黒バス夢 | ナノ


▽ どうしようもない奴

楽しいことって言うのは、突き詰めるとつまらなくなるらしい。
俺に勝てるのは俺だけだ、なんて厨二病気味な発言をした青峰を俺は放っておけなかった。
楽しくてバスケをしていた、それが天才的なまでの才能を発揮し。
誰も行けない境地まで一気に駆け上がっていった。
ただ、そこには誰も追いつけることなく青峰は全部を投げ出していた。
桐皇学園の屋上に俺と青峰はいた。
黒子は青峰の傍を去り、桃井は同じ桐皇へ。
けれど、近くにいることを許されたのは俺だけだった。
授業をさぼり、昼寝をする青峰はなにを想うのだろう。
結局バスケを止めることはできずにいる。
俺は青峰のバスケが好きだから全く問題ないが、ずっとさぼり続けるのだけはいただけない。

「どうするつもりだよ」

さらりと撫でるのは深い青。
眠る青峰は起きてるのかどうかもわからない。
ただ、神に純粋に愛された男は居場所を失ったように迷っている。
手を引いてやれる奴もいなくなった。
俺は黒子の代わりにはなれない。
赤司に傍についていてくれといわれただけで…。
でも、俺の意志でもある、青峰が放っておけなかったのは俺も一緒だ。
どこか危険で、目が離せない。
桃井だってそういっていた。

「あおみね…」

太陽の熱を浴びて温かい身体を撫でる。
たくましい身体、どれだけ練習したのだろう。
あの自信は根っこがあってこそだ、そこがかっこいいと思うし愛しいと思う。
俺の太ももを占領している顔を覗き込みながら、頬を両手で挟みこむようにして撫でた。
屋上の唯一日陰になる給水塔の傍、ここは滅多に人が来ることなく尚且つ、風邪通しもいい。
サボりスポットとしては最適の場所。
俺は青峰を探しにここに来たのだが、捕まってこのありさま。
静かにしていろと一言、本人はこうして寝ている。

「あーあ、あとで若松サンに怒られそー」

俺はここに来る途中すれ違った、先輩を思った。ただ、先輩と言っても俺はバスケ部に入っているわけじゃないので本当なら繋がりもなかった人だが、青峰を探しに行くと言ったらちゃんと授業出ろよ、と言われたのだ。
まさか、こうなることを予測していたということは…。

「あるかもしれない…」

あの人はバカそうに見えて、結構頭が回る。今吉サンほどではないけれど…。
ふにふにと触り心地の良くない頬を撫でていると、腕を掴まれた。
おや、起きたみたいだ。

「おはよー、青峰」
「ったく、さっきからぐちぐちとうるせぇ」
「うーん、青峰を預かる身としては色々な心労があるんだよ」
「どういう心労だ?言ってみろ、名前」

青峰の手が伸びてきて俺の顎にかかる。
この体勢じゃきついって、と思いながらも引き寄せられて唇が触れた。

「それは…その、色々だよ」
「よし、ヤるぞ」
「いや、待てどうしてそうなる!?」

青峰の行動はいつも突然だ、俺の意思なんか無視して身体を起こすと俺を壁に追い詰めた。
座っているから逃げるにしても無理なのだが…。
こんないい天気の屋上で何をするのかと見あげれば青に青が重なって見える。
眩しいと思った途端、唇を塞がれていた。
今度はさっきのように一瞬じゃなく噛みつくように唇ごと食べられるかのような感覚。

「んんっ…」

顎に指をかけ、無理やり開かされ舌が入りこむ。
うまく息ができず苦しいと青峰の腕を掴むのに逃げる舌を絡めて吸われた。
それだけで俺の心臓が跳ね、ますます苦しくなる。

「あ、おみね…はっ、も…ちょ…」
「名前のくせに抵抗すんな」

どういうことだとムカつくのに慣れた手つきで俺の制服のシャツに手をかけるとボタンを外していく。
俺の抵抗なんてなんでもないような扱いだ。
本当に歯もたたないのだけど、別に力がないわけではないと思う。青峰の身体能力がおかしいのだ。

「ここですんの?」
「ヤるぞって言っただろ」
「痛くないようにしてくれって、せめて」

唇を離されて唾液が垂れてしまいそうで慌てて拭って俺は諦めたようにため息をつく。
コンクリートに寝かされたんじゃ堪らないと先に言えばチッと舌打ちが聞こえた。
ほんと、何考えてんだこの男。
ヤることしか考えてないのか…。

「なら、上乗れ」
「…ん」

青峰が座り、俺の腕を引いてくる。
俺はこれからすることの予想がついて少し恥ずかしくなりながら青峰の足を跨いだ。
すぐに手が伸びてきて途中だったボタンを全て外され、ベルトに手をかけてくる。
俺も服が汚れないようにとボタンをはずし肌蹴させた。
焼けた肌が露わになり、見惚れる。

「おい、名前も俺の脱がせよ」
「お前、ほんっと…横暴っ」

この俺様が、と悪態つきつつ青峰のベルトも外して中に手を突っ込めばもうすでに反応していて、わっと手を引いた。

「自分から触っといて何してんだよ」
「だって、反応してるとは思ってなかったんだって」
「もっとこっち来い」

俺が驚いただけだと言い返すと腰を抱かれて引き寄せられた。
下着から自身をとりだされ、青峰も同じように出して重ねられる。
一緒に握られただけで呼吸が止まりそうになるぐらい感じた。
俺は腕のやり場に困り、青峰に抱きつくことで体勢を整える。

「ふ…あ、あ…」
「名前、先端からもうでてきてるぜ?」
「い、うなって…あほ、みね」
「あ?誰があほだ」
「ひぅっ…あぁっ、やっ、やぁ」

いきなり先端をグリッと抉られて目の前が白くなるほどの快楽が通り抜けた。
そのまま扱かれて、耐える間もなく青峰の掌に白濁を放ってしまった。

「はっはぁっ…い、きなり…」
「いれさせろ」
「俺の疲れとかさぁ、無視すんなっ」
「これぐらいで満足できるようになってねぇだろうが」

青峰の手が後ろからいれられて尻の狭間をなぞる。
ぴくっと反応したのを青峰は見逃すはずもなくそのまま指が入れられた。
少しの痛みを伴って入りこんでくるそれを締めつける。

「まだ、入んない」
「でも、いれてほしいんだろうが」
「俺の、ポケットの中」

期待していたことを知られたくなかったが、自分から出して見せるのもできず俺は小さな声で指示した。
青峰は俺のズボンのポケットを漁って出てきたものにニヤリと笑う気配がした。
ああもう、こういう顔するからかっこいいとか思っちゃうんじゃないか。
頭はいれることしか考えていないのだろうけれど、そんな野性味の溢れたところが好きだった。

「こういうの、どこで買ってくるんだよ」
「薬局」
「どんな顔して買ってくんだ、名前チャン?」
「見んな、ばか」

小口サイズのローションを手に取り奥へと塗りこめながら顔を覗きこまれた。
恥ずかしくて目を合わさずにいたら、ちゅっと掠めるようなキスをされる。
そうして指がすぐに二本に増え、中を広げ掻きまわされだんだんと腰に力を入れているのが辛くなってきた。
がくがくと太股が痙攣して、もう駄目だと切れ切れな声で訴えるように手に力を込めた。
肩に爪が食い込むも、関係ない。
俺の身体に今から無体を強いろうとしているこいつも少しは反省すればいい。

「片足脱げ」
「はっ…もう、力入んない」
「俺が動かしてやるから心配すんな」
「こいつほんとばかだ」

ニカッと笑う笑顔についよろめきかけたなんてそんなことは…。
言いながら足を掴まれて手伝わされ片足を抜いた。
俺の秘部に青峰の自身が触れる。
ためらったのは一瞬、青峰の手が俺の腰を支えてゆっくりと入りこんできた。

「あ、だめ…だ、め…あおみね、あお…あぁぁっ」
「くっ…しめんな」
「む、り…あふ、あぁ…」

元から体力はあまりない俺は、いれられただけで腰から力が抜けた。
一気に突き上げられる形になり、苦しそうな声が聞こえるも力の抜き方もわからない。
身体が勝手に締めつけ、中の青峰を食べている。
すると、腰を支える手に力が込められて俺の身体を持ち上げ降ろす。
中を擦る感覚に震えて、いやだと首を振った。

「もう、やだぁ…すんな、あ…おく、つよい」
「あー、きもちー…もう少しさせろよ、なぁ?」
「だめだって、あおみね、あおみねぇ…」
「名前呼べ、名前」
「ひぃ…だい、き…んぁ、大輝」

腰を落とされる感覚が短くなってくる。
それに比例するように首にかかる青峰の吐息も多くなって、気持ち良くなって陶酔した。
理性なんて保っていられる方が無理だろう。
こんなに気持ち良くしてくれて、上気して俺に感じてるって顔してる。
青峰の頬に手を添えて、見つめた。
いつもは見あげるような体勢だが、今は俺が上。
深い青はどこまでも俺を魅了してやまない。
どちらからともなくキスをして、貪るようなそれに唾液が垂れるのも気にしない。
元より、汗が伝う身体ではそんなのも気にならない。

「んんっふっ…―――っ」
「ぅ……っ!!」

キスをしながら絶頂を迎えれば、弛緩して青峰の胸に凭れた。
動きすぎて少し頭ががんがんする。

「みず…」
「おら…あっちぃ」

言えば桃井に持たされたのだろう水筒が俺の目の前に出される。
中のものを抜いてからそれに入っていたお茶を注いで飲もうとすれば、青峰に奪われた。
ほんと、なにこいつ…俺を労わる気とかあるわけ?
と思ったらいきなり頬を掴まれてひきよせられ、一瞬のことで反発もできずにいればキスされ、中にお茶が入りこんでくる。
それを飲み干せば、なんとも満足そうな顔があった。

「あのさ、生温かいお茶とかいらない」
「そうか、もう一回するか」
「しないっ」

どうしてこうも俺様なんだろうなぁなんて考えながら青峰を見つめた。
どうしようもないのだろうが…。
結局惚れた俺は青峰をなんだかんだと許してしまうのだろう。
いつか、また楽しそうにバスケをする姿を夢見ながら、ただその青に手を伸ばす。





END






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