◎ 朝焼け
お前の記念日。
俺の休みなんて早々取れないけれど、今日だけはお前の為に。
いつもより少しの早起き。
昨日のアルコールを引きずるがいつものこと。
昼過ぎの部屋を出る。
昼間から外に出るなんて何週間振りだろうか。
今は綱吉がいるから、休みの被った日には外にデートをしに出たりする。
その前は、休みと言ったらひたすら睡眠をとっていた記憶しかない。
俺の生活をもひっくり返してくれた恋人に今日は感謝の気持ちを込めた贈り物をしてやろうと思う。
まず最初に向かうのは俺の行きつけのファッション店だ。
「いらっしゃいませ」
静かに響いた店内を歩く。
俺がたどり着いたのは、コートが並んでいる場所だ。
その中からめぼしい物を探した。
綱吉が自分の服に無頓着なのは、同棲を始めたときからわかっていた。
けれど、ジーンズは頂けない。あれでは俺の気に入っている店に連れていけない。
だが、綱吉のことだ、一式プレゼントしようとすれば文句を言われるのが目に見えている。
だから、今回はコートだ。
これからの時季にはぴったりだと思うわけだ。
「包んでくれ」
「かしこまりました」
俺がこの考えに至るまで、随分時間を費やした。
女なら、宝石やブランドの一つや二つ渡しておけば喜ぶと言うのに、同性となると話は違ってくる。
綱吉には目立ってなにが欲しいと言っていたこともないし、特別物欲があるわけでもない。
そう思って過ごしたここ一週間の記憶はあまりない。
レジで綱吉では考えられないぐらいの金額を出すと少し大きめの袋へ入れられて渡される。
それを肩に掛けて、次に向かうはもうひとつプレゼントを買う場所だ。
「おめでとう、綱吉君」
「ありがとうございます」
バイト先の喫茶店で、俺の上がり時間一時間前にマスターが用意してくれたケーキとコーヒーでささやかなお祝いをしてくれた。
常連さんも、チョコや飴をくれたりして、嬉しさで頭をさげる。
「いいんだよ、綱吉君がいてくれるとマスターと親子みたいで微笑ましいから」
「やぁだ、私まだこんな大きな子供どんなに頑張っても年齢釣り合わないんだけど…?」
「マ、マスター、落ち着いて」
常連の冷やかしにギロリと睨んで指を鳴らしているのを慌てて止めに入る。
腐っても二丁目近所なのでマスターの腕は女だからと甘く見ると病院送りにされるぐらい強い。
腕を掴んでもう止めて、と喚いていると不意に店の扉が開いた。
店は閉めていないのでお客さんがきたのかと、顔を向けるとそこにはリボーンが立っていた。
「リボーン…え、なんで…?」
「ついでに迎えに来た」
整った顔で、しかも何故かいつものようにスーツを着ているリボーンは大きな花束を背負って店に入ってきた。
俺は一瞬見惚れてしまって、すぐに我に返ると改めて見直した。
「それ、なに」
「見てわかんねぇのか?花束だ」
花束はわかるが、そんな男らしい花束の持ち方をされて、似合ってしまうのがまたなんとも言えない。
「帰るぞ、時間だろ?」
「あ、ホントだ。じゃあ、これ持ってって、食べるように切ったのに残ったらもったいないから」
「本当にいいんですか?」
「いいのいいの、綱吉君のケーキだし」
マリアがケーキを箱に詰めてくれて持たせてくれる。
もう一度礼を言って頭を下げて店を出ようとすれば、すかさず後ろから明日は休んでもいいからねと不意打ちを食らって顔を赤くする。
常連さんも寛容だからって、言わなくてもいいじゃないかっ。
「なんだ、もうやってたのか?」
「うん、祝ってもらっちゃった」
見て、とポケットに入れたチョコや飴を見せると笑って一つ摘まんで素早く開けると口に放り込んだ。
「あー、俺のチョコ」
「いいだろ、そんなにあるんだから」
「っていうか、荷物持つよ?どこ行ってきたか知らないけど、大きい袋だし」
リボーンが持っている物が意外にも多いことに気づけば手を伸ばすもするりとかわされて、ついでのように手を握られた。
それも、指絡ませるあれだ。
「ちょっ…なにしてんのっ!?」
「荷物持つんだろ?」
「お前荷物じゃないしっ」
手を振るも一向に離してくれる気配がない。
なんだか、力も強くなっていっている気がするし、抵抗しても無駄なようだ。
仕方なく諦めて、手をそのままにすれば機嫌が好さそうにマンションまでをゆっくりと歩いた。
なんとうか、リボーンのスキンシップにもすっかり慣れて、受け入れてしまう自分が最初のころの俺では考えられなかった。
リボーンとこんな生活を続けてもう早一年と半年、互いに生活リズムを合わせつつ二人の時間も忘れないようにうまく付き合うこともできるようになってきた。
もう倦怠期に入ってもいいころ合いなのかもしれないが、夜に至っては四日と開けずにしている始末。
やりすぎだろうと感じてはいるのだ。
けれど、帰ってきて仕事に行くリボーンを見るとつい寂しくて誘ってしまったり。リボーンはリボーンで仕事から帰ってくると無理やり俺を起こしてヤったり……まぁ、お互い依存し合っているのかもしれない。
それが意外にも心地よく感じてしまって、つくづくリボーンに染まっているんだと思い知らされる。
のんびりと歩いていたのに、リボーンの足が止まったのに顔を上げるともうマンションのエレベーター前まで来ていたらしい。
「久しぶりだね、リボーンが迎えに来てくれるの」
「ああ、最近寒くなって人恋しいのか、忙しいからな」
忙しいのに、俺の誕生日にはちゃんと時間をとってくれるなんて、ついそのまめなところに笑みが浮かぶ。
そっと絡んでいる指に力を入れると、手を引き寄せられて口づけられる。
触れるだけのそれはすぐに離れてポーンとエレベーターが鳴った、
「何するんだよっ、人が見てたらどうするつもりだ」
「そんなの今さらだろ。あんだけあんあんいってりゃ、部屋の前通る奴らにはもうバレてるだろ」
「あんあんなんて言ってないし、それに部屋防音だろ」
「言ってる、防音でも漏れるもんは漏れるだろう?カラオケだって各部屋防音なのに音漏れしてるじゃねぇか」
リボーンのもっともな言い分に俺はうっと詰まった。
だが、人がいないとは言えこんなところでキスしていい理由にはならない。
「せめて部屋でしてよ」
「部屋に入ったら襲う」
「そんな即効ヤダ」
「冗談だ」
「お前のは冗談に聞こえないよ」
この会話を聞いただけでも迷惑になりかねないと言うのに、それにはお互い気づかないのだ。
ため息をつきながら部屋につくと鍵を開けて中に入ったら、いい匂いがした。
なんだ、と少し足早にリビングに行けばテーブルに二人分の食事が並んでいる。
しかもできたてなのか湯気まで立っている。
「なにこれ、なんで?」
「シェフを呼んだ」
「……呼ぶ必要あったのか?」
「あるだろ、お前の服装じゃどのレストランも入れねぇからな」
自分の服を見れば苦笑が浮かぶ。
ジーパンにパーカーとなんとも飾り気のない服装だろう。
だが、リボーンのように自分の身体が商売道具でもないし、制服が店にあるのだから必要ないと言ったらそうなのだ。
それに、俺の給料ではどうにもそういう服は買えそうにない。
「でも、その前に…花、花瓶に生けなきゃ」
「ああ、そうだな。誕生日、おめでとう」
「あ、ありがとう」
バサリと音を立てて目の前に差し出され、受け取るがその顔がかっこよくて赤くなる頬を隠すように花束に鼻を寄せた。
いい匂いだ、良く見ればコスモスがあってそれ以外はよくわからない。
それに、それ以上にある黄色い花が印象的だった。
花瓶をとりだせば早速水を入れて花束を広げる。
鋏をとりだしてキッチンで作業する。
ここならゴミが出てもすぐに捨てられるから便利だ。
「綺麗だ」
「ああ、誕生花の詰め合わせらしいぞ」
「ふーん、この黄色いのは?なんかいっぱいあるけど」
「ルドベキアだと」
リボーンが即答するときは答えを用意していた時だ。
なら、もっと突っ込んで聞いても大丈夫かなと笑みを浮かべる。
「花言葉は?」
「私はあなただけ」
「そっ…な、なに?」
そうなんだと口を開いた時リボーンが後ろに来て腰を抱かれた。
耳元に口を寄せられて、自然と身体が予感に震える。
「ちなみに、白いコスモスは乙女の純潔だ」
「乙女でも純潔でもないよ」
「なら、私はあなただけってのは違わないんだな」
言うなり服の上から突起を摘ままれて思いっきり引っ張られる。
「んっ…」
「これだけで感じるのか?」
「なっ、感じてないっ!!」
からかうような声に振り向いて案の定にやにやと笑っているから憎たらしいと口をへの字にしてリボーンをキッチンから追い出した。
アイツがいると集中できない。
止まっていた作業を再開して納得いく感じに花瓶に生けるとつまらなそうにテーブルについているリボーンを無視して真ん中に花瓶を置いた。
「つな…食べるぞ」
「わかったよ…いただきます」
リボーンの向かい側に座れば手を合わせて食べ始める。
メインのステーキから食べ始めたのだが、文句なしに美味しい。
どんな肉を使ったらこんなにおいしくできるのだろう…ていうか、デリバリーのシェフってお金かかるんじゃないだろうか…。
「いくらかかってるの?」
「気にするな。使う用事のない金なんだから」
「気にする。少しは躊躇えよ、老後を考えろ」
「大丈夫だ、老後もしっかり寝て暮らせる」
平然と返されて、もう返す言葉もない。
しかもそれなら、いいかなと思ってしまう。
駄目だと思いつつ美味しい料理を平らげるのだった。
もっと文句を言うかと思った綱吉は、意外にも料理を美味しいと言いながら食べ続けてあっという間になくなっていった。
デザート代わりにマスターに持たされたケーキを食べ終われば、俺が淹れたコーヒーを飲む。
そして、綱吉の視線が俺の持っていた紙袋に注がれているのを見ると、そっとソファに移動する。
綱吉もそれについてきて隣に座った。
「それなに?リボーンの服?」
「違う…お前のだ」
「これも?」
俺の行きつけのロゴだったから俺のか?と聞いてくる綱吉に袋を渡した。
中に入っている箱を出せば包んである紙をはがして中を開いて出てきたものに目を見張った。
「コート?」
「ああ」
「こんなの、似合わないよ」
広げてみたそれはトレンチコートだ。
綱吉に似合うよう少し明るめの色を選んだつもりだが、案の定戸惑った声をあげた。
確かに、今の綱吉が持っている服で似合うように着こなすことはできないだろう。
だが、そんな服じゃ入れないようなレストランに入るためにはこのぐらいの上着が丁度いい。
「似合うように、また服を買ってやる。だから、着ろよ?」
「そんな、でも…」
「言い訳は聞かねぇ」
こればっかりは、譲れないと言いきると仕方なく綱吉はそれを抱えるように抱きしめた。
「似合うものを選んだんだから、心配するな」
「ん……ありがとう」
頭をくしゃくしゃと撫でるとこつんと肩に頭を乗せてくる。
まだ複雑なのだろう、風呂に入るか?と聞けば首を振る。
なら、キスをさせろと顔を寄せると今度は自分からおずおずと唇を差し出してきて、深く重ね合わせると首に腕が回ってくる。
ひとまずコートはソファに置いて綱吉を抱きあげた。
キスを解かないまま寝室に運んでいく。
ベッドに下ろしてクチュクチュと水音を立てながらキスを繰り返し、服をたくしあげる。
「んあっ…手、つめたい」
「服の上からがいいか?」
「やだ、直接」
さっき引っ張った突起はまだ硬いままで本当にこいつの身体は感じやすいと感心する。
まぁ、ここまで仕込んだのは俺なわけだが、こんなにも快楽に従順になってしまったのは嬉しい誤算だ。
「あんあん、言ってるか…試してみるか?」
「言ってないよっ」
先程の話を蒸し返すように言ってやれば、ぶんぶんと首を振って否定してくる。
あとで驚けばいいと、笑ったままたくしあげた服を首から抜いて冷たいと言われた手でそっと胸全体を揉みほぐすように揉んでやると掌で突起が擦れる度にびくびくと身体を震わせている。
「うっ…はっ…あぅっ…」
「綱吉…俺のほうも脱がせろ」
「ん……」
綱吉の顔を見て、トロンとしてきているのを確認すると綱吉の手を俺の服に掛けさせた。
すると、おぼつかない手で俺のシャツのボタンをはずして、脱がせるかと思いきやそのまま綱吉の手は下へと降りてズボンへと手がかかる。
そして、ジッパーを下ろして器用に自身をとりだすとそれを扱き始める。
「つな、俺は脱がせろといっただけだぞ?」
「でも…もう、硬い…熱くなってる」
そりゃ感じるから、熱くなるのは当たり前だ。
それなのに嬉しそうな顔をするこいつが可愛いと思う。
「欲しいか?」
「ん…ほしい……くれる?」
「やるから、大人しく喘いどけ」
宥めるように言うと素直に頷いた綱吉にキスをして足からズボンと下着を取り払う。
途端に広がる白い肌に散る赤い痕。
消えきらないうちにまたつけると言う行為を繰り返しているので、少しずつ増えているのだが、多分こいつは気づいていない。
今回も例外なくつけるが、同じ場所にも強く残すために重ねてつける。
そのたびに、ピクンと震えているのでもう先端から涙を流すように先走りを溢れさせている自身を指先で撫でる。
「やっ…あっ、もっと…ちゃんと触って」
「もどかしいのも嫌いじゃないだろ?」
「けどっ…」
指が触れた途端腰が突き上げるように動いて、指に押し付けてくる。
快楽に順応な身体に笑みを溢せば、焦らすように指先だけでの愛撫を続ける。
だが、綱吉は耐えきれなかったらしい。
恥ずかしそうにしつつも自分の手を胸へと伸ばせば弄り始めた。
「自分でするのか?」
「はっ…だって、ここが…もう、じんじんしてる…あ、あうっ…」
「なら、自分でしておけ…ただし、イくなよ?」
「酷い…あっ、感じる、のに…」
感じる身体が止められないのかキュッキュッと捻りながら泣きそうな声を出す。
そして、自身の先端に爪を立てるとひときわ大きな喘ぎを漏らす。
「やっ…やめないでっ、もっと…」
「虐めてほしいのか?」
「ちがっ…だったら、もっと触って」
焦らし過ぎて涙声で訴える綱吉には勝てるわけもなく、突起を弄っている指にキスをして捻り上げた先端を舐めるとビクッと身体を震わせる。
「やぅっ…あんっあんんっ…だめ、それ…だめぇっ」
「感じてんだろ?ほら、気持ちいい」
「あー、きもちいいっ…ああっ、そこ…してぇっ」
突起を指ごと舐めるようにして感じさせながら秘部の割れ目に指を引っかからせると腰が自然に追いかけてくる。
誘われるままに指を突き入れた。
「あっ、ああんっ…それ、いい…」
「吸いついてくるな…」
「だって、りぼーんのゆび…おいしい」
きゅうきゅうと吸いつくように中を蠢かせて誘ってくる綱吉に俺もそろそろ限界がきていた。
指を乱暴に抜くと、すぐに自身を宛がう。
そうしたら、綱吉の足が俺の腰に絡んできて早くと急かす。
全部が俺好みになってしまった綱吉に、嬉しいと感じるがそれと同時に少しの罪悪感がこみ上げる。
俺がこいつに惚れなければ、こいつは今頃普通の女と付き合っていたかもしれないのに…。
移り気な自分がここまで惚れこむなど、きっとこの先あり得ないだろう。
だから、綱吉に内心謝りながらもこれまで隣に居てくれたことに安堵を覚える。
もう、離せるはずがない。
抱きしめればしっとりと絡みついてくる腕や、感じて半開きの唇、何より俺を求めてやまないその心。全部が愛しい。
ずるずると中に入っていけば、待ちきれないと締めつけてきて堪らず感じた吐息を漏らす。
「はぁ…あん……んっ、ん…」
「綱吉、気づいてるか…?」
「あっ…ん…なに?」
「あんあん言ってるぞ?」
「っ……」
「くっ…お前、締めるな…イくだろ?」
楽しそうに指摘してやると驚いたように自分の口をふさいで顔を真っ赤にしている。
さすがに今あげていた声で本当に自分が言っていたことを自覚してしまったのだろう。
羞恥に自然を秘部が締まり俺を締めつけてくる。
このままでは先にイかせられてしまう、と律動を開始した。
「ああっ…はっ、きもちい…いいっ…ああっ、だめ…イく…イって、い?イっても、いい?」
「イけ…中で出してやる」
はっはっと獣のような息使いで綱吉を追い詰め、綱吉も口をはくはくと動かして必死に空気を吸いこんでいるようだ。
腰を掴んで最奥を目指して突きあげるとすすり泣きが、本気で泣きだして俺にしがみついてくる。
「ああっ、あー、あーっ…イく、いくっ…ああぁぁっ!!」
「はっ…はっ……ック!!」
耳に残るような甘い喘ぎをあげて背筋をそらして、感じている綱吉に追い打ちをかけるように白濁を放った。
ビクビクッと身体を震わせた後、一気に弛緩して荒い呼吸を繰り返す。
その間も涙は止まらず、久しぶりにやり過ぎてしまったかと頬や瞼にキスをする。
「綱吉…あいしてるぞ」
「ん…俺も……リボーン…」
「ん?」
「ぎゅってして」
力が入らないらしく腕を伸ばしてくる手をとった。
ぎゅうっと抱きしめると耳元で安堵のため息が聞こえる。
「俺ね…リボーンに悪いなぁって思ったんだけど…」
「何がだ?」
「リボーンを好きになって」
「………」
「でも、もう…ぜんぜん、離れらんない…だから、全部愛してる」
なにが、だから愛してるなのだろう。
俺と同じようなことを考えていたとは、本当に思考回路まで同じになってしまったようだ。
馬鹿だな、と囁いて首筋に顔を埋めた。
「離れられないのは、俺も同じだ」
「……そっかぁ、良かった……」
「だから、お前は俺についてこい。悪いようにはならないと思うぞ?」
「ん、ついていきたい」
このまま、二人で…とはいかないけれど、もうお互いの距離感がわかってきたころ合いだ。
次は、お前を逃げられなくする。
縛り付けることを、許してくれ。
心の中でそっと呟けば、しなやかな身体を抱きしめていた。
誕生日、俺は新たな気持ちを自覚した。
お前に贈ったもの、全てに意味があると言ったら驚くだろうか。
覚悟してろ。
もう、お前を逃がさない…。
END