちだなぁと勝手に想像して笑みを浮かべた。

「なら、お前の好きなものでいいんじゃないか?」
「よし、定番のクッキーでいいか」
「おい、なんで話を逸らした」
「だって…好きなものなんて一つしかないじゃないか」

リボーンの言葉に少し傷つく。
そんな好きなものなんて、俺の中では一つしかない。
けれど、リボーンはわからないとばかりに首を傾げている。
多分、リボーンに同じ質問をしてやればわかるだろう。

「リボーンの好きなものは?」
「そりゃ、決まってんだろ……あ」
「でしょ、あげれるの?リボーンはそれあげれるの?」

俺は少し怒った口調になりつつも問い詰める。
いま想像したものをリボーンはあげれるというのかといってやればチッと舌打ちしてクッキーの箱を人数分籠へと入れていく。
俺も同じようにしてレジへと運んだ。

「あげれるわけ、ねぇだろ」
「だよね」

リボーンは先に済ませて、トイレに行ってくると行ってしまった。
俺はチョコを貰った量が多いから仕方ない。
全部通し終えるのを待っていたが、俺の目にふっとはいってきたものに手を伸ばしていた。

「これも、お願いします」
「かしこまりました」

お返しを買い終わると一息ついて、そのうちリボーンが戻ってきた。

「終わったか?」
「うん、帰ろうか」

二人で買い物を終えれば家路につく。




部屋に帰ってくると、休日をこんなことで終わりにしてしまうのは勿体なく、荷物を下ろすとこれはある日のためにしっかりしまって置くことにした。

「リボーン、今週はここにいてもいい?」
「ああ、いろ。どうせもう日曜日も終わるしな」

リボーンの部屋で俺は半同棲状態にあった。
結局、あの監禁以来お互い離れるのに離れられず、土曜日は俺の部屋で荷造りとリサイクル屋へと家具を売りに行ったりし、日曜日はリボーンの部屋でまったりと…という生活が普通になってきている。
といいつつも、もう少しで荷造りが終わるから本格的に俺がここにくるのも遠くはない未来だ。
俺の部屋になる予定のドアを開けば起きたままになっているベッド。
リボーンの手をきゅっと引けば二人でベッドに乗る。

「ねぇ、リボーンの好きなもの…なぁに?」
「そんなの綱吉に決まってるだろ」
「うん…俺もだよ」

だからこそ、誰にもあげれないだろうと思った。
リボーンが俺を押し倒してきて、俺の視界に天井とリボーンの顔が映る。
慣れた仕草でリボーンの首に腕を回すと引き寄せられるように口付けた、

「んっ…りぼーん、もっとちょうだい」
「好きなだけすればいいだろ?」

甘い眼差しに見つめられて俺は少しの羞恥を覚えながらも口付けて、唇を舐める。
もっと甘いものが欲しいと甘噛みすると薄く唇が開いて俺は中に舌をいれてリボーンの舌を味わうように絡めた。
ちゅっと吸って、深く重ね合わせる。

「んあっ、リボーン…そこ、まだしちゃ…」
「待ちきれないだろ?」

膝でぐりぐりと股間を刺激されていやいやと首を振る。
昨日もしたとはいえ、早急すぎるとあまい愛撫を強請った。
リボーンにしてもらうのなら何でもいいとおもうが、ヤるだけで終われるほど簡単なやつじゃない。

「なら、これならいいだろ」
「う?…なにすんの?」

いきなり身体を引き起こされて俺は座った体勢になってリボーンが後ろから抱きしめてくる。
そうして、俺の兆しているものを指でズボンの上からなぞるといきなりそこに手をいれて扱いてきた。

「あっああっ…やだ、それ…よごれちゃ…」
「ここでイったら漏らしたみたいになるだろうな?見せてくれるか?」

耳に吹き込まれる悪魔のささやき、それでなくても俺は感じてしまい自制できるわけもなかった。
下着のなかから濡れた音が聞こえる。
ぐちゅっぐちゅっと聞こえて耳を塞ぎたいと思うのにリボーンの腕に邪魔されてそれもできない。

「あぁっ、だめぇ…あっ、イくイっちゃうっ…ぁぁっ、やっ…リボーンッ」
「イけよ、見ててやるから」

みられているという感覚が俺をおかしくする。
じっとそこにリボーンの視線が向かっているのがわかって勝手に先走りが溢れ後ろがきゅんっと窄まる。
ダメと叫んで、リボーンの腕に爪を立てながら俺は白濁を放っていた。
じんわりとズボンが水分を吸収していき沁みを作っている。
それをリボーンが後ろからじっと眺めているのだ。
恥ずかしくてどうにかなりそうだと思った。
そう思うとますます感じてしまって、一回イったのにまた自身が熱を孕む。
俺は抜けて行こうとするリボーンの腕を掴んで引き留めた。

「なんだ?もう嫌なんだろ?」
「いやじゃ…ない…いやじゃない、から…もっとぉ」

意地悪をいうリボーンに止めないでと縋る。
一度教えられた快感は早々に忘れられない。
足を立てて広げ、リボーンの手をもっと奥へと入れるように腕を掴んだ。

「俺に触るの、いや?」
「ったく、煽るな」

リボーンの舌打ちと共にもっと奥へと入りこんでくる。
動きにくくて指の動きが制限されて、それがすごく感じた。

「あっあん…もっと、おく…おく」
「あのなぁ、自分からしといて強請るな」
「無理…リボーンが、気持ちよすぎるの」

リボーンが触ってるだけで感じて、リボーンの声が俺の脳内を幸せでいっぱいにしていく。
けれど、やっぱり指の動きは物足りなくて自分でズボンを脱いだ。
濡れたそこはやっぱり恥ずかしいぐらいになっていたけれど脱いでしまえばそんなの関係ない。
足からズボンを抜き取ると再び足を広げた。

「もう十分解れてるだろ」
「…うん、まぁ…昨日もしたし」
「なら、ちょっとぐらい我慢できるよな?」

リボーンがニヤリと笑う気配がして、嫌な予感を覚え待ったをかけようとしたのに後ろから抱えられ足を掴まれた。
子供が用を足すような恰好のまま俺の下にリボーンの足が目に入った。
そうして降ろされた場所はリボーンの自身の上だった。
いつの間にか準備万端のそこに俺は降ろされてゆっくりと入りこんでくるそれに逆らえず飲み込んでいく。

「ひあぁっ、おくきちゃう…だめっ」
「奥しろっつったりするなっつったり、忙しい奴だな」

リボーンの声を後ろから聞きながら腰を揺らされた。
俺は掴まるところがなくてされるがままに最奥を何度も突き上げられる。
そのたび力が抜け、どこにも力が入らなくなって喘がされるだけになるのだ。
もうだめと何度繰り返してもリボーンは止まることなく俺が満足するまで抱いてくれた。




「はふ…もう、限界…」
「すっかり腰抜けだな」
「リボーンがしたんだ…まぁ、煽ったのは俺だけど…」

一通りの事後処理を済ませて、俺が降ろされた場所はリボーンのベッドだ。
俺のベッドはしばらく使えない位に濡れてしまったのだ。
絶倫だなぁと思いつつもそれに慣れさせられてしまった。
心地よいシーツに頬を寄せてリボーンの香りを胸一杯に吸い込んだ。
散々乱されて甘くされるのが俺は好きだった。
あんなに好き勝手するくせに、ちゃんとしてくれる。
リボーンは優しいからどんなに強く振舞っても俺が助けてと言ったらしっかりと支えてくれるのだ。
なんて素敵な恋人だろう…できることなら、結婚だってしたい気分だ。
だってもう…離れる気もない。
そうして、俺はハッと思いだした。

「ねぇ、リボーン俺のバックとって」
「んだよ、せっかく寝るところだったのに」
「ごめん、でも…今日中じゃないと意味ないから」

俺はもう立てなくて、自分でいくこともできないからとリボーンを見たら仕方なく俺のバックをとってきてくれた。
それにありがとうと笑みを返して、中を漁る。
とりだしたのは、綺麗にラッピングされたプレゼントだ。

「これから、よろしくお願いしますとずっと一緒に居てください」
「……普通なら、これは返事のためのものだろ?」
「だから、今からリボーンが返事をくれたらいいよ」
「当たり前だろ。どこにもやらねぇ、ここに来たらお前はずっとこの先、一生俺のもんだ」

バレンタインは結局何もできなかった。
ホワイトデーに渡すのは少しおかしい。
けれど、俺はどうしてもそれがやりたかった。
愛しいあなたへの決意表明でもあったし。

「俺も、ずっとリボーンのものでいる」
「愛してる…」
「うん、俺も…あいしてる」

プレゼントなんて結局きっかけでしかないけれど、あなたの言葉を少しでも聞いていたくて。
これからもっとたくさん聞くことになるだろう。
それこそ、飽きるほどに。
でも、やっぱり初めは肝心だ。
俺はリボーンをどうしようもなく好きで、リボーンも俺のことをどうしようもなく好きでいてくれればいい。
ただ、それだけでいい。





END






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