うサギと呼ばれる女性2



その日から私のレオナ様と「再び出会いたい欲」は凄かった。
いや、出会うだけでは満足出来ず、あの素晴らしく、美しい方と恋に落ちたいという浅ましい願望を抱くようになった。


そのためにはまず、努力をせねばならない。




その1 嗜好を合わせよう
親や使用人たちを使って調べたところ、どうやらレオナ様は肉食獣の印象通りお肉が好きで野菜は嫌いらしい。
私も同じように獣の部分に嗜好は寄り、 ベジタリアンの為お気持ちはよく分かる。
だが一緒にお食事をす、す、する機会などが長い人生あるかもしれないですし????
その為にはまず好みを一緒にしていた方がいい。
なので無理矢理食の補正を行い、肉大好き(思い込み)へとねじ曲げた。
毎日毎日来る日も肉料理。作る側としても抜かりはなく、料理も手の込んだ肉料理からあっさり簡単に作れるツマミレシピまでレパートリーも豊富に取り揃えて覚えた。

野菜生活だった日々から肉生活と変えるとまあするとどうだろう、勿論体重はぶくぶくと増え立派なデブ兎へと変動した。これでは行けない、そうして次の計画に移る事にした。



その2 容姿を変えよう。

太る前からこの八の字を描いた眉毛とタレ目のせいで常に私は絵文字で言うなら「💦」という顔をしているように見える。らしい。
それで余計に草食動物の印象もあってか本人的には勇ましくした所で顔文字の(`・ω・´)キリッ!のレベルだそうだ。
その顔文字は幻覚であり、今ではキレた際は表情が追いつかない内に拳が出てしまう。
悪い癖だ。

厳格な見た目にするために眉毛を全剃りした事があるが父と母が「私たちの天使ちゃんがグレたーーー!!」とギャン泣きしたので結局それは1ヶ月と持たなかった。

その為顔は特にいじることもせずダイエットを優先する事にした。
サンゴの海に知り合いがいる親戚がいいダイエット方法を教えてくれたので痩せるのに時間はかかったが比較的元の体型に戻ってきたかと思う。
だが1度肥った名残は残ったままで二の腕周りなど上半身は若干ふくよかになったがまあサイズの大きめの制服を着れば隠せるレベルなのでい、い、い、いざ裸となる前に上手く調整すればいいだろう。いつか来るかも知れないでしょう????



さて次は容姿で気になることといえばこの耳だ。
百獣の王であられるあのお方の隣に立つのが草食動物の獣人ではいけないだろう。
私の耳はピンっと真っ直ぐ反り立ち、やたら長く、全長となるととても邪魔になる。しかもそれだけ長いととても目立つ。なので邪魔な耳を半分にする魔法術や手術も考えたがそれを実行する前にまたもや父と母に「天使ちゃんのお耳がーーーーーー!!」とギャン泣きされたのでそれも諦めた。その為ツインテールに一緒に巻き込む形で結んでロップイヤーのような垂れ耳に無理やりすることにした。



冒頭でもいったが父と母は可愛い可愛い娘にはゲロゲロ甘だった。
王子様と結婚したい!!と言った日には父親にギャン泣きされたが私たちの娘であればやはりその位の方じゃないと釣り合わないわよね!!って謎の納得をしてくれたおかげで私のレオナ様の好みになろう作戦にめちゃくちゃ協力は惜しまなかった。だから私も多少の無茶をしてもむしろ応援してくれる有難い存在だった。


そしてその3、水の魔法を会得しよう
私は元々、火の魔法を得意としていたがレオナ様の故郷の砂漠地帯では水魔法を使えると重宝されると聞き、不得意な水の魔法を死ぬ気で体に馴染ませるために毎日滝行を行った。
努力が違うとどこからかツッコミが聞こえたがおかげでユニーク魔法を水系の魔法を使えるようになった。努力万歳。


その4、学校で出会うためには
出会いからは既に数年経っており、私は13歳。レオナ様が16のお歳になり、彼はナイトレヴンカレッジに通うことになったらしい。

そしてここに来て問題があった。
彼が通いそうな貴族御用達の学校たちは下調べを済ましていたがまさかのナイトレイヴンカレッジは男子校だ。


どうすればかの学校へ正々堂々と入れるか、と悩んだ結果、私はマジカルチアリーディング部という部活に力を入れている学校にに所属する事にした。
マジチアとは魔法を使いながら魅せるダンスだ。
ジャンプ力と体の柔らかさには自信があったので毎日いつかレオナ様が所属しているというマジフトの試合に出れればと期待して早3年。チアリーダーになっても未だに試合から声はかからない。解せぬ。
レオナ様は来年にも卒業してしまう、そうなると相手は王族であり会えなくなってしまうと日々枕を濡らしていたがなんとレオナ様、ダブっ(留年し)た。

本当なら喜んでは行けないことで本人には申し訳ないけどめちゃくちゃ神に感謝して私も高校へと入学をして、再びマジチア部に入った。

だが高校でもマジチア部が呼ばれない可能性は高い。のであれば自ら行けるように行動しなければならない。そう思い次は2年の時に生徒会長へ立候補した。
そして生徒会長となると成績が良くなくては話にならない。だから私は死ぬ気で勉強した。
学園1位とまでは行かないが上位に入ることは出来た為持ち前の「愛され系見た目」を駆使してやって生徒会長の席をぶんどってやった。


見た目がか弱そうなのにガツガツ行く所から着いたあだ名は「う詐欺」だ。
うるせぇ黙れてめぇらが勝手に見た目に騙されてんだろばーかばーか!!


……話を戻そう。
私は兎に角行動派だ。やると決めた事はやる。やるなら徹底的に。確実にやる。



そして生徒会長になって2年言い続けた等々ナイトレイヴンカレッジへの交流学習が決まったのである。
思わず「っしゃオラァ!!!!」と拳を振り上げてガッツポーズをした。

兎のイメージが崩れるからやめてくれと言われた。げせぬ。




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