黒バス夢 | ナノ


▽ 彼と一日


俺の恋人はとってもツンデレ。
まず、恋人?って聞いたら違うって返すし、俺より大切な相棒いるし、俺より部活が大事だし。
それこそ、俺に愛情あるのかって聞いたらないって答えると思う。
けど、でも…ふとした瞬間に、愛されていると感じるのだ。



「たーかーおっ」
「げっ…」
「げって、酷いんだけどなんでそういう反応しか返してくれないかな」

秀徳高校の教室、高尾の席に俺は座っていた。
俺の方が先に登校するから当然教室に入ってきた高尾は嫌な顔をしている。
かわいいなぁ。
隣の緑間真太郎は慣れたことだとクイッと眼鏡を押し上げた。

「おはよう緑間」
「おはようなのだよ、名前」

緑間は俺の後ろの席に座って鞄を開けると授業の準備をしている。
高尾は未だこちらに寄ってくることはない。
ホント、素直じゃないんだから。

「早く来いよ、高尾クン」
「そこ退いたらすぐにでも」
「素直じゃないんだから」

仕方なく椅子から立ち上がれば高尾が椅子に座る。
俺は机に手をつくと高尾に笑みを向ける。

「おはよう、高尾」
「はよ」
いくら邪険にしたってしっかりと挨拶はしてくれる。
人気者の彼はなんだかんだと気にしてくれている…のかもしれない。
俺は自分の席に戻ると始まるホームルームに欠伸を噛み殺した。







昼休み、俺は購買に行った。
パンを見て自分の分を買うなり、飲みものに珍しくおしるこがあるのを見つけた。

「おっと、珍しい…つか、季節外れだろ、これ」

そういえば、おは朝の占い自分は一位だったんだと思いだして、緑間のために一つ買っていくことにした。
教室に戻るなり、いつものように緑間の机の横に椅子を運んだ。

「はい、緑間の好きなの」
「おしるこじゃないか」
「偶然あったから買ってきた」
「珍し過ぎじゃね?」
「人事は尽くされた」

そういって取り出したのは、かわいらしいウサギのペンダントだった。
首から下げるのではなくポケットにいれていたのはさすがにそれをやるのにためらいがあったのだと、思いたい。

「あ、そうそう今日から部活少し遅くなるんだ。名前どうする?」
「俺待つ」
「でも、遅くなるぜ?」
「待つ」
「強情」
「こうなった名前は梃子でも動かないのだよ」
「そうそう」

少しぐらい遅くなろうと自主練しようと、高尾と一緒に帰りたい。
ニッと笑って言えば、少し頬を染めつつそうかよと視線を逸らした。
その一瞬の表情で俺は嬉しくなる。

「体育館行ってもいいだろ?」
「構わないのだよ」
「何で真ちゃんが返事すんだ?」
「お前はいつまでも素直にならないからな、俺が代わりに言ってやったのだよ」

緑間はよくわかっている。
にっこりと緑間に笑みを向ければ、わかったからと高尾の腕が視線を遮った。

「もう、二人で仲良くすんな」
「ヤキモチー?」
「ヤキモチだな」
「ちがうっつーのっ」







部活の時間。
その日は丁度委員会で初めから練習を見ることはできなかった。
まぁ、そのほうが時間がつぶれるからいいけど。
俺は運動は苦手だからやらないけど、高尾が楽しそうにボールを追いかけているのをみるのは楽しい。
緑間の3Pは誰も唸らせるようなインパクトがあるが、高尾が楽しそうに抜いているのを見ればその表情を眺めるだけで嬉しくなってくる。

「おー、今日も元気に走り回ってるなぁ」

そっと入りこんだ体育館の観客席。
バスケ練習はコート全部を使って行われるため、端から端までを走る様子はため息が漏れるほど。
汗もすごいし、かっこいい。

「がんばれ〜、高尾〜」

そっと送った声援、聞こえたのか何なのか、高尾がこちらを向いた。
にっこりと笑って手を振ってやればふいっと逸らされる視線。
そんなときまでてれ隠ししてしまうほど余裕なのか。

「大坪さんにもうすこし厳しくしても大丈夫って言ってやろうか」

たまには人前でデレてくれてもいいと思うんだけどな、と思いつつデレた高尾はそれはもう可愛いので、これでいいかと納得した。
そして、練習は夜まで続けられた。

自主練が始まるなり、俺は下へと降りた。
レギュラー陣は練習を続けているが、他の部員の人たちは続々と帰って行った。

「緑間のシュートって、ホント外れないよな」
「一回ぐらい外せばいいのにな」
「高尾、練習いいのか?」
「うん、俺もう満足」

汗を纏った高尾はいつの間にか俺の隣にいて、ボールを片づけていた。
緑間はまだシュート練習、他の先輩方も練習に夢中だ。
高尾が部室に入っていくのについて、俺も入る。
そして、後ろ手で鍵をかけた。
まぁ、余計な邪魔が入らないようにっていうやつだ、誰かが来たら開けるけどちょっとの間だけ高尾を独り占め…なんていうのはダメだろうか。

「和成…」
「…名前?」
「今日もかっこよかった」
「なんだよ、いきなり」

着替えるためにユニフォームを脱いだ高尾を背中から抱きしめた。
声は少し硬いけど、それは緊張しているからだろう。
俺が高尾を名前で呼ぶ時はそういうことがしたいという合図と同義だから。

「相変わらず惚れさせてくれるなって言いたいだけ」
「そう、かよ…ちょ、名前」
「いいだろ」

ちゅっと首筋に口付けた途端、息を飲む音。
俺の前でこんなに無防備になっちゃって、もう少し考えてくれたっていいのにな。
肌に手を這わせると、手を掴まれてしまった。

「和成、邪魔しないで」
「汗臭いだろ」
「関係なーし」

早く触らせてと耳たぶを甘噛みする。
唇を噛むから声は聞こえないけど、耳まで赤くなってるから反応はよくわかった。

「こっち向いて」
「お前、調子のんなっ」
「のるよ、こんなに喜んでくれるんだから」

こちらを向いてくれた高尾の肌を優しく撫でる。
乳首がちょっと立っていて、期待しているらしい。
吸いつきたいと感じるままに高尾をロッカーに押し付けてそこに口付けた。

「んんっ…名前、ふ…だれかくる」
「まだ大丈夫だって、きたら止める」

他の人たちはまだ自主練に励んでいるころだろうと短く返すと薄く筋肉のついている腹筋を撫でて下へと手を入れた。
微かに反応しているのを確認して、高尾を見あげれば悔しそうな顔を見つけた。

「見んなっ」
「見たい、一回出したら終わりにするから…すこーしだけ」
「ひっ…なまえっ」
「大丈夫大丈夫、怖くない」

宥める声を出しながら自身を扱いてやると先端から先走りを溢れさせた。
高尾の身体は素直だ。
気持ちいいことをしてやれば感じるし、とろりととろけた視線も極上。
口だけの抵抗じゃ、何の反論にもなってない。
先端に指をぐりっと押し付けてやると、びくりと腰が揺れた。

「ぅっ…なまえ、あぁっ…や、だ…」
「ヤダじゃないのは、わかってる…ほら、ちゅーして」

ちゅっと乳首にキスをしてから顔をあげ、唇を強請る。
少し、睨んだけど応えるようにキスをしてきたのをみて、激しく擦り上げた。

「んんっ…ふぁっ、あぁっ…なまえ、名前っ!!」
「かわいー、俺も出したいけど…あとにする」
「はっ、はぁっ…このばかっ、こんなところで盛るんじゃねぇよ」
「だから、我慢するって言ってるだろ」

真っ赤になって怒る高尾はホントに可愛い。
そんなこと言えば表情を失くしてしまいそうだから口に出すことはないけど、汚れた手とそこを優しくティッシュで拭ってゴミ箱へと投げいれた。
ゴミ箱片付ける人、ごめんなさい。

「じゃあ、帰ろうか」
「誰かきてたらどうするつもりだったんだよ」
「あ、鍵閉めたし」

唖然としている高尾ににっこりと笑ってやれば額を抑えた、ああもう…早く着替えないと誰か来るって。
俺は高尾の服を手に取り渡してやる。

「鍵開けるぞ、早く着替えろよ」
「わーったって、自分勝手すぎだっつの」
「嫌じゃない癖に」
「嫌に決まってんだろっ」

高尾の声に俺の笑いは止まらない。
笑っている顔はよくみるけど、怒ってる顔ってそうないんだよな。
まぁ、俺には何でもどんな顔も見せてくれたらいいと思う。
高尾が着替えたのを見て、鍵を開けた。
カチャリと外の様子を見てみると、そこには緑間がいたことに気づく。

「あ」
「なんだよ、どうかしたのか?」
「いや、なんでもない。外で待ってるから、早く来いよ」
「んー」

俺はそっとやりすごし部室を出ると顔を真っ赤にしている朴念仁に向きあった。

「ごめんね?」
「此処に来たのが俺じゃなかったらどうするつもりだったのだ」
「だから謝ってるじゃん…ちょっと緑間とあいつが仲良いのが羨ましかっただけ」
「俺とは仕方ないだろう。それに俺の前だと高尾は名前の自慢ばかりなのだよ」
「へっ!?」

意外な言葉に今度は俺の顔が赤くなる番だった。
緑間は珍しく笑って、俺の頭を一撫ですると中へと入っていった。
緑間の方がはるかに身長は上だからなんか屈辱的だけど、それどころじゃなく慌てる。
なんだそれ、さりげなく爆弾投下していくなよな。

「あー、もう…高尾好きだーーー」
「うっさい」
「うるさいのだよっ」






END





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